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偏差値30台からの広尾学園小石川中学AG合格への軌跡 ‐ 第4回 塾の変遷

 前回は「偏差値30、算数の壁」についてまとめました。
 今回は、第4回として「どの塾がいいのか、わからん」から始まって、遠回りしながら、「どの塾が合うのか」を見つけた経緯を書いていきます。


 第2回「我が家の教育の流れと勉強への向きあいかた」でも書いたとおり、塾は、
サピックス(1~3年生) 
 早稲田アカデミー(4年生) 
 ena国際部+帰国子女アカデミー(5~6年生)と変えています。

〇 SAPIXを選んだ理由と転塾の判断

 実は、帰国生受験と国際生受験の違いをまだ知らない時期からぼんやりと英語入試もありかなぐらいの考えはあったのですが、
最初の頃は「どの塾に行けばいいのか」よく分からず、

 一方で、「社会」は、日本人の基礎知識として早い段階から覚えたほうがよいと思っていたので
 まずは、4科受験のカリキュラムの塾で、社会も含めて勉強させようと判断したのです。

 しかし、具体的にどの塾が息子に合うのかは、まったく分からず、
「大手のサピックスならいいかな」と、あまり調べず決めました。
 正直に言えば、合格実績の広告の影響もあったと思います。

 また、優秀な子どもたちの中に入れば、刺激を受けてやる気も出るのではないか、という期待もあり、サピックスに3年間通いました。

 しかし、テストの成績はまったく伸びません。

 2年経ち、本人が、自分はクラスの中の下位にいる状態が当たり前と思っているように感じられ、
「その位置が彼の基準になってしまうのではないか」という不安が大きくなっていきました。

 また、サピックスは、本の形をしたテキストではなく、
B4版横使用のプリントをホチキス止めしたものを、その都度配るのですが、
大きくてかさばり、本棚にそのまましまうことができず、
テキストの整理整頓に大きな負担を感じました。
 このため、成果や管理の負担面で合わないと思い、転塾することにしました。

〇 早稲田アカデミーで感じたギャップ

 次に選んだのは、早稲田アカデミーです。同じインターナショナルスクールの同級生がかよっていたので、彼と一緒なら心強いかなと思ったからです。
 
 そして説明を聞きに行った時に、校長先生が熱心に対応してくださり、その熱意に惹かれて入塾を決めました。
 しかし、実際に通ってみると、いくつか気になる点が出てきました。

 まずテキストの数についてですが、
 通常授業だけでも算数・理科が各3冊、国語・社会が各4冊あり、
 さらに季節講習でも複数のテキストが配布されるため、
年間では約40冊ほどになり、
 そして先生によっては、独自に準備する補助教材としてのプリント冊子もありました。
 とてもじゃないですが、手を付けられないテキストのほうが多いぐらいです。
 
 また、先生が数ヶ月単位で変わることもあり、
 継続的に見ていただくという点では、期待とは異なる部分もありました。
 
 さらに印象に残っているのが、オンライン授業での出来事です。
 
 旅先で息子が授業に参加した際、私も同じ部屋で様子を見ていました。
 授業の最後に先生が「質問はないか」と問いかけていたのですが、
そのやり取りが、やや緊張感のある雰囲気に感じられ、
 子どもによっては、質問しづらいのではないかと思いました。
 
 実際、誰からも質問はありませんでした。
 息子も分からない点があったようですが、その場で質問することはしませんでした。
 授業は、そのまま終了しましたが、
 時間がまだあったので、その後は、学習内容以外の話が続く場面がありました。
 
 個人的には、その時間を使って、生徒一人ひとりの理解度にもう少し踏み込んだフォローがあるとより良いのではないか、と感じた出来事でした。

 他にも、進路相談の際の対応も印象に残っています。

 入塾時から、我が家としては国際生入試も視野に入れていることを相談していました。
 その際は、「まだ選択肢を狭めず、4科受験の可能性も残しておいた方がよい」というお話で、私自身もそれには納得していました。

 しかし、5年生になる前に、改めて国際生入試を中心に考えたいこと、
国語と算数を中心に学ばせたいことを相談したところ、
基本的には4科目受験を前提とした学習案内が中心でした。

 もちろん、早稲田アカデミーが
4科受験を主軸としていることは理解していました。
 ただ、我が家としては、「国際生入試を目指すならどういう形が考えられるか」を一緒に考えてもらえるような関わりを、どこかで期待していた部分もありました。
 そのため、少しずつ方向性の違いを感じるようになりました。
 
 また、この時、私はまだ知らなかったのですが、
同じ早稲田アカデミーに帰国生向けのLOGOSという部門が新設されていたのですが、それについて情報提供もありませんでした。

 こうした経験を通して、ここも合わないと判断し、別の塾へ移ることにしました。

〇 最終的にたどり着いたenaとKA

 その後、改めて国際生受験に向けた塾を探し、ena国際部に切り替えました。
 以前、一度見学したことはあったのですが、その時は環境や授業の印象から選びませんでしたが、
 ただ、国際生入試に集中するのであれば、最後はここしかないと考え、選び直しました。

