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常識はこういうところから覆る『酒を主食とする人々』

最近すっかりお酒に弱くなりました、いっぱい飲んだなという認識がないのに二日酔いっぽかったり、お腹が痛くなったり。特に年末年始の会合続きはキツかった。
そんな状態でノンフィクションの新刊チェックをしていたときに見つけたのがこの本でした。

妊婦は当たり前、子どもの頃からお酒を飲んで育つ、だと!?
「インドの赤ちゃんって辛いカレーを食べてるんですかねー」とか呑気に言ってる場合じゃないですよ。
とはいえ”現地のお酒とはこんなものでした”と粕漬けみたいなのが出てきて終わるかもしれん、と思っていたのですよ。読むまでは。

高野さんの旅は想像をあらゆる方角から変えてきました。そもそも出発予定当日にお腹を壊して救急搬送されるあたりから想定外です。テレビロケなのに!
出発となってもお腹に危険を抱えたまま、その状況で飲酒民族の取材なんかできるんかいな…と思ってましたが、飲めば飲むほど調子が良くなる状況なんかも出てきていて、なにがなんだかわかりません。
様々な科学的な事情でお酒を飲む民族が成立しているのだと思いますが、副題に「科学的秘境」と書いてあるだけあって科学的な解説はされません。
飲酒に悪影響があることは間違いがないのだろうけど、それを超える事実もありそうで、飲酒についてはもっと真面目に研究してみてほしいところです。この旅のきっかけにもなったこちらも読んでみたいところ、なんだけどなんだこの中古価格!!

この旅自体はTBSのクレイジージャーニーのロケが元にあるそうです。長旅のうちテレビで放送されたのはほんの一部で、出発前のドタバタから、現地との交渉やトラブルが克明に記された(克明すぎて身体が痒くなるところも)のがこのノンフィクションでした。

マンガやラノベばかりがメディアミックスって言われているけど、この本もまさに「メディアミックス」。テレビ番組の裏側は映像より文字の方がずっと面白い。どんな小さな事からも面白さを見つけてそれを伝えてくれる高野さんの力があっての賜物なのだろうけど、そういう意味で”ノンフィクション”のこれからについても考えさせられる1冊でした。めちゃくちゃ面白かった。

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