サステナビリティ戦略を練るための1stステップとして「マテリアリティ」がめっちゃ有効だと思った話
※このnoteの内容は個人の見解であり、所属組織の見解を示すものではありません。
私が働いているシェルパ・アンド・カンパニー株式会社にて「マテリアリティ(重要課題)」を特定し、公表しました。
ここ一年私が頑張ってきたことなので、このプロセスから学んだことを少し共有しようと思います。
ここで『難しそうだな』とページを閉じないでください!
もう少し読んでみて!!
サステナに関心ある人ならきっと読んで納得してくれると思うから。
❓1. マテリアリティってなに?
「マテリアリティ」とは、自組織にとって重要なサステナビリティ課題のことです。
サステナビリティと言っても、その領域は多岐に渡りますよね。
GHG排出量、水資源、廃棄物、人権、ジェンダー、格差、ガバナンス、セキュリティー・・・
一体全体、自分たちの組織は何から手をつけるべきなのか・・・と頭を抱える担当者の顔が浮かびます。ほら、あの人とか・・・
そんな時にまずやると良いのが今回紹介する「マテリアリティの特定」です!
多様なサステナビリティ課題の中から、自組織にとっての優先順位を付けることで、戦略的にサステナビリティ課題への取り組みを進めることができます。
また、サステナビリティ課題は必ずしも自組織にとってチャンスとなるものばかりではありません。リスクの認識・低減という観点からも、非常に有効な手段になるのです。
❓2. なぜマテリアリティ特定が1stステップとして有効なのか
本題のマテリアリティの有用性についてです。
サステナビリティ活動はフワッと始めてしまうことも多いのではないでしょうか。
それはつまり、戦略性や一貫したストーリーがない、という状況です。
「環境や人にいいことを少しずつやっている。でもそれが目指すビジョンや戦略とどう合致しているのかわからん。」
という状況を改善できるのが、マテリアリティを定めることだと思っています。
💻ITスタートアップにこそ取り組んでほしい
ともすると、「サステナビリティはあまり関係ないな・・・CO2とかあまり出ないし・・・」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
実は、めちゃくちゃ関係あります。
マテリアリティの説明の際に、サステナビリティには「ガバナンスも含まれる」とちらっと触れました。
そうです、ガバナンスが関係しない組織はないですよね。
特にAIが出てきた昨今では、AIガバナンスやサイバーセキュリティなどもガバナンス項目に含まれます。
テクノロジーによって傷つく人が出ないか?自社のガバナンス体制は、企業価値を毀損するリスクになり得ないか?をスタートアップにこそ考えて、実装してほしいと願っています。
(もちろん、先進的なガバナンス体制を構築されているスタートアップも多く、私も学ばせていただいていることは付け加えさせてください。)
⚽️企業だけでなくスポーツ組織などにも有効
このことは、企業だけでなく、スポーツ組織や非営利組織に対しても言えることだと思います。
例えば、三菱総合研究所の記事においても下記のようにスポーツ組織においてマテリアリティが有用ではないかという論旨が述べられています。
経営の視点でサステナビリティを捉える際、最大の課題は「論点が広がりすぎる」ことである。全ての課題に対応しようとすると、リソースが分散し、成果も見えにくくなる。取り組む課題を検討する上でカギとなるのが「マテリアリティ(重要課題)」の考え方である。
善意で終わらせない、経営戦略としての勝ち筋
ぜひ様々なスポーツ組織(僕の大好きなJリーグチームとか)にマテリアリティの特定を進めてもらいたいです。
❓3. どのように課題を特定するのか?
