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【往復書簡 4】春分

20年ほど前に、あるSNSに書いていた日記
この【往復書簡】はその日記に宛てた、20年後の自分からの返信

【20年前のおはぎの日記】3月

少しずつ暖かくなってきて、春だなぁって思います
あたたかさに近づいていく感じは 嫌いではないのですが
別れの季節でもあるので
どちらかというと、誰かのそばに近づきたくなるような
寒さに進んでいく秋のほうが好きです

居心地のよいあたたかさと
何かが足りないような淋しさは
できれば同時には来てほしくない感じです

3月
みなさんの近くにサヨナラは近づいてきていますか

淋しさや、悲しみの記憶は 
たしかに体に刻まれているのかもしれません
でも あったかい記憶もちゃんと体を包んでいると信じたいです

ほんの少しでも
誰かのあったかい記憶の中に
僕もちゃんといられたらいいなと思っています


【20年後のおはぎより】今年の春は

仕事帰りにいつものコンビニに行った。
ドアを開けると同時に、お客さんがレジの人に話しかける声が耳に入ってくる。
「あなた、いつまでだったっけ」
「今日までなんです」
「えっ、今日!あなたは」
レジに立っているのは2人。大学生らしいニコニコしている2人だった。
「僕は来週までで」
「あら、そうなの。 そうか。 そうなのね」
「はい、今までありがとうございました。お元気でいてください」
「ありがとう。あななたたちもね」

帰りかけたお客さんが振り返る。
「これから楽しみね。楽しんでね」
手を振るお客さんと、深々と礼をする2人の姿があたたかくて寂しかった。


相変わらず、春が苦手だ。

あんなに高かった道路の雪山はなくなった。運転中に注意することは、アイスバーンではなく増えてきた自転車に変わった。
日差しはあたたかく、カーテンを開けても真っ暗だった朝が、ぼんやりと明るいのに変わっている。
着膨れる重いコートの出番もそろそろ終わりだ。
どんよりしていない空も、うきうきを演出してくる。

人だったり環境だったり、毎年やってくるお別れが近づいている。
毎年忘れずにありがとうを伝えてきているつもりだけれど、今年は加えてあのお客さんを真似したい。
離れた場所で頑張るあなたの毎日が、楽しいものでありますように。

#私の二十四節気 #春分 #春分の日 #往復書簡 #おはぎ


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