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その生き様に、人々は熱狂する-K-POP界との比較で観る映画「国宝」レビュー-(TXT TAEHYUN)

 
 私は今映画館にいる。映画「国宝」を観ようと思ったのは、「K-POP」の海で溺れそうになっていた、というか溺れていたから。

主演である吉沢亮さんは、私の最も好きな俳優さんのうちの1人である。
この事実も映画「国宝」を鑑賞する動機の1つにはなったが、K-POPの世界に浸かっている今、「たまには違うものを摂取してみたい」という気持ちが大きくなり足を運ぶことにした、というのが本音だ。

その一方で、この「国宝」という映画とK-POPには「芸を極める」という共通点もある気がしていた。

私が今摂取すべき映画はこれだ。そう決意した私は公開からしばらく経った10月下旬、引き寄せられるように映画館へと向かっていた。

ちなみに今、映画館の中でこの冒頭部分を書いている。このことから鑑賞した結果どうだったのか、私がどれくらい興奮しているかおわかりであろう。

今回は、作中で心に残った5つのセリフから、私が愛してやまないK-POPのアイドルグループ「TOMORROW X TOGETHER 」 (トゥバ)との比較で自分の考えをまとめていきたい。

         映画「国宝」本予告 YouTubeより

①「あんなふうには生きられないな」


 歌舞伎の興行を手掛ける三友の社員である竹野(三浦貴大)が、舞台袖から、俊ぼん(横浜流星)の命をかけた演目「曽根崎心中」という舞台を見ながら呟いた言葉が忘れられない。

この言葉を聞いた時、舞台や歌は、役者やアイドルにとって「仕事」や「作品」という枠組みを既に越えているのだということに気付かされた。それらは、彼ら自身の「人生」であり「生き様」そのものなのだ。

特別な容姿と才能を生まれつきもって生まれてきた人が、芸の道以外の全てを捨てて、血の滲むような努力をし続ける。まるでそのために生まれてきたかのように、使命を全うすべく輝きながら命を燃やし続ける。

ここに、私たちは最高に熱狂するのだ。そして羨望の眼差しで言う。「あんなふうには生きられないな」と。

この言葉には、我々一般人の「あんなふうに生きてみたいな、あんなふうに生きられたら素晴らしいな」「でも、あんなふうに生きることは到底できないな」という気持ち。

つまり、どう頑張ってもそんなふうには生きられないという天才への少しばかりの呆れと諦め、一方で恋焦がれるほどの尊敬と羨望の眼差し、そして凡人のわずかばかりの嫉妬にも似たような感情が詰まっている。

「あんなふうには生きられない」これが、歌舞伎の世界やK-POPの世界の「どうして見る人々をここまで惹きつけ熱狂させるのか」という問いに対する答えだと思った。

そうでなければ、あれだけ多くの人を「夢中にして熱狂させ続ける」ということはできないだろう。

シネマトゥデイ様より 詳細は文末に記載


②あなたがここに辿り着くまでにどれだけの人を犠牲にしたと思うとるん?


 これは、喜久男(吉沢亮)が芸妓「藤駒」との間にもうけた婚外子の娘である「綾乃」に言われた言葉である。

花道を進む喜久男(吉沢亮)は、彼女がまだ幼かった頃「お父ちゃん」と呼んで追いかける彼女に対して気付かないふりをした。その娘が成長してカメラマンとして喜久男(吉沢亮)と対峙した際に言ったのがこの言葉である。

 「あなたがここに辿り着くまでにどれだけの人を犠牲にしたと思うとるん?」

そしてそこに続く言葉がさらに秀逸なのだ。

「…お父ちゃんは、ほんまに日本一の歌舞伎役者にならはったね…」

その道を極めるということは、自分の極めると決めた芸の道に対して、自分の持っている時間とリソースを全てその世界1点に注ぎ込むことである。その影で犠牲にしてきたものは計り知れない。

それでも立ち止まることはおろか、決して振り返ることもしない。それを継続できた者だけが、極めると決めた世界の頂点に立つことができる。

それ以外のことは全て捨てる。生まれながらにして全てを兼ね備えた天才が、である。

時に「天才」というのは「特別な努力をしなくても上手にできる」、と同義に使われることがあるがこれについては誠に遺憾である。

容姿も美しく、才能にも恵まれてる人がその道の虜になり、極めると決心したならばそこに人生をかけることになる。

天才は誰よりも辛い山を孤独に登りきるクライマーであり、その行手を阻むものや重りになるものは容赦無く排除する。

頂上からの景色を見る、ただそれだけのために

凡人は天才を羨むのではなく、天才に感謝しなければならない。

その山を登る生きざまも、頂上からの景色も、凡人には見ることさえできない。そんな尊いものを「作品というレンズ」「人生という生き様」で見せてくれるのは天才だけなのだから。

だから私たちは役者やK-POPアイドルに心酔して、心からの声援を送るのではないですか。

その姿を見るために家事や仕事や勉強や人生を頑張るのではないですか。

お金も時間もできる限り費やす、いや、費やしたい、費やさせてくださいと心から願うのではないですか。

よって、チャンスという名の神様をしっかり掴んだ天才には、心からの感謝をしなければなりません

私は、「TOMORROW X TOGETHER 」(トゥバ)の🐰スビンさんや🐿️カンテヒョンが話してくれた練習生時代の思い出話を、うっすら思い出していました。

🐰「練習生の時も、TAEHYUNさんと僕は、ほとんど泣かなかったです」
🐿️「そうだね。年上の練習生たちが出ていく時だけ泣いた。〇〇さんと〇〇さん(特に面倒をよく見てくれた先輩の名前)が出ていく時は号泣したよ」

