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week 2.有機農業のあやふやさ


1.はじめに

僕はJAS認証を取得していた奈良県の農業法人に5年勤めていました。年間20~30品目の野菜を約1haの露地、約4haの露地、標高300~400mの中山間地で作っていました。栽培管理を担当し、ハウスの葉物や露地の人参キャベツレタス白菜などを主に担当していて、5年目の担当面積は2.5haほどになってました。

一方で、自営の直売所が主な出口でJAには出荷しておらず、生産流通販売まで行っていたのも特徴です。他に教育部門もあったりして、教育系のプログラムを担ったり、その他部門の社員さんたちに休日手伝ってもらう援農企画みたいなことをしていました。

個人的に農業系の研修にも参加し、中でも神奈川の有機多品目の法人さんのアグリスクールに通い、そこで基本的な栽培理論を学びました。農の暮らし、複業立案、起業支援、学生向け農業研修などいろいろ受けました。

このような背景のもと、僕が感じた有機農業の価値を言葉にしてみたいと思います。が!そもそも有機農業ってなんなのか、考えてみたいと思います。

2.国や世界の定義

有機農業推進法や農林水産省によると
1.化学的に合成された肥料や農薬を使わない
2.遺伝子組み換え技術を使わない
3.農業生産による環境負荷をできる限り低減する

だそうです。この場合、必ずしも有機認証取得が条件には入ってないので、商品における有機の表示に制限はあっても、有機農業をしてます、という証明や容認は思った以上にそれぞれの考え方に委ねられるのかもしれません。

さらにこの同ページにコーデック委員会のガイドラインは
「有機農業とは生物の多様性、生物的循環及び土壌の生物活性等、農業生態系の健全性を促進し強化する全体的な生産管理システムである」
としてるみたいです。
コーデックとはなんだ?と思って調べてみると国際農業食糧機関(FAO)と世界保健機関(WHO)によって1963年に設立された食品の国際基準を作る政府間組織だそうで。設立目的が消費者の健康保護、公正な貿易取引にあることから、農業に本腰があるかは微妙かもしれません。
いずれにしても、なんかぼやっとしてます。

3.有機農業研究会が示すもの

一方でぜひ紹介したいのがこちら、有機農業研究会。

https://www.1971joaa.org/

たくさん興味深いことが書かれてますが、着目したいのは「有機農業に関する基礎基準2000」ここでは10個、有機農業が目指すものが記載されています。「地域自給」「生産者と消費者の提携」など全体的に文化や社会など、対自然だけでなく対人間、人の営みも包括して書かれているのが特徴的です。

余談ですが、この「生産者と消費者の提携」はCSAの取り組みに近しいものがあり、有機農業とCSAに深い繋がりがあることがうかがえます。この話はまた別の機会に。

会として基準を決めることについては、さまざまな議論がありました。有機農業はそもそも自由で自在なものであり、栽培方法についても地域条件や作目、経験などによって細かな点ではそれぞれ違います。理念も目的も、農法についても生き方や暮らし方、哲学の現れであり、多様であるからです。

基礎基準の性格と特徴、という箇所でこのような一文がありました。とても同感です。時代が変わるにつれて、栽培技術はアップグレードされて、人の価値観も変わります。一定の型や枠は必要ですが、それに囚われず変化していける柔軟性や強さも求められるでしょう。この性格は慣行農法より有機農法のほうが強く求められると思うし、これが面白い、価値の一つだと思う。

他にも読んでいくと、たぶん江戸時代や戦前ぐらい昔は今でいう有機農業は当たり前で、さらに地産地消も同じ。それが市場流通の拡大で生産地から離れた場所でも入手できるようになり、誰が作ったかが不明瞭になっていった。大量生産消費の波もあり畑は工場っぽくなり文化的側面が薄れた、それを支えるのに適するは慣行農法で、当時はベストだった。対照的にレアとなった有機農法は立場が苦しく生きていけない、認証という形で保証をせざる得なかったのかもしれない。

けど、最近はいろんな問題が出てきて、豊かさの基準も変わって、やっぱり有機農業とか人の繋がりとか、昔あったあり方に学べないのかなって流れなのかも。

4.もっと活きる有機農業のあり方を

調べると他にもたくさん考え方や定義があります。
減農薬、無農薬、自然栽培といった領域と有機農業も近しいし、捉える位相によってはほぼ同じかもしれません。有機認証機関は複数存在していて、年一回の検査があるのですが、その基準が厳しいところそうでないところがある、というのもよくある話。形骸化させずもっと中身の詰まった、みんなが取り組みたくなるような意義ある有農農業とは何か、考えていく必要があります。これは決して農家の話ではない。人が生きるうえで必要な食が生まれる場、誰もがちょっとでも自分事として携われるといいなと思います。

来週は除草剤と草刈りを切り口に有機農業と慣行農法の比較について考えてみます。

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