2025コラボ旅を振り返る
旅に出ていた1年であった。それもほぼほぼ、刀剣乱舞関係である。1人が好きなのに1人外食苦手な私が、なぜここまで旅に出ていたのか。
それはオンラインで視聴していた、刀剣乱舞10周年を祝う大本丸展に佐野美術館と徳川ミュージアムの方が出演されていたのがきっかけだったのかもしれない。
佐野美術館
何も知らない人が「佐野美術館」と聞いたら、どこにある美術館だと思うだろうか。当時の私は「栃木県佐野市にある美術館だろう」と思っていた。
そういう人のために、佐野美術館の方は静岡県三島市にあることを説明してくれた(その説明が無かったら、私は旅に出なかったかもしれない)。
「新幹線が停車するなら行きやすいのでは……?」
偶然にも会期中に休みを取っていたこともあり、佐野美術館で開催されていた「名刀ズラリ」へ。
初めてのコラボ参加かつ初・三島でドキドキしつつ、スマホを頼りに三島を歩く。水が綺麗な三島の街は三嶋大社もあり、Xで知った和カフェやお菓子屋さんに行ったりと自分のペースでのんびりと、でもワクワク歩ける街だった。
見たいものを見て、知らない街を歩いて美味しいものを食べる。家でゴロゴロするよりよほどリフレッシュになる。
社会人を長くやってきて、そんなことにようやく気付いた私であった。だからまだこの1年が旅に出ることの多い年になるとも、また三島の地を踏むことになるとも全く予想していなかった。
国立博物館
上野は東京国立博物館・大覚寺展である。
大覚寺所蔵の薄緑(膝丸)と北野天満宮所蔵の髭切の展示である。並んで展示されているのを見ると、なぜか感慨深くなる。
展示の最後には大覚寺の四季を映したパネルがあったけれど、本当に美しかった。この景色を見に大覚寺に行きたいなと思える展示であった。
休憩すべく、鶴屋吉信さんの売店で「京ふわわ」と「つばらつばら」を購入。どちらも初めてだけど、非常においしい。京ふわわは口当たりも味もとても優しい。つばらつばらは食べてすぐに1つ買わなかったことを後悔し、食べ終えてから追加で購入。
本館や東洋館をまわって、東京国立博物館でほぼ一日を過ごす。美術館巡りもしようかなと思ったものの、会期の終盤で行列ができていて断念。
その代わり、鶴屋吉信さんのお菓子をたくさん買えて満足。非常においしゅうございました。
ホテルニューオータニ大阪、藤森神社
自分の誕生日は自分で祝う。そう決めて出向いたのは京阪奈、大阪での刀剣乱舞コラボのアフタヌーンティーが目当てである。
アフタヌーンティーへ行く前に、藤森神社へお参り。三度目のお参りだが過去2回、当日中に驚くような嬉しい出来事があった神社である。今回は綺麗な紫陽花を見られてラッキーと思いながら、大阪へ。
アフタヌーンティーはどれも綺麗かつ美味しい。フリーフローの紅茶がおいしかった。普段コーヒー派だけど「紅茶ってこんなにおいしいの!?」って驚くほどに。ついでに見ようと思っていた「日本国宝展」は混雑で断念し、代わりに京都で「日本 美のるつぼ展」へ。混雑はしていたけれど、きちんと見られて満足。
その後、宿泊予定のホテルへ。部屋がアップグレードされたと説明を受けて行ってみれば、バス・トイレが別。それだけで驚いているのに、バスに洗い場がある! 藤森神社効果、恐るべし。
徳川美術館
次は徳川美術館へ。伯仲である。
東海道新幹線とのコラボボイスがあるということで、ワイヤレスイヤホンを急遽購入。コラボボイスを聞いて名古屋に降り立ち、コインロッカーを探してうろうろしてから徳川美術館へ。
こちらでも展示を見ながら音声ガイドを。説明があると自分では気づけないところを教えてもらってありがたい限り。
買うつもりはなかったものの、グッズのデザインがどれも素敵! ここからここまで全部って言えたら……と思うほどに。
厳選してブックマーカーを購入。使うためには勉強しなきゃいけないような……。
徳川美術館近くの芳光さんで、わらび餅を始めとする和菓子を購入。どれも美味。私の知っているわらび餅とは全然違う滑らかさ。
九州国立博物館
暑さが厳しい中、大宰府へ。
