小説「きみのお金は誰のため」に込めたこと
お金って、生きているときに一番多く使う道具だと思うんです。
必要不可欠で、きわめて便利な道具なんだけど、取扱説明書はない。
お金の勉強をする機会がない人がほとんどだ。
道具の使い方がわからないまま大人になると、お金自体が目的になってしまう。お金のために働き、お金に感謝する。年収が高ければ偉いと思い、貯金が多いと幸せだと感じる。
そして、いつのまにかお金の奴隷になっている。
そこで、お金の勉強をしようと思っても、投資や節約術の話になる。結局、お金に振り回されていることには変わりないんですよね。
この本の主人公は、中学2年生の男の子、佐久間優斗。彼は決して裕福でない家で暮らしていて、将来はいい大学に入って給料のいい会社で働こうと漠然と思っている。学校の先生に、お金よりも大事なものがあると言われても、きれいごとにしか聞こえない。
その彼が、ある日、ひょんなことから投資銀行で働く七海(ななみ)と出会い、”ボス”と呼ばれる謎の大富豪の屋敷で雨宿りをすることになる。
そこで、ボスは3つの謎が解けたら、お金でも屋敷でもくれてやると言ってくる。
その3つの謎とは、
―お金自体には価値がない。
―お金で解決できる問題はない。
―みんなでお金を貯めても意味がない。
これらの話は、前著「お金のむこうに人がいる」でも書いた話です。
その謎を解いた上で、ようやく主人公は未来や社会について考えようとします。何が自分をやりたいのか、どう社会と関わっていきたいのか。
投資銀行で働く七海はある問題を抱えています。主人公とともに、彼女もまた、世界の見え方が変わっていきます。
日々の生活や人生の決断がお金に左右されないためにも、お金という道具の使い方を知って欲しいですし、お金と社会の仕組みを知った上で、何が大事なのかに気づいて欲しい。
ぜひ、多くの人、特に若い学生に読んでもらいたいと思っています。
10月18日発売予定です。
目次
プロローグ 社会も愛も知らない子どもたち
第1章 お金の謎1「お金自体には価値がない」
第2章 お金の謎2「お金で解決できる問題はない」
第3章 お金の謎3「みんなでお金を貯めても意味がない」
第4章 格差の謎 「退治する悪党は存在しない」
第5章 社会の謎 「未来には贈与しかできない」
最終章 最後の謎 「ぼくたちはひとりじゃない」
エピローグ 6年後に届いた愛
