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【犬の歯周病】歯茎の赤みや出血は危険サイン?悪化を招く「オレンジコンプレックス」とは


愛玩動物看護師、そしてOCEPアニマルオーラルケアアドバイザーとして過去の記事では、最凶の歯周病菌チームである「レッドコンプレックス」のお話を書いてきました。

コンプレックスとは、一言でいえば「仲良しチーム」のことです。 レッドコンプレックスの中でも特にタチが悪いグラエ菌も確かに厄介ですが、彼らは他のレッドコンプレックスの菌たちと手を取り合うことで、さらに凶悪さを増します。

歯周病菌におけるレッドコンプレックス、オレンジコンプレックス、その他ブルーコンプレックスやグリーンコンプレックスいついてピラミッド形式で成り立っていることを表した画像
この画像の説明は正確性に欠けているのであくまで色の改装のイメージ程度にとどめてください。

そして、お口の中にいきなりレッドコンプレックスが現れるわけではありません。 まず、画像のピラミッドでいう所の土台(ブルー、グリーン、パープル、イエローなどの各コンプレックス)が繁殖し、次に「オレンジコンプレックス」が活動できる環境を作ります。そこでオレンジコンプレックスたちが活発に活動して初めて、最凶の「レッドコンプレックス」が活動できるようになるのです。

今回は、この重要な土台となる「オレンジコンプレックス」についてお話ししたいと思います。


オレンジコンプレックスを構成する厄介なメンバーたち

レッドコンプレックスという最凶のチームを招き入れるための土台を作る、オレンジコンプレックス。彼らはいったいどのような菌たちなのでしょうか?

ここでは、オレンジチームの中でも特に代表的で、お口の中で厄介な働きをするメンバーを(一部)ご紹介します。

1. フソバクテリウム(Fusobacterium)

【役職イメージ】冥界の召喚士

歯周病菌のフソバクテリウムの擬人化したイメージ画像細長く尖った形という特徴を、「異常なほど長身で、ひょろりとした痩せこけた体型」と、彼が持つ「不気味に捻じれた、細長い杖」で表現杖には、生物学的特徴である「線毛(せんもう)」を模した、「不気味に光る無数の細い糸」として落とし込んでいる
  • 生物学的特徴: 両端が尖った細長い形(紡錘状)。様々な細菌と結びつく「共凝集」の要。

オレンジコンプレックスの中心的な存在であり、一番のトラブルメーカーです。 この菌は細長くてネバネバした性質を持っており、初期に住み着いたおとなしい菌(ブルーやグリーンなど)と、後からやってくる凶悪なレッドコンプレックスの菌たちの「両方」にくっつくことができる特殊な能力を持っています(重要)。 彼らが歯垢の中で足場を固めることで、他の様々な悪玉菌が集まりやすくなり、一気に強固な「歯周病菌の要塞」が築かれてしまいます。
研究結果により、この菌が増えると口腔内で検出される細菌の種類が増加する事や、人の場合の研究では大腸がんの発症とも密接に関係していることがわかっています。
また、とにもかくにも強烈な口臭の原因菌だったりします。歯周病予防においてこの菌はとても重要。

2. プレボテラ・インターメディア(Prevotella intermedia)

【役職イメージ】狂乱の吸血鬼貴族

歯周病菌のプレボテラ・インターメディアを擬人化したイメージ画像黒色色素産生」「嫌気性」「歯周病菌」という特徴をアニメ調のビジュアルに落とし込んでいる
嫌気性であることを示す「日傘(酸素を防ぐシールド)」をさしている。グラスに入った赤い液体(血液・ホルモン)を優雅に飲んで力を蓄えている。
  • 生物学的特徴: グラエ菌と同じく黒色色素を作り、鉄分(血液)を好む。特に女性ホルモンを栄養にするため、妊娠中やホルモンバランスが崩れた時に大暴れして強い歯肉炎を起こす。

黒色の色素を作り出す特徴を持つ、非常に厄介な菌です。 この菌の最大の特徴は、鉄分(血液)を大好物としていること。そして、女性ホルモンなどを栄養にして爆発的に増殖する性質を持っています。妊娠された方は病院で歯周病に気を付けるように言われたり、出産時にひどい歯周病に悩まされた経験がある方もいると思います、これはこの菌が女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)を栄養源として増殖する歯周病菌なためです。主に妊娠中や思春期、生理前など、女性ホルモンの分泌が活発になる時期に口腔内で増加し、歯周病や歯肉の炎症を引き起こしやすくします。、少しでも歯肉(歯茎)に出血があると、その血液をエサにして大暴れし、さらに強い歯肉炎を引き起こすという悪循環を生み出します。

3. カンピロバクター・レクタス(Campylobacter rectus)

【役職イメージ】毒鞭(どくむち)の暗殺者

カンピロバクター・レクタスを擬人化したイメージ画像カンピロバクター・レクタスの生物学的な特徴(鞭毛、運動性、毒素、免疫細胞攻撃)をファンタジーとサイバーパンクの要素へ翻訳し、詳細なビジュアルに落とし込んでいる
  • 生物学的特徴: 一本の長い鞭毛(べんもう)を持ち、活発に動き回る。白血球(免疫細胞)にダメージを与えて機能を低下させる毒素を出す。

食中毒で有名なカンピロバクターもオレンジコンプレックスの一員です。歯周病菌としては実は脅威度は下がります。
活発に動き回ることができる菌で、毒素を出しながら歯周ポケットの奥深くへと入り込んでいきます。彼らが動き回って毒素を出すことで、歯肉の炎症がさらに広がり、オレンジチーム全体の勢いが増してしまいます。

彼らが揃うと、お口の中はどうなる?

これらのオレンジコンプレックスの菌たちがチームを組んで活発に動き出すと、犬の歯肉にははっきりとした「赤み」や「腫れ」、そして「出血」という症状が現れ始めます。

彼らの目的は、自分たちの居心地の良い環境(酸素がなく、栄養となる血液が豊富な場所)を広げ、最終的にレッドコンプレックスを迎え入れるための完璧なステージを完成させることです。

「ちょっと歯茎が赤いかな?」「少し血がにじんだかな?」 それは、まさにこのオレンジコンプレックスたちが勢力を拡大し、レッドコンプレックスを呼び寄せようとしているサインなのです。

いかがでしたでしょうか? 菌たちをキャラクター化してみると、お口の中で彼らがどんな悪だくみをしているのか、少しイメージしやすくなって頂けてましたら幸いです。

レッドコンプレックスが本格的に暴れ出す前に、出来るケアを続け、彼らの足場をしっかり崩していきましょう。

犬の歯周病、オレンジコンプレックスのフソクバクテリウムがグラエ菌を呼び寄せている様子を擬人化した画像で説明している

レッドコンプレックスを呼び出される前に何とかしたい所ですね。


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