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【新日フィル】佐渡裕のマーラー交響曲第3番~トロンボーン大活躍を知る

今回は、初めて生ライブでマーラーの交響曲第3番を聴いた話。オケは新日本フィル、指揮は佐渡裕、メゾソプラノは藤村実穂子でした。

世界最長とも言われる交響曲

初めに断っておくと、私はこの曲がそんなに得意ではない。そもそもマーラーはクラシック初心者にはややハードルが高い。交響曲でもアダージェットが有名な第5番や、『巨人』で知られる第1番、クレイジーな香りのする第2番『復活』、大仕掛けな第8番『千人の交響曲』…などなどの名曲に囲まれて、第3番はなかなか手を出しにくい曲だった。
どれくらい馴染めなかったかといえば、学生時代、私は京都に住んでいて、たびたび東京にも出かけていたのだが、お金はなく時間ばかりあったので、その行路は普通電車や快速電車を乗り継ぐ青春18きっぷの旅。当時、京都から東京にこの方法で行くと、行程はだいたい8時間弱。この時間を音楽のリスニングタイムに充てていたのだが、長旅にピッタリなのが全長100分超のマーラーの交響曲第3番。しかし、私は岐阜県の大垣駅からこの曲を聴き始めても、毎回名古屋に着く前には夢の中。とにかく第一楽章だけでも30分超の長さ、当時の私には子守唄以外の何者でもなかった。
Wikipediaによれば、かつては世界で一番長い交響曲とされていたとか。今は違うってことなんだろうけど、長くする分には駄作でもできる話なので、そんな称号は不要だろう。

大垣から名古屋は30分ほど…💦

ベートーヴェン、ブラームスから続く系譜

演奏前の佐渡裕のプレトークでは、ベートーヴェンの影響を色濃く残したブラームス、そしてそのブラームスの影響を受けたマーラーということで、交響曲第3番の冒頭のメロディは、ブラームスの交響曲第1番第4楽章のあの有名なフレーズそのものであり(調が違うだけ)、そういう点も味わってほしいという話。また、今月末の新日本フィルのフィリピン・マニラでの海外演奏会を前に、同国で震災が発生してしまったので、募金活動をしており、終演後自分も立つので協力をしてほしいという話があった。

第1楽章はあの楽器が大活躍

今回の席はステージに向かって左側奥の席。合唱団が入りステージ裏のP席は販売されないため、最安席はこのあたりになる。この席にしたくて買ったというより、安い席かつ空席があるのがここら辺だけだった、という感じ💦
合唱団の真横で、お世辞にも良席とは言えない(合唱団の背中が見える)のだが、頭を右にずらせばトロンボーン、チューバ、コントラバス、ファゴットなどの低音群の横顔が正面に見える。この点は個人的には良席かも(笑)
いよいよ、ホルンが奏でる冒頭の主題で演奏が始まる。第1楽章だけでも約30分を超えるこの曲、寝てしまわないか心配だったが、第1楽章にはトロンボーンのソロが随所にあり、飽きなかった。私は、音源で何度も聴いていても、曲全体としてとらえているからか、ぼーっと聴いているからか、いちいちどの楽器の音かということは、そんなに気にしていないらしく、生で見てはじめてこの楽器の音だったのか!と気づくことが多い💦聴くにしても理論的なことや楽譜には全く興味がないし、何も考えずに感覚的に聴くのが我流なのだ・・・(気楽)
そして、テューバに関して言えば、多くの曲ではトロンボーンに追随していることが多いのだが、この曲には単独行動が多い。トロンボーンもサードだけ吹くとか、フォースだけ吹くとか、けっこうマニアックな作曲をしているのだなぁ、と見ていて思う。
思わず拍手をしたくなる第1楽章のエンディング。もちろん拍手はしなかったが、海外オケのYouTubeで予習していると、けっこう楽章間に拍手をしているライブ映像も多く、まわりがいなければ素直に拍手していたかも。

第2楽章の濃厚弦楽と第3楽章のポストホルン

第2楽章はマーラーらしい濃厚な弦楽が耳に直接入ってくる。席は変な場所だが、弦楽も近くてしっかり聴こえるのはいいところ。
続く第3楽章で気にしていたのがポストホルンという楽器。新日本フィルのSNSによれば、舞台袖で演奏するので客席からは見えないらしいのだが、てっきりトランペットの音かと思っていたので、あのかわいらしいホルンで吹いているのか、とその姿を想像すると味わい深い。

ポストホルンを使う曲は珍しい

第4楽章で独唱、第5楽章で合唱が

第4楽章からは、メゾソプラノが歌い、曲の雰囲気ががらりと変わる。そして、第5楽章ではベルの音とともに児童合唱団、女声合唱団も順次入り、マーラーの長大交響曲の醍醐味が出てくる。題材は『子供の魔法の角笛』という曲らしいのだが、マーラーは交響曲第3番と第4番、歌曲集の3曲でこのメロディを使っており、よほどこの曲がお気に入りだったのだろう。私のようになんとなくぼーっと聴いている者にとっては、どの曲を聴いているのか混乱するので、やや困った作曲方針である。

第6楽章は天井の音楽

最終楽章の第6楽章は、独唱も合唱も消え、始まりから天井の音楽を彷彿させる。思わず天井を見上げてその美しさに聴き惚れた
後半にかけては次第にクライマックスの様相を見せ、マーラーの長大交響曲のエンディングにふさわしい盛り上がり。ところで、ラストのコーダの部分、すべての楽器が演奏していると思いきや、テューバだけ楽器を横に抱えたまま微動だにせずコーダを聴き続けている。えぇっ、このまま参加せずに終わっちゃうの?そうなの?と心配して見ていると、最後の最後、おもむろに楽器を縦にして最後の3音だけ参加。見ていてちょっと冷や冷やしました(笑)
終演後のカーテンコールでは、トランペットソロの次にトロンボーンソロが起立を求められていて、自分のなかでも、トロンボーンの活躍する曲!という認識ができた。ホルンより先なんだぜ(笑)

コンマスの崔文洙(チェ・ムンス)と指揮の佐渡裕
崔のヴァイオリンもよかった

すぐに感想が出てくる曲と、嚙み締めないと出てこない曲

さて、この曲、たしかによかったのだが、演奏後も消化に時間がかかった。数日前に聴いたラフマニノフの『パガニーニの主題による狂詩曲』とリムスキー=コルサコフの交響組曲『シェエラザード』のように、すぐに聴いた感想の出てくる曲。このときは、帰りの電車の中でほぼ記事を書き終わっていた。しかし、今回のマーラーの『交響曲第3番』は同じことを電車でしようとしても、まったくうまくまとまらなかった。一晩噛み締めて、今日ドライブをしながら、ようやくまとまってきた感じ。曲のせいなのか、演奏のせいなのか。
演奏自体はとてもよかった。初めてこの曲を生で聴くのが今回の演奏でよかったと思う。


上の写真撮影後、普通の足取りでエントランスに向かうと
すでに佐渡氏がフィリピン地震の募金活動中!影武者かと思った💦

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