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いくらなんでも彼女にタンポンを投げつけるなんて!💗『キャリー』 

《乱れ撃ちシネnote VOL.043》

『キャリー』 ブライアン・デ・パルマ監督 1976年公開アメリカ

「死ぬまでに観たい映画1001本 第5版」選定作品

鑑賞日:2023.02.01 U-next

【Introduction】
前回の『アンタッチャブル』は面白かった。

けれど、群を抜いてぼくが好きなパルマ監督作品は『ファントム・オブ・パラダイス』(1975年)と『キャリー』(1976)なんです。

公開当時『ファントム・オブ・パラダイス』を観てパルマ監督の映画愛が溢れるあざとい演出に狂喜しました。
フランスのミステリー作家ガストン・ルルーの小説「オペラ座の怪人」がサイレント時代の怪奇スター、ロン・チェイニー主演で1925年に映画化され、それをロック・オペラに仕立てたのが『ファントム・オブ・パラダイス』です。
パルマ監督はこの作品とシャム双生児を扱った『悪魔のシスター』 (1972)でカルト・ムービー監督として脚光を浴びました。

『ファントム・オブ・パラダイス』にはシンガー・ソングライターのポール・ウィリアムスが出演していることも音楽業界で話題になりました。
カーペンターズの「愛のプレリュード」、

「雨の日と月曜日には」やスリードッグナイトの「オールド・ファッションド・ラヴ・ソング」など数多くのヒット曲を生んだシンガー・ソング・ライターのポール・ウィリアムズが重要な役で出演しています。

初めて画面にポール・ウィリアムズが登場した時には「あ!白木みのる」と驚きました。

白木みのる

それは話をちょっと盛ってますがポールの身長は157センチなので当たらずとも遠からずでしょ。

残念ながら『ファントム・オブ・パラダイス』は現時点でサブスク見放題では観られないのでパルマ監督をカルト・ムービー作家として有名にしたもう一本の作品をご紹介します。

原作スティーブン・キング✕監督ブライアン・デ・パルマ✕主演シシー・スペイセク最高のホラー映画『キャリー』という図式は異論のないところだと思います。

今回で何度目だろうこの作品を観るのは。
何度観てもこの作品は良く出来ているし面白い。
キングのホラー作品で唯一成功している映画だ。

なにしろシシー・スペイスクが素晴らしい。
最初は地味でブサイクな少女に見えていたがとんでもない。
普段は地味で内気で母親の縫った服を着てお化粧もしない。
そんなキャリーが一所懸命自分でドレスを縫いあげ生まれて初めて口紅をぬってパーティに出る。
とってもきれいだ。

大林さんの『HOUSE』に通じる作品だということにも今回気がついた。
ホラーは好きではないけれどこれは一級のホラー映画です。

【Story】
気立てが優しく地味でおとなしい女子高生キャリー(シシー・スペイセク)は毎日学校で激しいいじめを受けています。
いじめに加担していることを恥じたスー(エイミー・アーヴィング)は罪滅ぼしのために卒業祝いのダンス・パーティーにキャリーを誘ってもらいたいとクラス一のイケメンで彼女のボーイフレンドのトミー(ウィリアム・カット)に提案します。
スーとカップルでパーティーに出ることを楽しみにしていたトミーもスーの真剣さに折れてキャリーをパーティに誘います。

パーティへの参加など考えてもいなかったキャリーはトミーの申し出を最初は断りますがトミーの情熱に負けて彼とカップルでパーティーへ参加することをOKします。
キャリーがパーティーへの参加を断っていたのは狂信的なクリスチャンである母親(パイパー・ローリー)にパーティーに参加することを言い出せなかったからです。
キャリーの母親は世の中の悪の根源である男たちにキャリーが汚されないように自分が守らなければという使命感でいっぱいです。それには深い理由があるのですが。

パーティの当日キャリーを押しとどめる母親を「絶対にパーティーに行くわ」とキャリーは宣言して母親を壁に押し倒します。
キャリー本人も最近気がついたのですが彼女は強力なエネルギーを持つ超能力者だったのです。
母親を壁に釘付けすることなどキャリーにとって簡単なことです。
たんねんに縫い上げた美しいドレスに身を包み、生まれて初めて口紅を塗ったキャリーはもじもじしながら迎えに来たトミーの車に乗ります。

卒業生をおくるダンス・パーティー会場に着いて急に怖気づいたキャリーの腕を自分の腕にからませて優しくリードして堂々と会場に入るトミー。
思いもかけないカップルの入場に会場がどよめきます。

え〜〜!キャリーが来たわよ。
なんであのキャリーがイケメンのトミーと・・・
なんかの間違いじゃないの?
これって冗談でしょ。
でも今日のキャリーちょっと素敵じゃない?


パーティーの最後には恒例の「本日のベスト・カップル賞」の投票があります。


この後の展開はお楽しみに。
ホラー映画の傑作の本領が発揮されますので。

【Trivia & Topics】
*原作について。
原作はモダン・ホラーの巨匠スティーヴン・キングのデビュー長編です。
それまでの怪奇小説はおどろおどろしい設定の中で語られていましたがキングは平凡な日常が変容した先に恐ろしい展開が待ち受けているというスタイルを開拓し、それはモダン・ホラーと名付けられました。
ヒッチコックの語り口と似ていますね。

*ゴミ箱から生まれたベスト・セラー。
伝説的なエピソードです。
「キャリー」の初稿を3ページまで書いたのですがキングは気に入らず原稿をゴミ箱に捨てました。
ゴミ箱に捨てられた原稿を見つけたタビサ夫人が拾って読み、これは面白いから完成させたらとキングを励ましました。
1973年米国の大手出版社ダブルデイはハードカバーの契約金としてキングに2,500ドルを支払いました。
そのお金でキングは引っ越すことが出来ました。

*モダン・ホラーの金字塔「シャイニング」。
1974年に「キャリー」のハードカバー出版。その後映画化され大ヒット。そのおかげでキングはメイン州を離れコロラド州ボルダーに一年弱移り住みます。
そして「シャイニング」が生まれました。

*その後のキャリー。
・1989年続編『キャリー2』公開。
エイミー・アーヴィングが本作と同じスー役で出演しています。未見です。

・2013年リメイク版『キャリー』公開。
主演がお気に入りのクロエ・グレース・モレッツなので観ましたが残念ながら不発でした。
何よりも不満なのはキャリー役がモレッツでは美しすぎる、華やかすぎるんです。いじめられっ子のリアリティがない。
もっともモレッツが大好きなので彼女だけを見て幸せな時間ではありましたが。

*受賞歴
・1977年アボリアッツ国際ファンタスティック映画祭グランプリ受賞。

・シシー・スペイセクとパイパー・ローリーはアカデミー賞にノミネートされました。
(パイパー・ローリーは1961年の『ハスラー』でアカデミー主演女優賞にノミネートされました。その後一時期引退していましたが『キャリー』でカムバックし再び助演女優賞にノミネートされました)

【鑑賞ガイド】
😁😁😁😁
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
😁😁😁😁😁:見事な作品。
😄😄😄😄:お勧めです。
😀😀😀:楽しめます。
😔😔:苦手です。
🥵:途中下車。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【巷のうわさ】
Filmarks:☆☆☆★(3.6)

u-next :☆☆☆☆



お好きな方はこちらもどうぞ。

オペラ座の怪人(弁士字幕付き)

明日も面白い作品を探さなくっちゃ。


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