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ロン・ミュエク展に行ってきました

ロン・ミュエク展に行ったきっかけは、Instagramの広告でした。
広告で見た大きな頭蓋骨の作品が強く印象に残り、それが気になって足を運びました。

もともと作者のことを詳しく知っていたわけではなく、現代美術に明るいわけでもありません。
そのため、何か予備知識を持って見に行ったというよりは、まず実物を見てみたいという気持ちの方が大きかったです。

訪れたのは開催初日の祝日で、会場はかなり混雑していました。

最初の展示で、この展覧会はすごくリアルな造形がメインなのだと分かりました。
ただ、テーマは独特でした。
何をしているところなんだろう、というのが最初の印象でした。

最初のインパクトがとても強かった作品です。
物憂げな女性がベッドに横たわっているという、日常にありそうな一場面なのに、それが巨大であることで一気に不思議な雰囲気になっていました。

見た瞬間に、ガリバー旅行記のようなイメージを思い浮かべました。
作品そのものが大きいだけでなく、周囲にいる来場者まで自然と画面に入ってきて、鑑賞している側も作品の一部のように巻き込まれていく感じがありました。

隣にいた人たちが「絶対に目が合わないね」と話していたのも印象に残っています。
たしかに目の前にこれだけ大きな人物がいるのに、見られている感じはあまりなく、その距離感もこの作品の不思議さにつながっていたように思います。

観客を巻き込むという意味では、この作品も印象に残りました。
壁際で顔を背ける少女という構図だけでも十分に印象的ですが、そこにカメラを向ける観客の存在まで含めて、作品として成立しているのだと感じました。

この作品は少し奥まった場所にあり、気づかずに通り過ぎてしまう人もいそうな位置にありました。

天使は宗教画をはじめ、さまざまな作品で見てきた存在ですが、こうした中年の男性のような姿で表現されたものを見るのは初めてでした。
羽があることで天使だと分かる一方で、座っている姿にはどこか哀愁があり、その組み合わせが印象的でした。

この作品は少しコミカルな印象がありました。
同時に、映画の1シーンのようにも感じました。

壁側におじさんが座っているので、観客は自然と鶏の側に立つことになります。
その構図によって、見ている側が鶏に加勢しているようにも見えるのが面白かったです。

最後の作品は、それまでの展示とは少し印象が違いました。
今までは生身の人間に近い作品が多かったのに対して、この作品だけは大量のドクロで構成されていました。

創作の中でドクロには、不吉さや死を連想させるイメージがあります。
それが大量で、しかも巨大であれば、もっと恐怖を抱くのではないかと思っていました。
ただ、実際に見た時には、そうした恐怖はあまり感じませんでした。

むしろ、すごくリアルに作られているのに、どこかコミカルな印象もありました。
その感覚には、ライティングや部屋の構造、作品の素材も関係していたのかもしれません。
単純に怖いとは言えない、不思議な印象の作品でした。

今回の展示を見ていて感じたのは、現代美術と呼ばれるジャンルの中ではかなりわかりやすい作品が多いということでした。
抽象的な考え方を難解な形で提示するというより、造形そのもので人の内面を表現しているように見えました。

その造形もかなり極端なので、何が表されているのかが直感的に伝わってきます。
しかも細部までとてもリアルにつくられているので、誇張されていても、まず何が造形されているのかは見てすぐにわかります。
そのわかりやすさがある一方で、作品の前に立つ観客まで自然に作品の一部に取り込まれていく感覚があり、その点も印象的でした。

主題の幅が広かったことも強く残っています。
少女から老人まで、それぞれまったく違う姿が扱われていましたが、どの作品にも共通していたのは、整えられた表情ではなく、メイクアップされていない生の表情のようなものだった気がします。

これまで自分が行く展覧会は絵画展が中心でした。
そのため、こうしたジャンルに触れること自体が新鮮で、かなり刺激になりました。


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