 結果として、ena国際部を選んで非常に良かったと思います。

 先生の異動はほとんどなく、固定メンバーで2年間継続して息子を見ていただきました。

 テキストの冊数も今までの半分になり、だいぶ楽になりました。
 
 また、各先生がそれぞれとても親身な指導をしてくださいました。
 授業の様子もオンラインで何度か見ましたが、授業の合間には子供たちの笑い声もありました。
 
 少人数ということもあって、アットホームな雰囲気の中で、
生徒と先生が一体になっているような感じがしました。

 特に印象的な授業は、面接対策の授業です。帰国生/国際生入試には一般入試にはない、面接試験があります。
 面接では、将来やりたいことや自分の考えについて問われるだけでなく、
 その答えに対して「なぜ?」「どうして?」と深掘りされます。

 ena国際部では、こうした問いに対して、自分の考えを筋道立てて
一貫性をもって伝えられるよう、徹底した練習が行われています。

 はじめの頃は答えられず黙ってしまう子もおり、息子の話では、うまく言えずに涙を流す子もいたそうです。
 それでも多くの子どもたちは先生を信頼しており、先生も一人ひとりの考えを丁寧に引き出してくれます。

 こうした練習のおかげで、息子は大人に対しても物怖じせず、自分の考えを自分の言葉で伝え、その理由まできちんと説明するようになりました。
 
 本来は受験に向けた授業ですが、それにとどまらず、
 一人の人間として、自分の意見を持ち、それを筋道立てて語れる力が身についていったことに、大きな価値を感じました。

 もう一つ、ena国際部に通わせて良かったと感じたのは、
同じ帰国生・国際生入試を目指す子どもたちが、すぐそばにいたことです。

 帰国生入試は11月頃から始まります。息子が受験する国際生入試は2月でしたが、
 11月になると、塾の仲間たちが一人、また一人と本番を迎えていきます。

 教室の中にも少しずつ緊張感が生まれ、息子自身も、周囲の様子を見ながら、
「いよいよ自分の受験も近づいてきた」という意識を強くしていったように思います。

 これは、帰国生・国際生入試を目指す子どもたちが集まる塾だからこそ得られた環境でした。

 先生から教えてもらうことだけでなく、
同じ目標に向かう仲間の中に身を置き、その空気を感じながら受験に向かっていくこと。それもまた、塾に通う大きな意味なのだと、この時初めて感じました。

 授業内容、先生との距離、面接指導、そして一緒に受験に向かう仲間たち。そうしたものを含めて、
 ena国際部は息子にとても合っていたのだと思います。

 さらに英語対策として、帰国子女アカデミー(KA)にも通い始めました。
 
 KAは、帰国生入試の合格実績がダントツに高く、
 渋幕をはじめ、広尾、広尾小石川の合格数もとても多かったので 
通わせてみることにしました。
 
 通ってみると完全な英語環境で、楽しい先生が多く、本人にとっては非常に取り組みやすかったようです。 
 特に良かったと思うのはエッセイの課題です。
 題材集めからエッセイの構成作成の段階、次に清書仕上げの段階と
分けて指導があり、2週間かけて作り上げる課題ですが、とても効果的な学習であったと思います。
 息子の英語の成績は、徐々に上がっていき、
 5年生の10月に英検準1級合格をとることができました。
 

〇 塾選びで最も大切だと感じたこと

 このように、最初は「大手であればよい」という考えからスタートし、
途中で違和感や限界を感じながら、
最終的には「息子に合った塾」にたどり着くことができました。

 振り返ってみると、塾選びで大切なのは、
有名な塾か、合格実績の高い塾かということだけではなかったのだと思います。

 その子がどのような受験を目指しているのか。
 どのような先生や授業なら質問しやすいのか。
 どのくらいの教材量ならきちんと取り組めるのか。
そして何より、その塾に通っている本人が、前向きに勉強できているのか。

 そうしたことを、もっと早い段階から見ておけばよかったと思います。

 ただ、最初から「この塾がこの子には合う」と見抜くことも、実際には難しいものです。

 我が家も、SAPIX、早稲田アカデミー、ena国際部と移り、
そのたびに「何が合わなかったのか」「次は何を求めるのか」を考えてきました。

 そう考えると、大切なのは最初から正解の塾を当てることではなく、
子どもの様子や受験の方向性が変わった時に、
「今の塾は、この子に本当に合っているだろうか」と立ち止まって考えることなのかもしれません。

 塾を変えることには迷いもありましたが、
我が家の場合、その都度見直したことが、最終的には息子に合った環境にたどり着くことにつながりました。

 塾選びとは、子どもを塾に合わせることではなく、
その時々の子どもに合う環境を探し続けること。

 遠回りをして、最後にたどり着いたのが、
我が家にとっての「塾選び」の答えだったように思います。

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