食べるほどにお腹が空く。あまり広めたくないけど自慢したくなるラーメン屋を、こっそり紹介。
私たち夫婦は、休日になると、たまに茨城県つくば市のイオンに行く。
つくばのイオンまで片道約2時間、近くには日本最大のイオンモールであるレイクタウンがあるのに、なぜわざわざつくばへ……という話は今回は割愛するが、その通り道に、ずっと気になるお店があった。
そのお店は、つくば野田線沿いにある。
まわりはほぼ田んぼで、初めて見たときは何屋なのか、よく分からなかった。
「あれ、あのお店、なんだろう」
「あれ、ラーメン屋だよ。美味いらしいよ。」
夫は、その店を知っていた。
行ったこともないのになんで知っているのか、と尋ねると「仕事中に、Googleマップサーフィンをしていて見つけた。評価が高かった」と。仕事しろよ、と心のなかで突っ込みながら、前を通りかかる度に、なぜかすごく惹かれるものがあった。
「行ってみる?」「今度にしよっか」のくだりを3回くらいやって、先日とうとうそのお店に足を踏み入れた。
単刀直入に、Googleマップの評判通りめちゃくちゃ美味しくて、素敵な店だった。
明日も明後日も来たい。そう感じるほど。
人は衝撃的な感動を味わうと誰かにそれを伝えたくなるらしいが、まさにそんな気分だ。
その反面、私たちだけのお気に入りとして、ひっそり心のなかに留めておきたい気持ちもある。
だからあえて、タイトルに店名を入れずにレビューを書いてみようと決めた。
(すでに人気のお店だから、店名を伏せたところで意味はないと思うのだけど。)

まるで隠れ家居酒屋か、高級料亭のような佇まい。
少し年季が入っているように見える暖簾がまた、いい味だ。
さっそく入店し券売機でメニューを選ぶ。ラーメン屋なら現金一択か、と普段はキャッシュレス派の私も財布をそれなりに膨らませてきたが、クレジットカードや電子マネーも使えるらしく良心的だ。
店内には、木製の装飾が施されている。こういうのをなんと言えばいいのか、知識も感性も乏しくて恥ずかしいが「風情がある」という表現が、私の引き出しにある精一杯だろうか。
耳を済ませると、わずかな音量でJazzっぽいBGMがかかっていた。


ラーメンを待っている間、冬の冷気で乾燥した喉を潤す。
普通のお冷に加え、デトックスウォーターが楽しめるのがこの店の魅力のひとつだ。

ジャスミン・ローズマリーに、アップルシナモンなど、まるでイタリアンにでも来たかのようなお洒落さだ。
日によっては、パイナップルジンジャーなどもあるらしい。
カウンター席からは厨房がよく見える。
かなり手入れされていて、清潔感があるのもいい。まるで、寿司屋のカウンターに座っているような気分になった。

店のなかを見渡し、その空気に浸っていると、ラーメンが着丼。


メニューの正式名称を忘れてしまって恐縮だが、私が注文したのがシンプルな醤油ラーメン(上)、夫が濃厚鶏白湯(下)だ。
醤油ラーメンはしっかりと旨味があるがするっと食べられて、脂のしつこさも感じない。
ラーメンにも色々なタイプがあるが、見てのとおりこれはかなり上品なラーメンで、一気に食べるよりも、少しずつじっくり味わいたくなるタイプだ。
とはいえ、伸びないうちに美味しく食べきりたいけれど。
チャーシューは柔らかくて、脂身が苦手な私もぺろっと食べられるほどアッサリしている。チャーシューというよりは、ローストビーフを食べているような気分になった。
濃厚白湯もひとくち分けてもらったが、まろやかでトロトロなスープがしっかり麺に絡みついて、贅沢な味わいだった。
さて、この店に来たら絶対に外せないのが、どうやら「替え玉」らしい。
普段ラーメン屋に行っても、私は替え玉を頼むタイプではない。
だが、替え玉がむしろ名物と聞いては、食べないわけにはいかない。
夫と半分こする前提で、頼んでみることにした。

これが、替え玉。パスタの間違いじゃないだろうか。
替え玉も数種類あり、時期によってメニューが異なる。
この日は 「味付け替玉」「鮟肝のソース」「ズワイ蟹のソース」の3種があり、夫が鮟肝を選ぼうとしたところを制して、ズワイ蟹にした。冬といえば、蟹だろう。(いや、「冬は鮟肝」も成り立つのだが。)
ここの替え玉は、スープに入れるのではなく、麺にソースをよく絡めてそのまま食べるスタイルだ。

これはもう、間違いなくパスタだ。私たちは、イタアンレストラン来ていたのだろうか。
ズワイ蟹の濃厚な味わいと、適度に歯ごたえのある麺が口の中で踊っている。最高だ。
「パスタみたい」とは言ったものの、ちゃんと出汁の味や麺の食感から、混ぜそばらしさも残っている。不思議な美味しさだ。100杯食べたい。半分こにしたのは、かなりの大失敗だ。
あまりの美味しさに、お腹を満たすためにラーメン屋に入ったはずなのに、食べれば食べるほど、お腹が空いてくる。
ちょっと何を言っているか分からないと思うが、この替え玉を食べ終えた私の口からは、思わず「美味かった。お腹空いた」という言葉が飛び出た。自分でも何を言っているのか、本当に分からない。
大満足、ご機嫌で店を後にする。なんでもっと早く来なかったのだろう。
その後、Googleマップで再度調べると、道路が空いている時間帯なら、自宅から40分ほどで来れる距離らしい。
ラーメン屋に片道40分、近いと思うか遠いと思うかは人それぞれだが、さっそくフォローした店のXのポストが流れてくるたび「食べたいなあ、早くまた行きたいなあ」と、あのズワイ蟹の味を思い出している。
そんなこのラーメン屋の名前は「論露に不二」。
近くの人も、決して近くはない人も、ぜひ行ってみてほしい。

論露に不二
〒306-0624
茨城県坂東市矢作3083‐1
営業時間:11:00〜14:30/18:00〜21:00
定休日:毎週水曜
https://x.com/ronronifuji
