32年ぶりの合格発表
32年前と、同じ春に
32年前のこの時期、私は自分の高校受験の合格発表を見に行った。
もう細かい記憶は曖昧だが、一人で自転車に乗り、受験した高校まで向かったことは覚えている。
結果は、不合格。
そのまま第二志望の私立高校へ進学することになった。
息子の合格発表の日
そして先週。
息子の第一志望、公立高校の合格発表の日を迎えた。
今は出願から受験料の支払い、そして合格発表まですべてWEBで完結する時代だ。
当初は、午前9時のWEB発表を家族3人で確認し、合格していればそのまま高校へ掲示板を見に行こう、という話になっていた。
ところが前日の夕食時、息子がぽつりと言った。
「やっぱり、学校で掲示板を見たい」
妻と顔を見合わせ、一瞬迷ったが、その気持ちを尊重することにした。
WEBでは見ず、直接学校へ向かうことに決めた。
掲示板の前で待つ時間
当日の朝。
発表は9時だったが、15分以上前には学校に到着していた。
すでに息子の友達やその保護者たちが集まり、正門近くの掲示板の前でその瞬間を待っている。
大きな横長の掲示板。その中央はぽっかりと空いている。
そして、9時。
係の人がロール状になった紙を持って登場、合格者の受験番号を掲示していく。
息子は友達と一緒に一番前の列へ。
私と妻は、少し離れた後ろから見守る。
周囲では、多くの人がスマートフォンを構え、その瞬間を記録しようとしていた。
私も同じように、なんとなくスマホを向けながら、ロールがめくられていくのを見つめていた。
息子の番号は後ろのほう。
その瞬間
そして、ロールが最後に近づいてきた、そのとき。
スマホ越しに、息子と友達がぴょんぴょんと飛び跳ねている姿が見えた。
——あ、受かった。
そう確信した。
実際に受験番号を確認し、隣にいる妻を見ると、すでに目に涙が浮かんでいた。
その瞬間、私の目にも自然と熱いものが込み上げてきた。
この数ヵ月の意味
昨年7月末で仕事を辞め、キャリアブレイクに入ってからは、息子の受験サポートを中心に生活してきた。
食事を作ったり、体調管理、模試結果の振り返りやスケジュール管理など
自分にできることは全てやった。
もちろん、一番頑張ったのは息子本人だ。
それでも、この数ヵ月を一緒に過ごせたことに、大きな意味があったと感じている。
ひとつの区切りと、これから
合格したのは、公立のトップ校。
入学すれば、すぐに大学受験を見据えた勉強が始まるだろう。
それはそれで、また新たな大変さが待っている。
でもまずは、ここでひとつの区切り。
息子にとっても、家族にとっても、これ以上ない結果だった。
心から、よかったと思える春になった。
