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「やさしいふり」が手放せなかった心の奥

「いいよ」
「全然、大丈夫」
「気にしてないよ」


そんなふうに言うわたしは
いつも、ちゃんと笑っていた。
でも、本当は違った。

笑ってなんかいなかった。
声を殺して、自分を押し殺して
「ちゃんとした ”わたし”」
演じていただけだった。

それが、わたしの“生き方”だった――

……いや、ちがう。
あれは
わたしなりの“静かな反抗”
だったのかもしれない。


わたしは、静かに反抗していた。
「優しくあること」を選びながら
本当はずっと、何かに逆らっていた。

それは社会の空気かもしれないし
親の期待かもしれないし
“こうでなきゃ”という
見えないルールかもしれない。

表面上は、ただのおとなしい人。
けれど内側では、
ちゃんと「わたし」が
必死に抵抗していた。


なぜ、そんなふうに生きてきたのか。

それは――
「自分を守るには
“いい人”でいるしかなかった」
から。

子どもの頃から
怒られないように
嫌われないように
はみ出さないように
“正しい反応”を選び続けてきた。

少しでも変わってると、浮く。
わがままを言うと
「自分勝手」と言われる。
泣くと、めんどうくさいと
思われる。

そうやって
「感情よりも、まわりへの気づかい」を
優先してきた。
それが、わたしの”生き方”だった


でも、本当はずっと
言いたいことを
言えなかった。

傷ついたって伝えられない。
しんどくても、笑ってごまかす。
「わたしばっかり…」って思っても
それを言った瞬間に
わたしは“悪者”になる気がした。
だから――
黙ることで、反抗してた。
わかってもらえないなら



「もう何も言わない」



あるとき、仕事で上司に
無理な指示をされた。
本当は無理だと伝えたかった。
でも言えなかった。

「できます」と笑って答えた。
帰り道で涙が出た。
それでも
「あの人も忙しいし、仕方ないよね」と
自分に言い聞かせた。

別のときは
友達のグチをずっと聞いていた。
本当はわたしの方がしんどかった。
でも、「わたしの話なんて
聞いてもらえないだろうな」と
思って、黙った。
そして笑って
「うんうん、大変だったね」と返した。

そんな場面が
わたしの中にはいくつもある。
口では従いながら
心では抵抗していた。

「わたしは、それに納得していない」
そう言いたかった。
でも、言えなかった。
だから、わたしの沈黙が
わたしの抵抗だった。


わたしの中にあった
「静かな反抗」は
見た目にはやさしさだったかもしれない。

でもその実態は
自分を見失わないための
“抵抗のかたち”
だった。

だから今はもう
あの頃のわたしに こう言いたい。

「よく耐えたね」
「黙ってたけど、本当はちゃんと
声を上げてたんだよ」
「それが、あなたなりの
やり方だったんだよ」


もし、あなたも
笑いながら苦しかったことが
あるなら
やさしくすることで
自分を守っていたなら

それは
あなたの中の“静かな反抗です。
“やさしすぎる わたし”を
責めないであげてください。

だれにも理解されなくても
あなたはちゃんと
自分を守っていた。

声を上げられなかったことも
言えなかった言葉も
「あなたがあなたを
大切にしてきた証」
です。


わたしが沈黙していたのは
感じすぎていたから。
わたしが笑っていたのは
ほんとうは泣きたかったから。


それでも生きてきた。


だから、もう大丈夫。
これからは
「わたしを選ぶ」反抗をしていい。



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