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Uber Eatsは配達じゃない。 "移動ゲーム"である。


収入はアクセルではなく、「次にどこにいるか」で決まる。


「配達員って、荷物を運ぶ仕事ですよね?」

そう聞かれたら、私は少しだけ首をかしげる。

もちろん、荷物は運ぶ。

でも、それは仕事の結果であって、本質ではない。

本当に稼いでいる配達員が一日中考えているのは、料理でも、お客さんでも、バイクでもない。

「次にどこへいるべきか」

これだけだ。

私は専業でフードデリバリーをしているが、収入の差は体力でも根性でもない。

移動の質。

これでほぼ決まる。



配達は点。移動は線。


初心者は一件一件しか見ていない。

「この注文は800円だからいい。」

「この注文は近いから楽。」

もちろん、それも大切だ。

しかし専業配達員は、その先まで見ている。

その配達先は、次も鳴る場所なのか。

戻るのに10分かかる場所なのか。

配達が終わったあと、自分は"稼げる場所"に立っているのか。

ここまで考えている。

だから同じ800円でも価値はまるで違う。



高単価案件には罠がある。


例えば1,300円。

画面を見ると、つい指が動く。

「ラッキー!」

ところが配達先は住宅街の奥。

届け終わる。

……静かだ。

注文は鳴らない。

結局、元のエリアへ戻るまで15分。

ようやく鳴った頃には、さっきの1,300円は実質900円くらいの価値になっている。

配達員は「配達時間」ではなく、「次の注文まで」を一つの仕事として考えなければならない。



待機場所は「人気スポット」ではない。


初心者ほど「みんなが集まる場所」に行きたがる。

しかし考えてほしい。

人気スポットには、人気がある。

そして…。

配達員も集まる。

つまりライバルも増える。

行列のできるラーメン屋に、さらに店を出すようなものだ。

私は、人がいる場所より、

「注文に対して配達員が少ない場所」

を探す。

これが意外と当たる。

派手ではない。

でも、積み重なる。



地図を見ているようで、見ていない。


配達を続けると、不思議なことが起きる。

地図を見なくなる。

正確には、

店を見るようになる。

「あ、この店は昼だけ強い。」

「ここは夜になると急に鳴く。」

「この店は料理が遅い。」

「ここはダブルになりやすい。」

Googleマップには書いていない情報ばかりだ。

経験値だけが教えてくれる。

だから同じエリアでも、人によって時給が変わる。



移動には「意味」が必要。


鳴らない。

だから走る。

これを私は"散歩"と呼んでいる。

動けば仕事をしている気になる。

しかし、目的もなく移動してもガソリンだけが減る。

本当に必要なのは、

「なぜ今ここへ向かうのか。」

という理由だ。

昼だから。

雨だから。

イベント帰りだから。

配達員が少ない時間だから。

そういう根拠があって初めて、移動は武器になる。



帰り道までが一件。


専業配達員ほど「帰り」を考える。

届けた瞬間に終わりではない。

次はどこへ向かうのか。

この一件が、その後30分を決める。

だから私は、

「帰って来られる注文」

を好む。

もちろん遠距離案件が悪いわけではない。

ただ、

帰り道まで含めて利益があるか。

そこを考える。

この癖だけで、一日の売上は変わる。



Uber Eatsは運ゲーではない。


「今日は鳴らなかった。」

確かにそういう日もある。

しかし毎日そう思っている人は、

運ではなく立ち回りを疑ったほうがいい。

専業になると気付く。

稼ぐ人は、たまたまではない。

毎回同じような場所にいて、

毎回同じような時間に鳴っている。

偶然ではなく、再現性だ。



アクセルより大事なのは判断。


バイクが速い。

125ccだ。

大型だ。

正直、それほど重要ではない。

重要なのは、

受けるか。

断るか。

待つか。

移動するか。

この判断を一日に何十回も繰り返している。

一回の判断は数十円しか違わない。

でも100回積み重なると何千円にもなる。

月なら数万円。

一年なら何十万円にもなる。



配達員は将棋をしている。


私はUber Eatsを始めた頃、

「運ぶ仕事」だと思っていた。

今は違う。

チェスや将棋に近い。

三手先を読む。

この注文を受けたら。

次はここ。

そのあとここ。

こういう流れが頭の中で組み立てられている。

もちろん外れる。

でも考え続ける。

それが専業配達員だ。



Uber Eatsは配達ではない。移動ゲームである。


料理を運ぶことは誰でもできる。

ナビを見れば目的地には着く。

しかし、

「次にどこへいるべきか。」

これを考え続けられる人は少ない。

だから収入が変わる。

私は配達をしているようで、実は移動をしている。

一件終わるたびに、次の一手を考える。

まるで将棋のように。

だから今日もアクセルを開ける。

料理を運ぶためではない。

「次に稼げる場所へ、自分を運ぶために。」

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溝ノ口勇児 チップはすべて「配達中の水分補給」か「鳴らない時間のメンタル維持費」に使われます。応援いただけたら、次もちゃんとネタを拾って帰ってきます。