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輝姫~ハムカツさんの企画に便乗してみました~

お久しぶりの投稿です🍏
今回はハムカツさんの創作企画に便乗して久しぶりの創作活動です😊


誰しもが知ってるかぐや姫のお話。
まずはかぐや姫、竹取物語について調べ直すところから始まり、調べれば調べるほど諸説ありで読むことに一生懸命になってしまい書き上げるのはかなりギリギリに💦
初創作ですが良ければ読んでくださーい😊
では本編です✨

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その日は呆気なくやってきた。
8月15日の夜。かぐやの住む屋敷の上空がばあっと明るく輝き、雲に乗った人たちが降りてくる。
月の使者だ。
彼らの不思議な力 によって、帝が準備した大勢の兵も屋敷の住人も動けなくなってしまった。

「かぐや•••行かないでおくれ•••」
育ててくれた翁や娯が泣きながら懇願する。
かぐやは二人を見て表情を曇らせた。

「どうしても帰らなければいけないのか?」

月の使者の力によって誰ひとり動けなくなっている中、颯爽とひとりの男が現れ凛とした声が響いた。

「帝•••」

かぐやからか細く苦しそうにその名前が絞り出される。

すると月の使者たちの一番後ろから一人の男が現れた。
彼は月の王だった。

「この方はとある罪を犯してこの穢らわしい地球に流刑となっていたが、ようやく晴れて月へ帰ることが赦されたのだ。さあ、王女。こんな穢らわしい所から一刻も早く離れて美しい月へ帰りましょう。」

「私は貴方に話をしているのではない。•••かぐや、貴女は本当に月へ帰りたいのか?罪を擦り付けられて流刑にされたにも関わらず、自分の気持ちをまた飲み込んでこのまま月へ帰ってよいのか?」

「私は•••」

かぐやの美しい瞳から涙が零れる。

しかし月の使者は彼女の言葉を待たずかぐやに不死の薬 を渡し、天の羽衣を着せようとする。

「やめて•••!」
かぐやは羽衣を着せられるのを必死に拒む。
それは天の羽衣をひとたび着ると、たちまちここでの記憶が消えてしまうからだ。

「かぐや、貴女の気持ちを聞かせてくれ。」
静まり返った屋敷の庭に帝の声が響く。

「王女、時間が迫っています。早くしてください。」
月の使者たちが苛立った様子で準備を進める。

「貴女がこのまま此処に居続ければこの穢らわしい土地に何が起きるか貴女が一番わかっているでしょう?月にいる貴女のご両親も•••もう時間がありませんよ。」
月の王が畳み掛ける。

「そんなことわかっています•••!少し•••少しだけ時間を頂戴。」

かぐやは月の使者達を待たせたまま翁や娯に近づいていく。

「こんな事になってしまって、ごめんなさい。流刑になった時、私はいっそ死んだ方が良いと思いました。だけど•••あなた達に出会えて一緒に暮らしたことでそれは偏見だと、私の世界が狭かったのだということに気づきました。あなた達には感謝しかありません。」
そう言うと二人の手を握りにこりと微笑んだ。

そしてかぐやは帝の傍に移動した。

「貴方は•••私の犯した罪について知っていたのでしょう?それなのにどうしてここまでしてくれたのですか?」

「全て•••知っているよ。貴女がここで暮らすことになった理由も。だけど、私は貴女を愛している。どうか、自分の心に素直になって此処に留まってはくれないか?」

しかしかぐやは首を縦に降らない。
「それは、出来ないのです。このまま私が此処に留まると大きな災いがこの地に起きてしまいます。それに•••私の両親は人質になっています。私が何度も月には戻らないと拒否をしてきたのでこんなことになってしまったのです。」
かぐやは表情を曇らせ、月を見上げる。

「生とは何なのでしょうね。」
そう言ってかぐやは帝に手紙と小瓶を渡す。

「私はこの羽衣を着ればこの地で起きたことはすべて忘れてしまいます。私がこの地を去ったら手紙を読んでください。お爺さんとお婆さんのこと、よろしくお願いいたします。」

そう言ってかぐやは微笑んで、振り返らず月の使者の元へ歩いていく。
月の使者に羽衣を着せられたかぐやは、すべてを忘れ、無機質な表情になり、月に帰っていった。


~かぐやから帝への手紙~
こんな事になって申し訳ありません。
月へ帰る日が近づくにつれて募る悲しみを貴方の歌が癒してくれていました。
この手紙を貴方が読む頃、私はもう何も覚えていません。
渡した小瓶には不死の薬が入っています。
もしも貴方がいつか私がまた月から帰ってくるのを待っていてくれるのならばその薬を飲み干してください。
貴方がまだ私を思ってくれている間はいつか話したあの高い山の上で歌を詠んでください。
貴方の声なら、月にいてもきっと私に届くと思うのです。愛しい貴方の声なら、きっと。
もしも私を忘れるのならば、その小瓶の薬をあの山の上で燃やしてください。
その時は、最後に私への歌を贈ってください。
我儘ばかり言ってごめんなさい。
貴方の幸せを願っています。          かぐや


手紙を読んだ帝は悩んだ。
このまま感情に飲まれて立場を忘れて不死の薬を飲んで良いものか。
かぐやの月での罪は多くの人を殺めたこととなっているが、それは理由あってのことであること、本当に手を下したのはかぐやではないことは調べがついている。
しかし、もしこの薬が不死の薬ではなくこの地上にはない病の元だったらどうする?
本当にかぐやを信じて良いのか?

三日三晩悩んだ末、帝はひとり城を抜け出し山を登った。そう、かぐやの手紙に書いてあったあの山だ。
山の頂上まで登った帝はかぐやへの愛の歌を詠み、そして•••不死の薬を燃やした。

帝は元の生活へ、かぐやは月へ。
不死の薬はこの世にはもう無い。
しかし。
月に一度満月の夜、帝は城を抜け出しあの山へ登りかぐやへの愛の歌を詠み続けた。

数年後の満月の夜。
いつものように城を抜け出してひと息つきかぐやへの愛の歌を詠む帝。
かぐやが居なくなったあと、翁と娯は心を痛めて病に罹り、帝も手を尽くしたがこの世を去ってしまった。
今ではかぐやのことを覚えているのは帝ひとりだった。

「すっかり習慣になってしまったな。」
ひとり苦笑し月を見上げる。

「かぐや•••お前に私の声は届いているのだろうか?
あの日不死の薬を燃やした私のことをお前は恨んでいるだろうか?所詮お前の気持ちはその程度なのか、と」

その時。

「今宵は月が綺麗ですね。」

懐かしい鈴のような声がした。
振り返るとそこには•••

「か、ぐや•••?」

「貴方の声が煩すぎて、来てしまいました。」

それは美しい満月の夜だった。

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