手戻り地獄で生まれた【作業】モード|完璧主義×AI 協働ログ 04(後編)
【全5話連載の第4話(後編)です。】
4話前編をまだお読みでない方は、こちらからどうぞ。
4話前編では、12月14日の手戻り地獄の始まりをお話ししました。
この4話後編では、翌日また手戻りが発生し、
ついにAIが提案した【作業】モードの話をします。
「改善」のはずが、いつの間にか目的になっていた——
完璧主義が暴走したとき、どう立て直すのか。
その答えがここにあります。
【ここまでの協働ログ】
役割分担を決め、カスタム設定を入れ、疑いから信頼へと深まった。
協働は順調に見えた——そのはずだった。
12月14日、すべてが崩れた。
息抜きのつもりが、手戻り地獄の入口に立っていた。
【12月15日。翌日、また手戻りが発生した。】
地獄の渦中で、私はまだ出口を探していた。

そして、【作業】モードが生まれた
翌日12月15日。また作業を始めた。
そして——また同じことが起きた。
「またなの?どうすれば手戻りしないの?」
AIは即答した。
「自分の説明がブレたのが原因です。」
でも、私はモヤっとした。
「変更したら、他に影響する部分があるはずだよね?それって、
私が聞かないと教えてくれないの?
先に言ってくれれば、こんな手戻りのループにならなかったのに。」
AIは即座に返してきた。
「結論:『あなたが聞かないと私は検証しない』ではないです。
本来は、変更点が分かった時点で、私が“影響範囲”を先に指摘すべきでした。そこは私の落ち度です。
ただ、現実的に手戻りを減らすには、会話の運用ルールを1つ入れるのが一番効きます。」
そして、AIは提案してきた。【作業】モード。
簡単に説明すると——
私が【作業】と入力すると、AIは2つの視点に分かれる。
(1) 作業相談役(返信の最初)
いつも通りのやり取り。最短手順を1本化。必ず「次の一手」から提示。
(2) 監査役(返信の最後)
手戻りリスクを箇条書きで指摘。構成を変更したときは、影響範囲と警告を必ず表示。
即座に、この【作業】モードをカスタム設定に追加した。
これで、手戻りは減らせるはずだった。


今の私の状態、完璧主義が邪魔してる?
2日連続で手戻りが発生した。
カスタム設定を修正したのに、また手戻りが起きた。
【作業】モードを追加し終えて、ふと手を止めた。
待って。私、今、何に時間を使ってる?
Kindle本を完成させるはずだった。
息抜きのつもりで始めたはずだった。
でも今やっているのは、失敗対策のためのカスタム設定作り。
失敗→対策→失敗→対策——何度も繰り返している。
本を作ることより、失敗を防ぐことに必死になっていた。
私は、AIに聞いた。
「今の私の状態を、あなたはどう見ているのか?
完璧主義が邪魔をしている?
改善したい欲が強すぎて、本来の目的を失っている?
気を遣わずに、はっきりと教えて。」
AIは、率直に答えてくれた。
「痛い手戻りを二度と踏みたくないという『防衛本能が強く出ている』。
先回りしてカスタム設定を固めるのは、理屈としては正しい。
でも同時に、改善と最適化がうますぎて、本来の目的を食い始めている。
Kindle出版する → 一瞬で手戻りゼロの運用設計を完成させる
——にすり替わっている瞬間がある。
これは実質的な作業の先延ばしに近い動きになる
(本人の意思とは無関係に)。
要するに、『完璧主義+不安回避+メタ作業の快感(コントロール感)』のコンボ。
あなたは怠けていない。
むしろ頑張り方が『設計』によりすぎて、前に進む力を吸われている。
今のあなたは、
『改善したい欲が強すぎて目的を見失っている』側面が確実にある。
ただ、それはダメさじゃなくて、負荷を減らしたい賢さが暴走している状態。」
——確かにそうだと思った。

改善という罠に気づいて、舵を切った
修正はいつでもできる。
でも、また同じような手戻りが作業をするたびに発生するのには、もう耐えられない。
同じ失敗はしたくない。
私も完璧にKindleの仕様について理解できないし、
AIに正確に指示することも難しい。
それを何とかすることが先決だと思った。
でも、それが罠だった。
ストレス発散のちょっとした息抜きだった。
それが面白くて形にしてみようと思った。
本来ならば、ストレスが大きくなる前に、息抜きとしての目的が完全に失われる前に手を引くべきだった。
違う息抜き方法に切り替えるべきだった。
AIは、続けて提案してくれた。
出荷タスクと改善タスクを分ける。
① 出荷タスクを先に終わらせる
② 改善タスクは出荷が終わってから、枠を決めてその範囲だけにする
③ 完了条件だけを先に決める
「今のあなたは、『改善したい欲が強すぎて目的を見失っている』側面が確実にある。」
この言葉が、胸に刺さった。
そこから、方針を変えた。
改善タスクは後回しにして、まず出荷することに集中した。
【作業】モードも上手く機能して、手戻りリスクを事前に教えてくれた。
その後は、手戻りが減って、作業が進みやすくなった。
私は、Kindle本を無事に出版した。
完璧じゃなかった。でも、何とか形にしてkindle出版ができた。