Weverse Live 2025.9.22

親元を離れて、朝から晩まで練習に明け暮れる。そのハードさは、力尽きて玄関で寝てしまうメンバーを交代で部屋に運ぶ必要があるほど。そんな彼らは、どんなに辛くても泣かなかったそうだ。

そう、寝食を共にしながら同じ夢を追いかけた「戦友」が、夢破れて荷物をまとめて宿舎を出ていく時以外は

③悪魔と取引してたんや


 喜久雄(吉沢亮)が神社でお参りをして、神様に手を合わせているシーンで、娘である綾乃に「お父ちゃん、神様にぎょうさんお願いごとするんやなあ」と言われた際に答えるセリフがこれです(少し小説と映画で言い回しが異なる部分がありますがほぼ同じです)。

「お父ちゃん、今、神様と話ししてたんとちゃうねん。悪魔と取引してたんや。」
(中略)
「『歌舞伎を上手うならして下さい』て頼んだわ。『日本一の歌舞伎役者にして下さい』て。
『その代わり、他のもんはなんもいりませんから』て」

『国宝』下巻 第19章 錦鯉より

震えましたね。なぜって?

私のXの固定ポストにもしてるのですが、私の推しのカンテヒョンがこう言ってたからです。

該当部分が頭出し再生されます。→

「あなたにとって、TOMORROW X TOGETHERの意味とは?」

🐿️「オールインだね。ただここに、全てをかけたよ、ぼくは」

[2023 DREAM WEEK]TXT カンテヒョンの言葉 

伏線回収〜ドンドン!最高〜最高すぎてどうしよう。完全に共通点を見つけてしまいましたよ、私は。

美しい外見、美声、運とタイミング、そして何より努力をし続ける才能。全てを兼ね備えた天才が、芸以外の全てを捨ててその世界の頂点を目指す。

K-POPアイドルの世界も役者の世界も、芸の道を極めるという点において共通点が多いように思いました。

吉沢亮さんは、尊敬する渡辺謙さんから作中でかけられる「お前には芸がある」というセリフを言われて泣きそうになるのを堪えたというエピソードがあります。

これが天才の宿命であり、その世界で芸を極めて成功する。ただ1つの方法なのかも知れません。


④景色を探してるんよね


 では、ここで疑問が沸いてきます。天才は、どうしてそんな苦労を買ってでもするのか。楽に生きようと思えばいくらでも生きられるじゃないですか。

吉沢亮さんも、トゥバも、赤ちゃんの頃の写真から可愛らしく、幼少期は既に一般人とは別次元の顔立ちとスタイルをお持ちでした。

彼らの努力の過程におけるあまりの過酷さに、「そこまでしなくても」そう思うわけです。

私は映画の最後に出てきた次の言葉が、その答えになっているのかもしれないと思いました。

「景色を探してるんよね」


 この言葉を吐く喜久男(吉沢亮)の目は開いているのに、どこか虚で違う世界を見ているようでとても美しかった。まるで、歌舞伎の魔物にでも取り憑かれているようだったから。

自分が惚れ込んだ世界の頂上からの景色を見たい。

前述の通り、その思いだけで全てを捨てるんです。ヨンジュンさんやカンテヒョンも、この世界で上を目指したいと言っていました。

私たちファンはそんな世界に熱狂し、拍手をし、それを観ることを生きがいに自らの人生を生きるのです。

「応援してます」「あなたの夢が私の夢です」ってね。

私たちが天才というレンズを通して見る異次元の世界。それが私たちの胸を熱くし、震わせるのです。

この共通点に気づいた時は胸が震える思いがしました。

シネマトゥデイ様 詳細は文末に記載


まとめ


 子どもの頃、「私って天才」「天才になりたいな」みたいな子ども特有の言い回しがありましたよね。

母は決まってこう言いました。
「何言ってるの。天才というものは凡人には想像を絶するほどの努力と苦労があるのよ」って。

最近、この言葉を良く思い出しています。

私たちは、あなたやあなた達の生き様に熱狂し続けます。
私たちが夜空なら、あなたたちはスターだから。そして、こうも思います。

あなた達はそれぞれ、日本と韓国の紛れもない「国宝」なのではないかと。


あとがき


 映画「国宝」は何回も見たいと思った数少ない映画です。何かに夢中になったことがある人には、刺さる映画だと思います。また、K-POPの世界の虜になっている人にも響くものがあると思います。

より深い沼にはまったような気もしないではないですが、気のせい、ということにしておきましょう。

上映時間が3時間と聞いて躊躇しましたが、問題ありませんでした。6月から公開されていますのでもうご覧になった方が多いかもしれませんが、ご興味のある方は是非今のうちに。

国宝のスタッフの方、吉沢亮さんを始めとする役者の方々、そしてK-POP界に携わる方、トゥバとカンテヒョンに心からの尊敬と賛辞を送ります。

あなたやあなた達の探している景色。私たちMOA(ファンダムの名前、以下MOA)と一緒に追いかけさせてください。

そしてあなた達のフィルターを通してその頂点からの景色と世界を見させてください

それが私たちMOA(ファン)にとっての夢であり、私にとっての生きる意味なのです。

購入したパンフレットと原作本



※写真はこちらよりお借りしました



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