底冷えのする日の甘酒。
「嘘だろ」と思われるかも知れないが、私は寒くて泣いたことがある。
岐阜の田舎大学生だった頃、深夜に大学から帰る時、寒すぎて道路が凍っていて、自転車に乗ることができず、自転車を引きながら、真っ暗な中トボトボ歩いていた時に寒すぎて寒すぎて泣いた。
自分でも
(えっ、寒さで泣く?!)
と思ったけど、確かに泣いていた。
「寒さ」っていうものは、辛いことの象徴なのかもしれない。
私の場合、寒いとネガティブ思考になったり、恋愛において悶々としてしまうことが多い。
寒いと、自分では中々気づけないけれど、別に釣られて寒くならなくてもいいはずの心まで寒くなってしまう。
逆に、ネガティブ思考になっている時に温かいココアを飲んだり、お風呂に入ったり、犬をぎゅっと抱っこしてみると救われることがある。
最近読んだ「暮らしの手帖」に、暮らしの手帖社で行われた花森安治の告別式のことが書かれていた。
「底冷えのする日で、皆様が参列者に甘酒を供しておられました。」
と書かれていた。
底冷えのする日の告別式は、さぞ哀しみが深かったことだろう。
こういう時に温かい甘酒を振る舞った暮らしの手帖社の方たちは、大切なことを分かってるなぁ、と勝手に感心してしまった。
また、
「簡素ではあるが、実に心に残る告別式でした。」
とも書かれていた。
温かい甘酒と、温かい人々の心と、その両方で温められた参列者の心がそこにあったのだろう。
冬にメランコリックになることが多い人は温かいものを摂取しよう。
甘酒、飲みたくなってきた。
