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Phil Upchurch - Darkness, Darkness(1972)

ジャックマクダフ、ジョージベンソン、カーティスメイフィールド、ダニーハサウェイ…数々のミュージシャンからその腕を信頼され、多くの作品にその演奏を刻んだフィルアップチャーチ。彼は比較的早いうちから多くのソロアルバムをリリースしていますが、おそらく最も有名なのが本作。西海岸の一流のセッションミュージシャンを集め、アレンジャーでニックデカロとダニーハサウェイの二人、プロデュースはトミーリピューマという豪華な布陣。有名な曲を素材にガンガンと弾きまくるフィルが最高にかっこいい一枚です。

フィルアップチャーチ:リードギター
アーサーアダムス:リズムギター
チャックレイニー:ベース
ボビーホール:パーカッション
ハーヴィーメイソン:ドラム
ジョーサンプル:キーボード
ドンシモンズ:ドラム(3,10)
ベンシドラン:オルガン(8)
ダニーハサウェイ:エレピ、鍵盤ベース、アレンジ(3,10)
ニックデカロ:アレンジ

Darkness, Darkness
ヤングブラッズのカバー。グルーヴィなリズムをバックにブルースフレーズを弾き倒します。ドラッギーではないですがギターがうねるファンクという意味では初期ファンカデリックの長尺ファンクロックにも通じます。

Fire & Rain
ジェームズテイラーのカバー。始めはストリングスをバックにメロディをメロウに弾いていますが中盤から彼のクセの強くでたアドリブになります。

What We Call The Blues
シカゴ録音でアレンジはダニーハサウェイ。シカゴだけあってブルースフィーリングの濃いというかブルースそのものです。変わった音のベースはダニーハサウェイが弾くローズの鍵盤ベース。ダニーはフィルを兄のように慕っていて、これを手にした時もフィルのもとに嬉しそうに見せに来たそうです。

Cold Sweat
JBのカバー。ワウを交えたリズムギターとクリアトーンでバリバリ弾き倒すリードの絡みがめちゃくちゃかっこいいです。チャックレイニーのパツパツ弾むベース、ハーヴィーメイソンのキレのいいドラムとソロが回されていきますがどれもすごい!

Please Send Me Someone To Love
これもブルースナンバー。ブルースフレーズでテクニカルなギターソロというとブルースロックもそうですが彼のトーンはブルースロック系にはない粘り気のあるトーンです。逆にコーネルデュプリーやアーサーアダムス等のブルース出身でかつ似たようなキャリアのギタリストと比べるとルーズさがなくカチッとした音という印象がします。

Inner City Blues (Make Me Wanna Holler)
マーヴィンゲイのカバー。オリジナルのメロウな演奏とはうってかわってハードにギターがゴリゴリと鳴るジャズファンクです。あの妙に中毒性のあるベースラインも微妙に異なっています。そしてリズムの刻み方に聞き覚えが。ジョージベンソンのTake Fiveです。Take Fiveでこのリズムが聴けるのはイントロなので主役のジョージがイントロ~メロディを一人で弾いており、こちらではリズムはアーサーアダムスに全て任せていたと思っていましたがここまで似てると同一人物。つまりフィルの演奏ではないかと思います。

You've Got Frend
キャロルキングのカバー。原曲の優しいメロディをニックデカロのアレンジをバックに丁寧に奏でていますが後半は何の曲を聴いているのかわからなくなるくらいハードなアドリブが続きます。こんなラジオ放送なりシングルカットなりができそうにない楽曲がLP二枚に渡ってあるようなアルバムをよく作れたと思います。

Love And Peace
リズムギターのアーサーアダムス作。フィルは哀愁とファンクを混ぜたようなテーマですらぐちゃぐちゃしたアドリブを放り込んできます。ジョーサンプル、ワウを踏んだフィルのソロが続きますがベンシドランのまろやかなオルガンのせいかほかの曲ほどハードさはありません

Sweet Chariot
古いゴスペルで重くパキッとしたトーンではなくコーネルデュプリーっぽいほどよく軽く緩いトーンから始まります。しかし結局はいつものトーンに。フィルの引き出しの多さを感じます。

Sausalito Blues
ポロポロとなるピアノと素朴なタッチのギターが素朴に響く一曲。