我が家に、寅子がやって来た!
中大型犬との暮らし。
幼い頃から、うちには犬がいた。
甲斐犬のような雑種の一代目寅、正体不明のモシャついたテリア系の二代目寅次、子犬時代、顔が真っ黒でよくわからない犬種だった雌犬のハナ子。植木屋の祖父がどこからともなく野犬やノラの子犬を連れてきて、気づけば暮らしの真ん中に犬がいるのが当たり前だった。
一代目寅、二代目寅次は。祖父が『男はつらいよ』好きゆえのネームセンスだ。
独立し、祖父から受け継いだ家を改築し終えた頃、そろそろ犬を迎えたいと、ぼんやり思っていた。ふらりとノラでも現れないものかと。
運命の電話
改築して半年が過ぎた頃、知り合いの犬友さんから連絡がきた。
ブリーダーが放棄した小型犬がいる、と。
理由を聞いて、心底呆れた。
下歯のシャクレがひどい、毛並みも体格も不恰好だ、云々。
大変なめくさった話である。
放棄されたならノラみたいなものだ。
わたしの前にノラが現れた。
たしかに、しゃくれてはいた
4か月の寅子が我が家にやってきた。
土の匂いがするような子らとは、まるで違う。
変なたとえだが、ぬいぐるみのような作り物感があって、すこし緊張した。
そして、しゃくれてはいた。
でも、それがどうした。かわいいじゃないか。
困ったのはひとつだけ
わたしは中大型犬との遊び方しか知らなかった。
がさつさもかねそろえ、犬達と本気で遊んでしまう。
でも目の前にいるのは、とても小さな子だった。
小型犬との暮らし、楽しくも、力加減が必要な日々が始まった。
さて、一から学ぶか。まったく悪くない。
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