ここからは実際にどのように課題を特定するとよいのかを見てみましょう。
シェルパ・アンド・カンパニーが今回特定したプロセスを参考にしています(各項目の説明は筆者の見解になります)。
具体的には下記の8つのプロセスに沿って特定を行いました。
長くなってしまうので、概要だけ記しますが、もし詳細なプロセスにご興味のある方がいたらお気軽にご連絡ください。
⓪「なぜやるのか?」を明確にする
マテリアリティの特定を始める前に「なぜマテリアリティを特定するのか?」「なぜ今のタイミングでやるのか?」「どこまでリソースを使って特定するのか?」などプロジェクトの全体目的や範囲を明確にしましょう。
特に経営層の理解を醸成し、一定のコミットメントを引き出すことが重要です。
①社会課題を洗い出す
社会課題を国際基準などを参照しながら網羅的にリスト化します。
②自社領域にとって重要な課題に絞り込む
事業領域にとって関係する項目に絞り込みます。
③ステークホルダーへのヒアリングを実施する
組織内外のステークホルダーへ、自組織の抱えるサステナビリティリスクや機会をヒアリングを行います。
従業員も重要なステークホルダーになります。サステナビリティを自分ごととして捉えてもらえる機会にもなるため、従業員を巻き込んだマテリアリティの特定ができるのが理想です。
④自組織にとって重要な課題を優先順位づけする
定性・定量の両面から優先順位づけを行います。
ここでは、「シングル・マテリアリティ」の考え方を取るか、「ダブル・マテリアリティ」の考え方を取るかをまず決めます。
・シングル・マテリアリティ:
環境・社会の課題が、組織活動に与える影響を重視する考え方です。
・ダブル・マテリアリティ:
シングルマテリアリティの視点を持った上で、組織活動やビジネスモデルが環境・社会に与える影響も重視する考え方です。
可能であれば、ここではできるだけ定量的に課題の重要度を評価できるといいですね。
一方で、スタートアップやスモールビジネス、スポーツ組織などでは、社内リソースも限られており、定量化のハードルは高いです。その場合は、③のヒアリングを厚くすることで、様々な角度から自組織への評価をもらうことが可能となります。
⑤自組織の目指すビジョン・戦略と一体化した項目を特定する
マテリアリティは自組織の目指すビジョンや戦略と一致していることが大切です。紋切り型のマテリアリティが出来上がってしまい、同じ業界のどの組織も似たようなものになることも多々ありまして・・・
マテリアリティで重要課題を特定するのが常識になっていますが、その場合課題サイロ化に陥り、ホリスティックなつながりを踏まえた取り組みから遠のく気がするので、特定すべきは個々のテーマではなく、課題解決のためのつながりやストーリーではないかと感じ始めています。
— ジョニー∞ (@johnny0525) March 9, 2026
ただ項目を並べるだけにするのではなく、各項目がどう繋がり、どうストーリーを成すのか。そこまで踏み込んでこそ、生きた戦略になります。
⑥特定された項目を組織内外へ開示する
マテリアリティが特定できたら組織内外へ開示しましょう。
特に組織内へ詳細に開示することで、自組織が目指す方向性やメッセージが伝わり、⑦の活動を全員が納得感を持って進めやすくなります。
特にサステナビリティに関する活動はすぐに利益を産むものは少ないため、「なぜこれが重要になるのか」という目線から対話をすることが必要です。一方、社外へも開示をすることで各種ステークホルダーからの信頼度の向上や、採用での魅力度向上に繋げることができます。
⑦項目に紐付いた目標を設定し、改善・リスク低減活動を始める
さて、ようやく開示まで完了したところで、ここからがサステナビリティのスタートです!
特定されたマテリアリティに紐付けた目標を設定し、リスクは低減させ、機会は伸ばしていくための施策を実行していきましょう!
マテリアリティが「絵に描いた餅」にならぬよう、コツコツ実行あるのみです。
🌏4. マテリアリティを携えて、「より善い社会・環境」をつくっていきましょう
「マテリアリティ」は自組織が目指すサステナビリティの方向性を示す地図に過ぎません。地図を使って、実現したい未来をつくっていくことが重要です。
私も今回策定したマテリアリティをもとに、自社の目指すビジョンが達成できるようにサステナビリティ活動に従事して参ります。
個人的に関心のあるテーマ
今私が興味を持っているテーマです。詳しい方いたらぜひ会話をさせてください!
・マテリアリティとインパクト・パスウェイの接続
・スタートアップにおける効果的なマテリアリティ策定のロードマップ
・スタートアップにおける効果的なサステナビリティ・マネジメント
⛰️5. シェルパ・アンド・カンパニーのマテリアリティ
最後にシェルパ・アンド・カンパニーのマテリアリティを紹介させてください。
詳しい特定のプロセス等はこちらのページを参照ください。
また、弊社はビジネス部門・コンサルタント・エンジニアなど幅広い職種で積極採用中です!
興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください!
