見出し画像

月ノ姫ノ憂鬱【虹色創作部】

──今日は十五夜。

普段の貴方は月どころかお空様も見て下さらないから、私寂しいの。けれど良いわ。上ばかり見ていても危ないしね。其れに今日だけは月を見てくれる。
この時期になると風もだいぶ涼しくなって、日が落ちるのも早くなって夏の終わりを感じて私は少し嬉しくなるわ。けれど、貴方はあまり喜ばないかしら。貴方は夏が好きだったものね。
此方は沢山の星が見えるの。それに豪華な食事、豪華な衣装、豪華な住処があって毎日充実していて幸せなの。
けど、ここには植物なんて無いの。だからススキも飾れなくて少しそれが詰まらないわ。
月からのお迎えが来た時はあんなに拒んだのに、今となれば月の居心地も良くて別に地球なんていいかなあ、なんて思ってしまう私も居るけれど、貴方にはもう一度くらい会ってもいいかもしれない。
それと、私の事を未来にもずっと残してくれてるんでしょう?嬉しい、嬉しいわ。そんな事しなくてもいいのに、けれど嫌な訳じゃなくて寧ろとても有難いと思ってるのよ?
貴方は私に美しいだなんて仰って下さったけど、そんな風に褒めて貰えたのは初めてでとても嬉しかったの。また何時か、必ず其方に行きますから、楽しみにしていてね。

いいなと思ったら応援しよう!