「MacBookはマウスがないと使えない」と本気で思っていました。
MacBookが欲しかった頃、私はYouTubeでMacBookの動画ばかり見ていました。
「どれにしようかな」
そんな時間も楽しくて、おすすめの周辺機器までメモをしていました。
その中で紹介されていたのが、少し変わったマウスでした。
「これからはマウスを動かさない時代です」
そう紹介されていて、親指で銀色のボールを転がして操作するタイプでした。
MacBookを買ったあと、私は迷わずそのマウスを通販で購入しました。
届いたマウスは思っていたより大きくて重い。
親指で銀色のボールを動かすのですが、思った場所へ矢印がなかなか行きません。
気づけば癖でマウス本体を動かしていました。
「使いにくいなぁ。でも、そのうち慣れるかな」
そう思いながら毎日使っていました。
ChatGPTを使い始めてから、MacBookを開く時間が少しずつ増えていきました。
ある日、仕事でマニュアルを作ることになり、初めてMacBookを職場へ持って行きました。
そこで気づきます。
「あっ、マウスを忘れた……。」
職場のマウスは接続できません。
困っていると、
「あっ、この四角いところがマウスだった。」
MacBookのトラックパッドを思い出しました。
中指で触ると矢印は動きます。
「よかった。これで大丈夫。」
ところが今度はスクロールができません。
右へ左へ、上へ下へ。
何度やっても画面が動きません。
「やっぱりMacBookはマウスがないと使えないんだ。」
私は本気でそう思いました。
不思議なことに、一度そう思い込むと調べようともしないんですね。
それから3か月。
マウスを忘れなければ困ることはないので、そのまま過ごしていました。
ある日、いつものように銀色のボールを動かしていると反応が悪くなりました。
「あれ? 電池切れ?」
「マウスが壊れたらMacBookが使えなくなる!」
そう思った私は、ChatGPTに聞きました。
すると返ってきた答えは、とてもシンプルでした。
「トラックパッドに指を2本置いて動かしてください。」
「えっ?」
恐る恐る、人差し指と中指を置いて動かしてみました。
すると……
スクロールしたのです。
「えーーーーーっ!」
思わず一人で声が出ました。
なんでもっと早く気づかなかったんだろう。
今でも不思議です。
でも、この出来事で気づきました。
人は「そういうものだ」と思い込むと、調べることさえしなくなる。
できない理由を探しているわけではないのに、自分で可能性を閉じてしまうことがある。
そして今日も私は、おぼつかない親指で銀色のボールを転がしながらMacBookを使っています。
少しずつですが、ちゃんと前に進んでいます。
