イノベーションには2つの性質があることを知っておく
現代においてイノベーションはなくてはならないものと定義され、
同時に起こせればより大きなリターンを狙えるものだと捉えられている。
代表的なものとしてはやはりアップルとその創業者、
スティーブ・ジョブズさんが起こしたイノベーションが思い浮かぶ。
一般にPCを普及させスマホのようなハンドサイズで扱える、
PCと遜色ない機能を持った商品を開発することで、
デジタル社会の礎を築いたと言って過言でない。
元々は実家のガレージからはじまった会社の創業者が後に文字通り、
世界を変えるきっかけを生み出しそれに応じた名声や富を手に入れた、
サクセスストーリーとしてはこの上ないものだと言えるでしょう。
他にも検索エンジンを生み出しネット内の情報を整理したグーグル、
ネット通販の概念を一気に一般的なものにしたアマゾンなど。
大規模なイノベーションの事例には事欠かない。
とは言え、大規模すぎて実感がわかないという場合もあるでしょうが、
個人規模としても誰もが少なからずイノベーションを成し遂げている。
イノベーションは別に世界を変えるとか何かを生み出すことではなく、
ある状況をより良く違う状況へと変える力だと定義できるもの。
であれば、例えばある人が何か知識や情報を学びそれが経験等と結びつき、
より良い考え方を生み思考の転換を経て現状から飛躍していくというのも、
自分自身で完結するものではあれど1つのイノベーションと言えます。
自分という存在にイノベーションを起こしたのだと言えるものであり、
であればそういう経験をしたことが誰であれ少なからずあると思う。
個人がより良い状況を掴むためのものとしても、
イノベーションは大きな役割を果たすわけですね。
故に、誰であれイノベーションの特徴をきちんと掴んで、
人生に能動的に取り入れていくことには意味があると思っている。
そのためにとりあえず知っておくべきと思うことはイノベーションには、
大きく分けると2つの性質があるということ。
開発性と思想転換性です。
まず、開発性とはその名の通り新しい何かを生み出すという性質、
これまでにない新たな発見や技術、知識や思想を生み出すことで、
より直接的に変化をもたらしていくためのもの。
大抵の人が思っているイノベーションの印象はこのようなものでしょうが、
開発性のイノベーションを考える上で大事なのは累積的であるということ。
累積的、つまりは多くのものが積み重なっていくことで、
あるきっかけを堺にそれが結実するということです。
例えば相対性理論を生み出し天才の代名詞ともなった物理学者、
アルバート・アインシュタイン博士は多くの物理法則を、
より単純に見える1つの法則にまとめ世界の解像度を上げた。
逆に言えばそれまでに様々な人や研究によって積み重ねられた、
あらゆるものがなければ相対性理論が生まれていた可能性は、
限りなく低かっただろうとも言えるわけです。
何かを生み出すイノベーションはその殆どが累積的なもの、
何かを積み上げてきた先に見出されるものである。
故に、個人の手で開発性のイノベーションが起こることはそうない、
個人が個人の力のみでは起こせない類のイノベーションだと言っていい。
イノベーションを求めてだけどうまく起こせない人は大抵の場合、
この開発性のイノベーションを個人で起こそうとするからです。
しかし、もう1つの思想転換性のイノベーションは、
個人の手によって起こすことが可能であるもの。
これもその名の通りある物や技術や知識等に付与されている性質を、
思想によって転換することでまったく新しい性質を付与させ、
新たな道を生み出すことを可能にするものです。
例えばジョブズさんが起こしたのは思想転換性の典型例ばかりだった。
PCが専門家や一部のマニアの高価なおもちゃだと思われていた頃、
ジョブズさんはPCの小型化やグラティカルユーザーインターフェース、
通称GUIという機能をPCに組み込むことで一般化に成功した。
つまり、技術や機能自体はすでに実現可能な領域にあった、
だけどそれをどのように活用するかという思想がなかった。
そこに一般化という思想を持ち込み実際に形にすることで、
世に広めたのがジョブズさんだったわけです。
思想のみの転換例で言えばZOZOTOWNの生みの親、
前澤友作さんがあげられる。
ZOZOTOWNが世に出た当時、ネット通販もアパレルも一般的だった、
ただ両者をつなぐことは無理だというのが業界の常識だった。
その常識を転換したことでネットとアパレルをうまく繋ぐことに成功し、
現代のようにネットで服を買うのは当たり前という常識を生み出した。
このように新しい何かを生み出すではなく既存の何かに付与された性質を、
思想を転換することで新しく付与することで生み出すイノベーションは、
先にお話した個人規模での現状からの飛躍にも通ずる。
ただ、個人の中でのみ起こっているかそれを外にも広げるかの違い、
どこまで認識を広げられるかによって起こせるものです。
なので、イノベーションを考えるならまず、
この思想転換性をうまく利用すると良いと思う。
新しい何かを生み出すのは先に話したように累積的なものであるため、
正直利益のために起こせるような類のものではない。
例え報われなくてもリスクがあっても無駄になろうとも、
積み重ねられた無数の要素という下地があって、
それを結実させるのに必要なタイミングもある。
つまりは進歩に身を捧げる人間たちの歴史と運が必要ということです。
損得に関係なく興味や好奇心のままに何かを探求したいという自己満足、
社会の現状を本気でより良いものに変えたいという信念など、
強力な我を何があっても貫き通すという意志がまず必要になる。
大抵の人はそこまでの域にまで我を押し上げることはできない、
例えできたとしても運が悪ければ未来においてはともかく、
現状では無駄になるだけの要素を生み出すに留まってしまう。
故に、繰り返しになりますがそれでも良いと思える我か、
あるいはそれを許容できる余裕が必要なのですね。
大抵の人は実質的、精神的にもそこまでの我や余裕を持てないので、
基本的には企業や国家という共同体の力が必要になります。
ですが、思想転換であれば個人でもやろうと思えば起こすことができる、
というか自覚してるかはともかくお話してきたように大抵の人は、
何らかの形で思想転換を起こしてより良い状況を掴もうとするものです。
後は、それをどこまで広げられるかという話になり、
広げるには様々な分野への幅広い知見や経験が物を言う。
これも累積的と言えば累積的ではあるんですが、
既存のものに働くという点で開発性のものより起こしやすい。
なので、もしイノベーションを何らかの形で起こしたい、
それによってより良い何かを成したい、得たいと思うなら、
まずは思想転換性を意識してみると良いと思うわけです。
同じように思ってもらえたのであれば意識してみてほしいと思います。
では、今回はここまでです。
ありがとうございました。