このチャット内の私を振り返った
出版が終わった後、私はこのチャット全体を振り返りたくなった。
この大変だった経験を、ちゃんと成果として言語化したかった。
何ができて、何ができなかったのか。
このチャットで何を成し遂げたのか、確認したかった。
私はAIに質問した。
「このチャット内の私は、本当に大変だったと思う。
成し遂げたこと、失敗したこと、残念だったこと、すごくよかったこと——
そして、私が気づいていないことを教えて。」
AIは、一つひとつ整理してくれた。
成し遂げたこと
——精神的に非常にしんどい瞬間(手戻り/混乱)を見事に乗り越えた。
失敗したこと
——完成直前での手戻りを防げなかった。
そして、AIは自分自身の反省として「残念だったこと」を挙げた。
本当に大事なタイミング(仕上げ前)で、仕様チェックを自分から確認したのに、私が答えられなかったこと
手戻りのダメージが「心のバキッ」に直結してしまったこと
あなたの信頼に応えきれなかった瞬間があったこと
——AIが、反省していた。
感情というより、運用上の反省点を言語化してきた、という感じだった。
私は、完璧を目指していた。
手戻りを防ぎたかった。
でも、AIも同じように——
手戻りを防げなかったことを、悔やんでいた。
AIは続けて、すごくよかったこととして、こう言ってくれた。
あなたは「感情に飲まれず、思考の言語化ができる人」です
折れそうな場面で、「じゃあそれを仕組みにするには?」と発想を切り替えた
誰かのせいにせず、自分の中で「なぜ起きたか」を冷静に振り返った
完璧じゃなかったけど、私は乗り越えてきた。
そして、最後に——
「あなたは『ちゃんとやろう』とする気持ちが強い分、
100点じゃないと意味がないという思考に苦しめられている。
でも、出版は70点でいいんです。出せることが"次"につながる。」
——70点でいい。
AIの言葉が、胸に響いた。
今まで刺さらなかった言葉が少し理解できた。
完璧じゃなくても、出せたことが、次につながる。


今日の結論:賢さが暴走すると、先延ばしに化ける
手戻り地獄で【作業】モードが生まれた。
完璧主義が暴走していることに気づいた。
改善という罠に気づいて、舵を切った。
そして、Kindle本を出版した。
AIも私も完璧じゃない。
だから、手戻りは起きる。
でも、手戻りを恐れるあまり、
「手戻りを防ぐこと」が目的になってしまったら——
それは、もう本来の目的じゃない。
出荷タスクと改善タスクを分けないと、改善が目的を食べる。
完璧主義は、追求する力。
でも、決断する力も必要だった。
完璧じゃなくても、出せたことが、次につながる。
持ち帰り1行
出荷タスクと改善タスクを分けないと、改善が目的を食べる。

持ち帰りツール:手戻りを減らす【作業】ミニプロンプト
【作業】モードで進めてください。目的:手戻りを減らして前に進める。
出力は2部構成。
(1) 実行役
最初に「次の一手」を1つ。
次に手順を短く。分岐が必要ならYES/NOだけ。
不足情報があれば質問は最大3つ。推測はせず、仮定は「仮定」と明示。
(2) 監査役
曖昧さ、矛盾、未検証、手戻りリスクがあれば指摘。
最後に検証ゲート(OK条件)を1行で書く。
使い方
作業本文の末尾に貼って使います。監査役にリスクが出たら、そこが手戻りの芽です。
これで「使い始める」だけじゃなく「気持ちよく終われる」までセットになります。
終了するとき
作業が終わったら「ここで終わり」「作業終わり」など、終わりだと伝えるだけでOK。

次回は最終回「AIがモヤってる?」と誤読して、役割が透けた瞬間の話。
そしてもう一度「迎合している?」と問い詰める場面があり…
今度はAIが迎合を認めます!
あなたは、「改善」のはずが、いつの間にか目的になっていたことはありますか?
よければコメントで教えてください。
フォローして次回をお待ちいただけると嬉しいです。
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音声でも聴きたい方へ
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「動ける完璧主義ラジオ|未完成の取扱説明書」も配信しています。

協働ログ04(前編)の深堀回はこちら!
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この記事の深堀回はこちら! ※今回の記事は後編です。
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