ものづくり系コンサルが薦める本 Vol.6 「キーエンス解剖 最強企業のメカニズム 西岡杏著」
✔ キーエンスの「価値を生み出す」仕組みを日経ビジネス記者が解説
✔ キーエンスの経営理念「「最小の資本と人で、最大の付加価値を
上げる」メカニズムを理解できる
✅キーエンスはどういう会社か?
工場で使われるファイバセンサや光電センサのような各種センサをはじめ、測定器、画像処理装置、寸法測定器など、ファクトリー・オートメーションに関わるソリューションを提供する会社(B2Bビジネス)
日本を代表する超優良企業
[23年度]売上/約1兆円 営業利益率/約50% 自己資本率/約95%時価総額ランキング 第4位(約15兆円)
平均給与は2000万円超え
それでは、最大の付加価値を上げるメカニズムを見ていきましょう。
✅優秀な営業マンに育て上げるメカニズム
1.毎日の商談ロールプレイング
上司と部下、同僚同士が2人1組、営業役、顧客役に分かれて、ほぼ毎日商談ロールプレイングを行っている。毎日ですよ、毎日! 部下が上司に指摘することも全然OKだそうです。
ロールプレイングの台本は販売促進部が用意する。これをベースにロールプレイングを繰り返すことで顧客の属性、立場に応じた応用力を磨き上げていく。
2.効率的かつ大量の営業活動
営業マンの行動予定は週2日/社内日、週3日/社外日と決まっている。
社内日では1日30~80本のアポ取り電話し→社外日で1日5~10件の顧客訪問をこなす。
1日5件未満だと外出許可がでないほど徹底している。
3.営業活動を徹底分析
「電話の発信数」「商談数」「商談に関わった人数」「訪問者数」など数十個の営業プロセスのKPI(評価指標)を設定しデータ化
自分の活動の数値を過去や他人と比較することで、自分の活動を定量的に分析、改善することができる。
4.顧客の潜在ニーズを吸い上げる仕組み
「(顧客が声に出す)ニーズの裏にあるニーズは何か、確認すること」、よく上司から言われるそうだ。
営業マンはよく顧客に「なぜそれが必要か?」を繰り返し聞くことで顧客自身も気づかない潜在ニーズを掴む。
そのような潜在ニーズは「ニーズカード」に纏めて、最低月1件以上報告する流れとなっている。
✅顧客の期待を超える商品を開発するメカニズム
1.商品開発思想
売上高から原価を引いた「粗利」を8割にすることが大前提
原価低減も頑張るが、それ以上に顧客の作業時間をどれだけ削減できるか、工数をどれだけ減らせるか、などの顧客の付加価値を上げることに重きを置いている。
「顧客が(口に出して)欲しいというものはつくらない」「顧客の潜在的な需要に応える商品やサービスを作る」、ことにこだわっている。
2.商品企画部門の役割
商品企画部門は営業や開発部門のベテランから抜擢
企画部門担当者が営業から提出された「ニーズカード」を丹念に確認しながら開発構想を練り上げる。
担当者はターゲットとなる顧客30社ほどに単身乗り込み、企画中の商品への評価を直接確認する。
企画書には「ターゲット顧客30社にヒアリングしたところ20%が購入見込みあり。全国では2000社がターゲットとなるので、売上と利益はこれくらいになりそうだ」とファクトベースで売上/利益計画を報告する。「この商品でシェア〇%拡大します!」という意気込みだけの説明はご法度!
✅「即納(当日出荷)」へのこだわり
FA(ファクトリーオートメーション)業界で全商品即納体制を敷いているのはキーエンスだけ
1500万円もするマイクロスコープのような高額商品まで即納!
製造業では一般的には「在庫は削減」するものである。しかし、キーエンスでは、「キーエンスならすぐに持ってきてくれる」というブランドを死守することで、商品の売値を維持でき、それが長期的な利益をもたらしてくれるものと考える。
コロナ禍でも即納体制が危うくなったが、社内外100人近い関係者を総動員して部材調達や安定供給に奔走した。
キーエンスはファブレス。協力工場とWin-Winな関係を構築している。
協力工場には「1年分の買い付け保証」、「短納期には割増料金、残業代をきっちり支払う」、短い支払サイト、作業者の改善要望も真摯に対応などのケアをしっかりしている。これがコロナ禍など有事の際に優先対応してもらえる関係につながっているのではと思われる。
✅この本で学んだこと
成長する企業には社員に浸透する理念と成長させるメカニズムがありますね。
日本市場は人口減で成長するのは難しい、と言われて久しいですが、キーエンスのようにメカニズムを日々磨き上げれば、まだまだ成長する企業はあるのではないでしょうか?
「過去はこうだったから」「いままでのやり方でやってください」「それは難しんじゃない(根拠ないけど)」、こんなフレーズが普段の会話に普通にでてくる社風では当然衰退するしかないですよね。前職がそうでした。。キーエンスと同業ですが、キーエンスに顧客を獲られまくっているようです。。残念っ!
