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うちの母親は、最近オーラルケアに凝っているらしい。

昨年のМ-1グランプリで優勝した漫才コンビ、錦鯉の長谷川さん(背が高くて白スーツを着た頭がツルツルな方の人)。長谷川さんには、歯がほとんどない。よく食リポをやる番組で鉄板ネタにされているのだが、どうも前歯の上下数本だけが残っていて、奥歯は完全に消失してしまっているらしい。

私も先日、某かりそめバラエティ番組でその様を初めて見たのだが、本当にすごい。奥歯がまるごと現存しないのだ。しかも驚くべきことに、歯や歯茎自体が病気になってボロボロになっているわけではない。むしろ歯茎は綺麗なピンク色だし、歯も歯垢が全然付いてない。なんなら白い方だ。


ところで最近、うちの母親はやたら歯ブラシを変える。実家に帰ると、いつもおすすめの歯ブラシをすごい熱量で私にプレゼンしてくれて、帰りにはその歯ブラシを絶対に持たせてくれる。

うちの母親は、オーラルケアに厳しい。
めちゃくちゃこだわりがあるようなのだ。

子どもの頃はもっと凄かった。小学生ぐらいになるとだんだん乳歯から永久歯への生え変わりが進んでいく。普通の子供なら、歯がグラグラしてもしばらくそのグラグラで遊んだり、無理やり引っこ抜いてしまうところを、うちの母親はすぐに歯医者に連れていって抜いていた。特に生え変わりの後半、奥歯がグラグラしてたときなどは、もう初動の対応が早くて。歯茎の下からちょっと永久歯が出てきたらすぐ病院!だった。縦割り行政もビックリのスピード感だった。

それが功を奏したのかわからないが、私の歯並びは抜群に良い。これほど綺麗な歯はないってなぐらい完璧な並びをしている。正直、自分のからだのパーツの中でも最も気に入っている。

コロナウイルスの流行のせいでマスクを常時付けるようになってしまったのでなかなか言われなくなってしまったが、初めて会う人にはかなりの確率で「声がいい」か「歯並びがいい」の二択で褒められる。ありがたい。


正直、子供のころは歯磨きがめんどうで好きじゃなかった。口のナカに広がるミント味の歯磨き粉もうざかったし、10分黙って歯をゴシゴシ擦るのすら待ってられない。それで、口をぐちゅぐちゅゆすぐだけで誤魔化したり、歯磨き粉なしで磨いたりしていた。

しかし、以前左下の親知らずを抜いたとき、奥歯のブラッシングが足りずそれが親知らずの位置の悪さと相まって炎症になっていた、という事実が判明した。そこから意識は一気に変わって、今は親知らずと上手に付き合うためにブラッシングに力を入れている。人間はこうも変われるもんかってぐらい、しっかりと歯を磨いている。

だから、錦鯉の長谷川さんのそれを見て、私はびっくりしちまった。歯茎が綺麗でも、歯はなくなっちまうのか。えっ、じゃ今必死でオーラルケアする意味はあるのか?という素朴な疑問が湧いてしまった。

でもまあ、歯がないより
あった方が老後楽だよね。

あっ、お察しの通り、オチなしです。


おしまい。




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