参道で売っていた葛餅アイスが非常においしそうだった。
先にお参りをしようと太宰府天満宮へ。
敷地内の棚にとりどりたくさんの風鈴がつるされていて、涼やかな音色に心が洗われる。おみくじを引いて宝物殿を見て、今回の旅のメイン・九州国立博物館(きゅーはく)へ。
その前にちょっと腹ごしらえと、きゅーはく前のレストランで食事。旅をするにつれ1人ご飯に尻込みすることもなくなり、コラボドリンクもしっかりオーダー。定食もドリンクも美味。
音声ガイドを借りて、いざ展示へ。
展示の鐘の音が響く中、音声ガイドからは法螺貝が高らかに鳴り、突然「QT9(キューティーナイン)!」と「何の番組!?」と思うようなガイドが始まり、あまりの面白さに膝から崩れそうになった。
あんなに面白い音声ガイドは初めてだった。
帰りに買った梅が枝餅、初めて食べたけどおいしかった。すぐぺろりと完食。もっと買ってくればよかったと後悔。……それも全部ぺろりと食べるんだろうけど。
岡山城・林原美術館・岡山県立博物館
晴れの国・岡山は、やっぱり晴れていた。
雲一つない青空の下、見に行ったのは刀剣乱舞コラボの雲生・雲次の雲類である。岡山城から足を延ばして岡山後楽園へ行く橋が高くて怖かった。スマホ落としたら終わる。
岡山後楽園は緑豊かで、数組が結婚式の前撮りをしていておめでたい気分に。青空と芝の緑がよく映える。
そして行ってみたかった倉敷・美観地区にも足を延ばす。念願の大原美術館に行けて満足。
パフェを食べながら、大原美術館へ行くことができたのも、刀剣乱舞コラボがあったからだよなとしみじみ思った。
大原美術館に行くという目的だけでは、腰の重い私は行かなかった。ずっと行きたいなと思って、行動に移すことはなかっただろう。
「行きたいところリスト」にでも載せて、リストが埋まったことに満足していたに違いない。
天高く馬肥ゆる秋、パフェ食べながら思うひとときである。
再びの佐野美術館
再びの三島である。
スタンプラリーをめぐって、今年2度目の佐野美術館へ。
年齢が高めの男性2人組がスタンプを押しているところに遭遇。昔からの刀剣好きな人には「ゲームとのコラボなんて」と渋面をされるのかと思っていたから、楽しそうな姿を見られてほっこり。
三嶋大社宝物館で展示の解説を読んでいたら、「この人、刀ステ(舞台刀剣乱舞)の……」と思いがけぬ出会いもあり、展示が身近に感じることもできた。
2度目ともなれば前回、気になっていたけれど入れなかった店に入ったり、この前食べておいしかったからと同じお店でお団子を買ったりもできる。
何より三島の街が、街を上げて刀剣乱舞とのコラボをしてくれているのだなと感じた。
帰宅し、今年の旅はこれで終わりだなとお団子を食べていた私はまだ知らなかった。
翌月、ふと旅立つことを。
関鍛冶伝承館
前日に急遽ホテルを取り、やってきたのは刃物の街・関である。
関がどこにあるか、失礼ながら知らなかった人間だ。岐阜県関市および関が刃物の街であることを知ったのは、やはり刀剣乱舞である。スタンプラリーで街を歩き回り、カフェで休憩しつつ、関鍛冶伝承館へ。
目当ては古式日本刀鍛錬だ。
目の前で鋼を打つ姿を見ることができるのである。どんな感じなのだろうかと緊張するも、司会のお姉さんの進行・刀匠紹介が非常に面白い。鍛錬は言わずもがな火花が飛び散り、迫力があった。
せきてらすであんまきやコーヒーを買い込み、翌日は岐阜城へ。
「……こんな山の上だとは……イノシシ注意って、どう注意しろと……?」
若干息が上がった感じで城内をまわる。眺めは非常によかったが、自分の足腰がしっかりしているうちじゃないと来られないだろうなと思う。だとしたら、今のうちに行くことができてよかった。
終わりに
刀剣乱舞をやらなければ関を知ることもなかっただろうし、おいしいコーヒーやお団子を口にすることもなかった。
腰の重い人間をあっさりと外に連れ出した刀剣乱舞の力に慄きながら、関で購入したおいしいコーヒーを飲む。
2026年、刀剣乱舞は私をどこに連れ出すのだろうと思いながら。
