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私の推し学参「国語便覧」


前回の小学国語辞典に引き続き、今回も学参ネタです。
そして今回取り上げるのは、昨年大バズリした学参(学習参考書)!「国語便覧」です。
「国語便覧」とは国語の資料集のようなもので、高校生の副教材として基本は教科書と一緒に配布されるものですが、これが昨年から突然、お客様からのお問合せ・注文が激増したのです。

きかっけは昨年SNSで話題となった第一学習社『カラー版新国語便覧』。
この国語便覧の中で『文豪とアルケミスト』『文豪ストレイドッグス』が取り上げられていたり、『刀剣乱舞』『FGO』等ソーシャルゲームの副読本としても国語便覧は役に立つ、といった内容の投稿がきっかけでした。
けれど社会現象となるほどのヒット商品になったのは、「(大人の)学び直し本として使える!」と認知されてからです。情報量のわりにコスパが良い!というのも話題になりました(1冊1,000円程度)。

注目されたのは第一学習社の便覧ですが、こちらは学校で使う教科書や副教材を発行・販売するいわば「学校相手の出版社」のため、書店にはほとんど商品を卸していません。
そのため、こうした出版社の商品を一般の書店で注文する場合、到着まで時間がかかる・問題集の場合は解答が付かない・注文キャンセル不可など制限がかかることが多いです。
※学校から出版社へ注文する場合には、こうした制限はありません。

という流通上の事情から、私の働く書店では一般販売用に作られている数研出版『プレミアムカラー国語便覧』を仕入れることにしました。
数研出版もまた教科書や副教材を発行していますが、数学の「チャート式」をはじめ一般販売用の参考書・問題集も多く発行しています。
出版社がちがうため、見せ方や特集などにちがいはあるものの、高校国語に必要な情報は網羅しているので、内容は大きく変わらないと思います。


私も高校時代、学校から教科書と一緒に国語便覧が配布されましたが、1年生の時は古典の授業でちょっと開くぐらいであまり読むことはありませんでした。
ですが2年の現代文の時間、授業で「舞姫」を読んだ時、

「…豊太郎、というか森鴎外、ちょっとクズすぎやしないか??」

と思い、森鴎外のページを開いてみたことが便覧にハマるきっかけでした。
当時の便覧は今みたいなカラー版でもなく記述も固かったけれど、

「太宰…死神みたいなヤツだな…」
「啄木…真面目そうな顔してヒドイなこの人」

便覧は文豪のネガキャンか?!ってくらいおもしろかったのを覚えています。こんな不謹慎な読み方ではありましたが、いろいろな作家や作品の解説がみっちりと書かれていたので、作品は読んでいないけど、作家名と作品のあらましだけはまあまあ知ってる、という感じでした。そのおかげで学校の成績は真ん中より上はなんとかキープしていましたし、何より今の仕事、書店での仕事で役に立っています。

話を少し戻すと、国語便覧はいわば「国語の攻略本」なので

「国語は苦手!中学、なんなら小学校の時から苦手!」

の高校生こそ読み込むといいぞ!と私はすすめます。
高校の国語参考書って、もう入試問題にフォーカスしたものがほとんどなので、
「1年生でやる「現代の国語」レベルの参考書が欲しい」

となるとこれが案外参考書選びが難しい。
教科書ガイドが発行されているものもありますが、国語の苦手な子がこれ読んで分かるのかな…といった詳しさというか細かさ。
価格も1冊3,300円するので、高校生にはちょっとすすめづらい。
なので、中学生用の国語参考書をすすめるとともに、
「学校で国語便覧をもらってるなら、それを読み込んだほうがいい」
と答えています。

先述したとおり、今の国語便覧は第一学習社にしろ数研出版にしろ、フルカラーでおもしろく読める工夫がされているので、テストで出る範囲だけでも頑張って読んでおけ!と言いたい(笑)。
あと、社会に先に出た者として言わせてもらうと

「教養として、国語は絶対大切」

そりゃ10代では国語便覧より国語の授業より、おもしろいコンテンツはたくさんあるしそちらに時間を割きたいと思うのは、よーくわかります。
でも、「つまらない」という理由だけで国語の知識を貯めないでおくと、
社会に出てから静かに線を引かれることが、ままあります。
夏目漱石の小説のフレーズや、「山月記」がどんな物語か知らないということで、話に入っていけなかったり「あの人には教養がない」とカテゴライズされてしまったり。
逆にそういう中学~高校程度の国語の知識を持っていると、仕事やそれ以外でもその知識はあなたを助けてくれると思います。
私など本屋に勤めているだけで、「なんか知的」という印象を持たれているくらいですから(実際はそうでもないのに!)、まだまだ「国語」という学問の武器はいろいろ役に立つと思うのです。
それも学生時代に、国語の教科書と便覧を読み込むのがコスパ・タイパとも最高だと思います。

もちろん、大人になってからこそ読むおもしろさもあります。
大河ドラマの副読本として(「光る君へ」「べらぼう」ファンの方)、
現代作家も多く載っているのでブックガイドとしてもおすすめです。
これから書店で働きたい!と思ってる方もぜひ。

次回の投稿は5月1日予定です
(来週、再来週はお休みします)



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