【第2話】中学野球は力じゃない。技術だ。
「…これが、グフ・カスタム。なんかかっこいいかも」
「だろ?グフは浪漫。グフ・カスタムは機動性重視。ただのグフとは違うのだよ、グフとはな!」
「それ、ザクでしょ?」
今日もガンダムネタからリハビリがスタートしていた
「…で、ぺぇさん。結局何でガンプラが宿題なの?」
「”伸び”と”キレ”のため。」
「!…ガンプラで強化出来るの?」
「出来る。野球少年なら”メジャー”は読んだでしょ?」
「吾郎君が左利きに変えた時にガムシャラに左手を使える様にしてた…あれが必要」
「ただ、吾郎君の場合は利き手を変えたかったから。〇〇君の場合、繊細な感覚と動かしやすさ…すなわち巧緻性を強化しないといけない。」
「ガンプラで”伸び”と”キレ”か…面白そう!ボール投げられなくて退屈だったしね」
「ねぇぺぇさん、”伸び”と”キレ”って結局何なの?打たれにくいボールの回転ってぐらいしか分からないんだ」
「よし。じゃあそこから話しようか」
【超カンタン解説】
ピッチャーの「伸び」と「キレ」って何?
ピッチャーが投げるボールの「伸び」と「キレ」は、バッターが「うわっ、打ちにくい!」って感じるボールのこと。見た目も、バッターへの影響も違う。
★「伸び」ってこんな感じ!
「伸び」があるボールは、特にストレートで言われる。
【バッターから見ると…】
「ボールが思ったより沈まないで、手元でフワッと浮き上がってきたぞ!?」っていう感覚
だから、バットの芯に当たらず、空振りしたり、ボールが詰まりやすい
【なんでそうなるの?】
ボールには「バックスピン」がかかる。この回転がしっかりかかると、空気の力でボールが持ち上げられる。
その力が強いと、重力で落ちるのを抑えられて、バッターのところまで「グーン」と伸びてくるように見える。
あとは、投げた直後の速さが、バッターの手元に来るまで、あまりスピードが落ちないボールも「伸びがある」って言われる
★「キレ」ってこんな感じ!
「キレ」があるボールは、ストレートにも変化球にも言われる。
【バッターから見ると…】
「ヤベッ! 今、まっすぐ来ると思ったら、急にグイッと曲がった(or沈んだor浮いた)!」って感じるんだ。
だから、バットの芯に当たらず、空振りしたり、見逃し三振になったりする。
【なんでそうなるの?】
これは、ボールの「回転の方向」や「回転の軸がちょっとズレている」ことが原因。
変化球の場合:
ボールに斜めや横、下向きの回転がかかると、空気の抵抗を受けて、予測できないほど鋭くカーブしたり、落ちたりする。
ストレートの場合:
まっすぐに見えるストレートでも、ピッチャーの指の感覚や、ボールの縫い目のかかり方で、ごくわずかに不規則な動きをすることがある。それが、バッターから見ると「キュッ」と動いて、ボールが消えたように見えたり、急にズレたりする。
まとめると、こんな感じ
「伸び」: まっすぐのボールが、重力に逆らって「フワッと浮き上がって、減速しにくい」感覚!
「キレ」: ボールがバッターの手元で「急にグイッと、鋭く変化する」感覚!
どっちも、バッターにとっては「打ちにくい!」「予測できない!」と感じさせる、ピッチャーの特別な武器!
そして…
「伸び」と「キレ」に
「指先の器用さ」が重要な訳
ピッチャーが投げるボールは、最後に指先から離れるほんの一瞬の「離れ方」で、そのボールの性格が大きく変わる。この「指先でボールをどれだけ繊細に、思い通りに操れるか」が、「手の巧緻性」、つまり「指先の器用さ」。
ピッチャーの「伸び」と「キレ」は、腕の力やフォームも大事だけど、最終的には「指先の器用さ」という繊細な技術が、ボールに命を吹き込んでいる
「…と言う訳。」
「なるほど、だからガンプラ。」
「そういう事。本当はボールを投げて感覚を養いたい所だけど、今は投球禁止。指の巧緻性も筋トレと一緒で放っておくと”伸び”と”キレ”が落ちる」
「だから、指先をしっかり使いたい!」
「分かった!グフ・カスタム…完璧に作ってみる!でも…」
「それだけで140km…ならない…よね?」
「ならない。だから、肩のリハビリと併せて徹底的に下半身と体幹、胸郭…そして連動性を上げる。」
「…連動性!?」
投球障害の場合、基本的には下半身と胸郭(肋骨周り)の柔軟性を上げよう、体幹と下半身の筋力を鍛えよう、肩の可動域を整えよう…
というのがセオリー
もちろん、彼に対してそこはアプローチをしている
だが、このセオリーは【治す】事が前提であり、球速アップの土台にしかならない
そこで、この土台から成長させるには【連動性】に着目する必要がある
確かに筋力でカバーは出来る
しかし、中学生で筋力向上は非効率且つ怪我発生のリスクがある
「ねぇ、ぺぇさん…連動性って何?筋トレじゃだめなの?」
「今の君に筋トレじゃダメ。連動性こそが“球速を上げる本質”なんだ。ここから少し難しい話になるけど──興味ある?」
野球少年が知っておきたい「連動性」の秘密
中学生で140km/hという壁に挑むための、“連動性”の正体とは――?
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