Spotifyで公開中!|グラミー賞2026を振り返る「Mood of MOD -March, 2026-」
「MOOD of MOD」プレイリスト公開中!
MODのプロデューサーがセレクターとなって、クリエイティブのインスピレーションの源となる音楽をセレクト。実際にオフィスのBGMとしても使用されているプレイリストを通して、MODで働く人々の空気感や"MOOD"を映し出すような選曲をお届けします。
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今回のテーマは「グラミー賞2026 -史上初スペイン語アルバムが頂点へ-」
2026年2月、最も注目を浴びたアーティスト…
それは間違いなく、バッド・バニーだろう。
移民政策などをめぐる対立で分断が激化するアメリカで、プエルトリコ出身の彼は、世界最高峰の音楽賞と言われるグラミー賞で”アルバム・オブ・ザ・イヤー”を受賞。そして翌週には全米が熱狂するNFLの優勝決定戦”スーパーボウル”のハーフタイムショーのステージに立った。
グラミー賞とスーパーボウルを振り返ると共に、その両方のステージで彼が語ったメッセージにインスピレーションを受けて、今回のプレイリストを選曲しました。
グラミー賞とは…
日本では「なんとなく、すごい賞」くらいの認識かもしれないが、音楽業界に置いてはグラミー賞は未だ別格の存在であり、誰もが憧れる賞の一つだろう。
1959年に創設され、今年で第68回を迎えた音楽界で最も権威ある賞のひとつだ。約1万3000人のアーティスト・プロデューサー・エンジニアなど音楽の専門家たちの投票で受賞者が決まり、ポップ・ロック・ラップ・ジャズ・クラシック・ゴスペルなど全91部門にわたる。
ただし、長い歴史のなかで批判にさらされてきた時代もあった。特定のジャンルやアーティストが評価されにくいという構造的な問題が繰り返し指摘され、例えばビヨンセは100回以上ノミネートされながらも主要部門をなかなか受賞できなかった時期が長く続いた(2025年にようやく”アルバム・オブ・ザ・イヤー”初受賞)。近年はアカデミーの構成員の多様化が進み、2026年の授賞式ではラテン・グラミーの投票メンバーが初招待されるなど、変化は着実に起きている。
2026年、バッド・バニーが刻んだ快挙
今年、グラミー賞で最も歴史的な瞬間を刻んだのはバッド・バニーだった。彼のアルバム『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』が”アルバム・オブ・ザ・イヤー”を受賞。全編非英語アルバムが受賞するのは史上初である。
そして受賞スピーチで、バッド・バニーはこう語った。「ICEは出ていけ。私たちは野蛮人でも、動物でも、宇宙人でもない。私たちは人間だ。そしてアメリカ人だ。憎しみは憎しみによってより強くなる。憎しみより強いものがあるとしたら、それは愛だけだ」
ICEとはアメリカ移民税関執行局のこと。トランプ政権下での移民摘発強化を受け、バッド・バニーはワールドツアーのアメリカ公演を中止するなど、その姿勢を行動で示してきた。授賞式では他にも複数のアーティストがICEへの批判を口にした。
スーパーボウルのハーフタイムショーという舞台
スーパーボウルのハーフタイムショーは、1993年にマイケル・ジャクソンが登場して以来、世界最大の音楽ステージのひとつとなった。プリンス、ビヨンセ、レディー・ガガ、ケンドリック・ラマーなど、時代を代表するアーティストたちがこの舞台で伝説を刻んできた。
2026年、そのステージに立ったのはバッド・バニーだ。ラテン系ソロアーティストとして単独ヘッドラインするのは史上初。フィールドは彼の故郷プエルトリコの風景に変えられ、約380人のエキストラが植物に扮してステージを彩った。レディー・ガガをサプライズゲストに迎えたショーは1億人以上が視聴し、フィナーレでは南北アメリカ各国の国旗を掲げたパレードとともに「憎しみよりも強いものは愛だ」というメッセージがスクリーンに映し出された。
とある音楽評論家はかつてこう記した。「ポップの役割は果てしなく広がる無知と無関心の地平に語りかけることだ」と。彼のパフォーマンスを思い返すとき、その言葉がふと頭をよぎる。
今月のMOODを象る3曲
1. "DtMF" – Bad Bunny
アルバム『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』は、バッド・バニーが故郷プエルトリコへの愛を全編に込めた作品だ。観光地化・気候変動・植民地的な開発によって変貌していく島への悲しみと、それでも愛し続けるというメッセージが通底している。
タイトル曲"DtMF"は、プエルトリコの伝統的な民衆音楽プレナをベースに、ラップとレゲトンを融合させたノスタルジックな一曲。大切な人と過ごした時間、撮れなかった写真、言えなかった言葉——取り返しのつかない瞬間への後悔を静かに歌う。30カ国以上でチャート1位を記録し、スーパーボウルのハーフタイムショーではフィナーレを飾った曲でもある。
2. "Come To Mama" – Lady Gaga
スーパーボウルでバッド・バニーとステージを共にしたレディー・ガガ。2016年のアルバム『Joanne』に収録されたこの曲は、グラムロックにインスパイアされたサウンドで、対立と分断が深まる時代に向けた平和と愛の呼びかけだ。歌詞には聖書の引用が散りばめられ、「罪のない者だけが石を投げよ」というイエスの言葉を踏まえた一節も登場する。争いをやめ、互いに寄り添い、愛で困難を乗り越えようというメッセージが根底に流れている。
今年2月、東京ドーム公演では「いまアメリカでは、ICEによって容赦なく標的にされている人々、子どもたち、家族たちがいる。コミュニティ全体が安全や居場所を失うとき、それは私たち全員の中で何かを壊してしまう」と語りかけたのちに、この曲を歌った。
3. "Manchild" – Sabrina Carpenter
近年のグラミー賞を語るうえで、もう一人欠かせない名前がある。表舞台には立たないが、ヒットソングを裏側から支え続けてきたソングライター、エイミー・アレンだ。オリビア・ロドリゴ、ハリー・スタイルズ、ロゼ&ブルーノ・マーズの「APT.」など、彼女の名前はヒット曲のクレジットに並び続ける。2026年のグラミー賞では「Songwriter of the Year」を2年連続で受賞。グラミー史上初めてこの賞を受賞した女性でもある。
「Manchild」はサブリナ・カーペンターの7thアルバム『Man's Best Friend』のリード曲で、エイミー・アレンとジャック・アントノフが共同制作。カントリー調のポップサウンドに乗せて、大人になりきれない男性への皮肉と、それでも惹かれてしまう複雑な感情をウィットたっぷりに歌う。
次回の「Mood of MOD」もお楽しみに…!
セレクタープロフィール
Shintaro Nakamura / Producer of MOD Inc.
大学卒業後、国内ラグジュアリーブランドでのリテールセールスを経て、2023年からはサステナブルファッション領域のスタートアップに参画。BtoBセールスを中心に、マーケティングやPRなど幅広い業務に携わる。現在はMODにて、セールス/プロデューサーとしてクライアントワークに従事。週末は自ら音楽制作も行う。来月はTWICEのライブに行ってきます!
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