美味しそうな石のはなし
最近テレビで鉱石・化石の即売会の様子が放送されていた。
鉱石の虜になった人達がインタビューに答えていて、中にはこの日の為にお小遣いを貯めてきたという子供もいた。ゲームではなく鉱石を選ぶ渋さ、この子の将来が楽しみだ。
私が鉱石をはっきりと認識し始めたのは、YouTuberのヒカル氏の動画からだ。
ヒカル氏がルチルクォーツという石を購入して、ルチルのパワーがすごい、良いことが起きたと話していた。
私はスピリチュアルなことは信じていない。
すごいのはルチルではなくヒカル氏だ。
良い仕事や良い出会いは今までヒカル氏が頑張ってきたからだ。
私がルチルを手にしたところで私の本質は変わらない。
しかし、そんなにすごいと言われるなら気になる。(チョロいな)
そこからずっとルチルが心の隅にいた。
そして冒頭のテレビをたまたま見て、鉱石即売会へ行ってみたい!という気持ちに火がついてしまった。私の心の隅のルチルが「いまだ」とばかりに躍り出て脳を支配する。
"鉱石が欲しい。手元で見てみたい"
私は一度そうしたいと思ったらすぐに行動しないと気がすまない性格をしている。
手っ取り早く楽天で探してみると、目を引いたものがあった。
それは「ブルーフローライト」という鉱石だった。(ルチルは?)
レビューを見たら購入者が写真を載せていて
その写真がまるで琥珀糖のようですごく美しかった。
無駄遣いかもしれない、、と少し悩んだが結局買ってしまった。(ねぇルチルは?)
こちらが私が購入した石、ブルーフローライト。

ああ、思わず舐めたりかじりたくなるほど美味しそうだ。私が小学生なら絶対にかじっている。
私は幼稚園のとき、工作に使うふえきのりを食べたことがある。美味しそうだったからだ。輪ゴムを口に含んだことも、生米を口に含んだこともある。
一応言っておくが極貧な子供時代を送っていた訳ではない。
33年の時が経っても口含み欲は衰えていないのか。それに理性が備わっただけではないか。
ブルーフローライトの所々透明だったり深い青になったり色が違うところが良い。
宝石のようにキラキラと輝く完璧な美しさも良いが、このいびつで不完全な美しさが私は好きだ。
こんなに美しいものを自然が作り出した。
なんて神秘的なんだろう。
ブルーフローライトが家に届き、開封したときに息子がそれを見て「何これ!」とキラキラした顔でブルーフローライトを掴もうとした。
絶対食べ物だと思っている。
息子はお菓子が大好きだ。
彼は私がキッチンで「カサカサ..」「パリ...」「サク...」という音を出そうものなら即座に反応し、
「何食べてるん!ずるい!」と、リビングからすっ飛んできてお菓子を横取りするという特技を持っている。
そんな息子に「食べ物ではない」という説明をして、なだめた。
息子と一緒にネットで鉱石を見ていると「美味しそう」と言い出した。血は争えない。
いつかこっそりブルーフローライトを噛まれそうだ。
お年玉あるよね。買えるよ。と私が言うと、
「欲しい!買う!」と言っていた。
夫に、
「スピリチュアルな意味では買ってないんやけどさ、見て綺麗じゃない?」
と、ブルーフローライトを見せると
「札束のお風呂につかってる怪しいパワーストーンの広告のやつ?」
勝ちまくりモテまくりのやつじゃないんだよ。
でもそうね。パワーストーンだもの。何か良いことがあるのかもしれないわネ。
関西在住 底太郎さん(38歳) 専業主婦
38年間うだつのあがらない人生を送ってきた私だが、ブルーフローライトを持つようになってからツキがめぐってきた。朝、目が覚めると顔は小松菜奈になっていて、スーパーに行くと玉木宏にぶつかった。
宝くじコーナーでスクラッチを削っても削っても1等が当たる。専業主婦だって?ノンノン。これからはスクラッチャーさ。
一生に一度はやってみたかった底太郎の夢、
「ゼリー風呂」。この日の為に全財産を使ってゼリーエース(いちご味)を買い占めた!!
メロン味の方がいいカナ?
なんだかよくわからなくなってきた。
欲望が貧相だ。
フローライトは「天才の石」とも呼ばれ、明晰な思考力を引き出し記憶力、集中力を高めるとされているそうだ。
月曜日ゴミを出し忘れた。
冷蔵庫でエノキが腐りかかっている。
頼む、フローライト。我に力を与えん。
(ルチルー!)
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