【子育てエッセイ】#31 この時間は、パパに支えさせてね
もうすぐ、ピアノの発表会。
5歳の長女・いっちゃんは、
毎日コツコツと練習を続けている。
ソロで弾く曲。
先生との連弾。
そして、みんなで演奏するアンサンブル。
なかなか集中力が続かない日もあるけれど、
そばで見守っていると、
少しずつ弾けるようになっていく。
昨日までつまずいていたところが、
今日はうまく弾けるようになっていたりして、
その変化を見つけるのも、なかなか楽しい。
ただ、
普段の練習は、
ほとんどいつも
2歳の次女・つーちゃんも一緒だ。
時々、
つーちゃんがお昼寝している隙を見て、
そーっとピアノの部屋へ向かい、
ふたりだけで練習することもある。
けれど、
そんな日でも、
どこか頭の片隅では、
「起きてこないかな」
「起きる前にここまで終わらせちゃおう」
なんて考えていることも多い。
そして案の定、
ひょこひょこと顔を出してくる日もある。
それはそれでかわいいのだけれど、
いっちゃんだけに
集中して関われている時間は、
思っている以上に少ない。
・ ・ ・
先日、
アンサンブルの合同練習があった。
普段はなかなか会わない教室のお友だちと、
みんなで合わせる大事な練習。
僕といっちゃんで会場へ向かった。
練習が始まると、
子どもたちと先生だけの時間になる。
だから、僕はいったん退室。
そして練習を終えたあと、
戻ってきたいっちゃんは、
「楽しかったよ〜〜!」
と、とてもいい顔をしていた。
よし。
じゃあ今日は、
ここから、パパとふたりデートだ。
いつもの自転車に乗り込んで、
向かった先は、
少し離れたところにある
ディスカウントストア。
発表会で履く靴を探しに行く。
去年の靴は、
もうサイズが小さくなっていたし、
実は、一回の発表会で
けっこう頑張り切ってくれていた。
妻からの、
「意外とここの靴屋、掘り出し物あるかもよ」
という情報だけを頼りに、
いざ出発。
店内を見てみると、
なるほど、
発表会でも使えそうな靴がちらほら。
ただ、
サイズが一つしか残っていないものも多い。
その分、
かなりお買い得になっている。
ふむふむ。
なるほどね。
・・・ん?
これ、いいんじゃない?
つま先がキラキラしていて、
リボンもついている。
宝石みたいな飾りまでついているし、
バックルもハートだ。
「いっちゃん、これどう?」
「かわいい〜〜!」
「履いてみたい!」
なんと、ジャストフィット。
・・・これで決まりじゃないか。
思った以上にあっさり、
発表会用の靴が決まってしまった。
・ ・ ・
さて。
それじゃあ約束どおり、
ごはんを食べに行こう。
いつもの食事は、
つーちゃんも一緒。
だからどうしても、
僕や妻は
そちらのフォローに回る時間が増える。
その間、
いっちゃんは
自分で頑張って食べてくれている。
だから前から約束していた。
「今度、ふたりっきりでごはん食べようね」
「その時は、いっぱい食べさせてあげる」って。
一緒に選んで、
フードコートで隣り合って食べるごはん。
隣に座りたいって、
席も選んでくれたね。
特別なごちそうではなかったけれど、
でも、
なんだかとても特別だった。
「次はこれ食べる?」
「お茶飲む?」
そんなことを言いながら、
目の前のいっちゃんだけを
見ていられる時間。
そういえば最近、
こんな時間、
あまりなかったなぁと思った。
いつも助けてもらっているんだよね。
妹のことを気にかけてくれたり、
待っていてくれたり、
頑張ってくれたり。
いっちゃん、
いつも我が家を
支えてくれてありがとう。
この時間は、
パパに、めいっぱい支えさせてね。
そんなことを思った、
発表会前の、小さなデートの日だった。

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