もう期待しないって決めたのに、また思い出す夜
mizukiの妄想創作ストーリーシリーズ Vol.1
あの頃、私はまだ 「誰かにときめく」 という感情を知らなかったのかもしれない。
結婚して、子どもを育てて、家のことをして。
日々に追われて、心をどこかに置き忘れていたのかもしれない。
ある日、ブログに届いた一通のコメント。
「今度、チャットしませんか?」
それは、あまりにもさりげなくて、でも、私には甘い予感に感じられた。
もしかして、これは――恋?
経験がなかったわけじゃない。
でも、こんなにも胸が高鳴るのは初めてだった。
チャットの約束をした夜。
スマホを見つめながら、時間だけが過ぎていった。
通知が鳴るたびに、心臓が高鳴った。
でも・・・来なかった。
「な~んだ、私ひとりで舞い上がってたんだ」
そう思って、涙がこぼれそうになった。
けれど、その翌日。
また、ふいに届いたひとこと。
「昨日、ごめんね」
それだけで、私はすべてを許してしまった。
…もう、やめよう。
やめた方がいいに決まってる。
何度もそう思った。
でも、ふいに届くたった一言で、心が揺れてしまう。
それでもまた、連絡が来ると「やっぱり…スキ…」って思ってしまう自分がいる。
紫微斗数で見た私の命盤には、貪狼星がいる。
一度「欲しい」と思ったら、手に入れるまで止まれない――
そんな「突き進む情熱」を秘めた星。
でも今夜はそっと、ガーネットを握りしめながら思うの。
「ほんとは・・・誰よりも、自分の心を裏切りたくない」って。
石たちは、未来を変えるわけじゃない。
ただ、自分の気持ちと向き合う「余白」をくれる。
心がふらつきそうなときこそ、自分の中の「本当」を忘れないように。
今日もそっと、胸の中に置いておこう。
気づけば7年も、そんなやりとりが続いていた。
名前も、本当の姿も知らない誰かに、
私は恋をしていたのかもしれない。
会ったこともないのに、
心だけがどんどん近づいて、
でも、決して交わらない。
来ない夜に、
「もう期待しない」って何度も決めたのに、
ふとしたメッセージひとつで、
また心が動いてしまう。
やっぱり、私は――スキなんだ。
この話には、オチも、ハッピーエンドもない。
ただ、あの頃の私が確かに存在していたという記録。
ときめくことが、すべてを壊すわけじゃない。
でも、癒してくれることもある。
あの頃の私に言ってあげたい。
「大丈夫。
そのときめきも、悲しみも、全部、あなたの愛のカタチだったんだよ」って。
もし、誰にも言えない感情を心の奥にしまっているなら、
それはきっと、あなたが誰かを大切に思えた証。
だから、どうか自分を責めないでね。
次回の 妄想創作ストーリーシリーズ Vol.2もお楽しみに(ぐふ💖)
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