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ベトナム企業日記 #7. オフィス探しを開始

某月某日

S社長から登記完了までのロードマップが送られてきた。登記申請後から受理、ライセンス発行までに2ヶ月かかるため、今からできることは始めないといけない。
当初は、もう少し後に始めようと思っていたオフィス探しを今から始めることにした。
今までヘクターに簡単な相場の調査のために不動産エージェントにコンタクトしてもらい、2件ほど物件を紹介してもらっていた。
それとサイゴンにあるコワーキングスペースの価格、条件を比べて、コワーキングスペース内のプライベートスペースよりも、通常の事務所物件を借りた方が良いだろうという結論に至った。

コストパフォーマンス以外にも、コワーキングスペースだと、一時的な仮住まいのような感じがして社員のモラルに良く無いのではないかとヘクターから意見があり、それも大きな理由となった。

ただコワーキングスペースを調べてよかったのは、コワーキングスペースはホーチミン市全域にあるため、コワーキングスペースの調査の過程でホーチミン市内のそれぞれのエリアの賃料の相対的な違いがよく分かったことだった。
同じような間取りのコワーキングスペース内のプライベートルームの料金を見ているうちに、この辺りは安い、このあたりが一等地、というのがホーチミンに住んでいない自分にも見えてくるようになった。
ホーチミン市はDistric1、2、3、4というふうに区が番号で名前付けされている。
市庁舎などの行政機関もあるDistrict1が一等地である。
S社長の会社もここにオフィスがある。また昔会議室をワークショップに使わせてもらったDreamplexという最も勢いのあるコワーキングスペースもSさんの事務所のすぐ目と鼻の先にあり、そのあたりに日本食店が軒を連ねるストリートもあって、この辺りが一等地だろう。
僕らはまだそこに事務所を構える余裕はない。
この辺りの坪当たりの家賃は僕たちのオフィスがある原宿と同等かそれ以上なのである。

District1の南、川を挟んでDistrict4という区がある。ここは前調査で不動産エージェントが送ってきた物件の家賃も低めだった。
友人のデザイナーCさんの会社が入居していたCirCoという評判のいいコワーキングスペースもDistrict4の北側、District1に近いところにある。確かCさんが以前、この辺りはホーチミンの南側に住む人にとって通勤しやすいと言っていた。またコワーキングスペースを探している時に、このエリアになんとWeWorkもあることに気づいた。
どうやらこの辺りは新興のイケてるエリア、これから伸びるエリアなのかもしれない。
S社長にDistrict4について聞いてみると、昔は港湾労働者の街で治安も悪かったが最近は北側は開発されて治安もいいということだった。港湾労働者の街の雰囲気も少し残っているらしく、道端で殴り合いの喧嘩を見ることはあるが心配ないですよとS社長は笑いながら言っていた。
港湾都市、殴り合い、と聞くと我が故郷、豊橋を思い出してしまう。最近は有名格闘家を多数輩出し魔境とも言われているらしい我が故郷が一瞬脳裏を横切ったが、それは一旦かき消した。

新旧入り混じったおもろそうなところかもしれない。
早速ヘクターに連絡し、District4はどう?と聞くと、ヘクターも賛同した。
チームのメンバーは南側に住んでいる人が多いので通勤もしやすいだろうとのこと。
District4でできたらDistrict1に近い北側、という条件で物件を探してもらうようヘクターにお願いした。

つづく。

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