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【EOS R × RF16mm F2.8 STM】広角1本で挑む、筥崎宮あじさい苑。

難しさを楽しむ「接近戦」のススメ

皆さんは梅雨の季節、どんなレンズを持って撮影に出かけていますか?

初夏の風物詩でもある筥崎宮(筥崎八幡宮)のあじさい苑へ行ってきました。 色とりどりのアジサイが本当に綺麗に咲き誇る場所です。

アジサイの撮影といえば、一般的には中望遠レンズで背景を大きくボカすか、マクロレンズで花弁(正確には装飾萼ですね)をクローズアップするのが王道。
ですが、今回私がカメラバッグに入れたのは、驚くほどコンパクトなこの組み合わせだけでした。
ボディ: Canon EOS R
レンズ: RF16mm F2.8 STM
「16mmの超広角レンズ1本だけでアジサイを撮る」という、ちょっとした自分なりの実験(縛りプレイのようなものです)をしてみたので、そこで気づいた広角の難しさと、このレンズの面白さについて、等身大のレポートをお届けします。

1. 広角レンズ(単焦点)の難しさってどこにある?
広角レンズ、特に16mmくらいの大広角になると、「扱いが本当に難しいな……」と痛感させられます。ズームができない単焦点ならなおさらです。 いつもぶつかる壁は、主に次の3つでした。
①「余計なもの」がどんどん写り込む画角が広すぎるので、自分が「あ、このアジサイ素敵だな」と思ってカメラを構えると、周囲の看板や通路、他の観光客の方々まで、意図しない情報(ノイズ)が画面にたくさん入ってきてしまいます。
②主役のアジサイが小さくなってしまう自分の目で「綺麗だな」と見つめている感覚のままシャッターを切ると、写真の中ではアジサイがびっくりするほど遠くに、小さく写ってしまいます。
③広角レンズ特有の、遠くのものがより遠くに見えるマジックですね。「とりあえずズームしてトリミング」ができない単焦点なので、思い通りの大きさにするには、自分の足と身体を動かすしかありません。一歩の距離感が写真にダイレクトに影響します。

2. 視点を変えて、広角レンズを味方につける方法
この「何が主役か分からない写真になってしまう問題」をクリアするために、私が意識したのが「極限まで近づくこと」と「背景をコンテキスト(文脈)として使うこと」でした。
文章を書くときに「一番伝えたい事実」を真ん中に据えるのと同じように、写真でも「このアジサイを見せたい!」という意思表示をはっきりさせる必要があります。広角レンズでそれをやるためのシンプルな解決策が、「主役に思い切り近づいて、画面の中での存在感を強制的に高める」ということでした。 そして、広い背景をただの「余白」にするのではなく、「あじさい苑の賑わいや、梅雨の空気感」を伝えるための背景(コンテキスト)として主役の後ろに配置していくイメージです。

3. 筥崎宮あじさい苑での実際の工夫
今回は変にカッコつけて地面から見上げるようなローアングルは狙わず、いつもの自分の目線・いつもの構えのまま、ひたすら「接近する」というアプローチに徹してみました。
◎ 「超広角マクロ」としてアジサイの懐に潜り込むアジサイのクラスター(花の塊)に対して、「これ以上近づいたらぶつかるかな?」というくらい、わずか数センチの手前までカメラを寄せてみました。すると、手前のアジサイは16mmとは思えないほど画面の中で大迫力に写ります。それと同時に、16mmの広い画角のおかげで、背景にはあじさい苑全体の広がりや、奥に咲く他のアジサイのグラデーションが綺麗に収まってくれました。「主役のディテール」と「現場の空気感」が1枚に両立する、まさに広角レンズならではの面白い写真になってくれた気がします。

4. この接近戦を支えてくれる、頼れる相棒「RF16mm F2.8 STM」
今回、この「近づいて撮る」という戦術を可能にしてくれたのは、間違いなくRF16mm F2.8 STMというレンズの物理的なスペックのおかげです。
項目スペック・特徴質量約165g(持っているのを忘れる軽さ)最短撮影距離0.13m(13cm)最大撮影倍率0.26倍このレンズ、最大の強みは「13cmまで寄れる」という点にあります。


センサー面から13cmなので、レンズの先端から被写体までは本当に数センチしかありません。この驚異的な近接能力があるからこそ、超広角でありながら主役を大胆に引き立たせる表現が成立します。F2.8と適度に明るいので、ここまで近づけば背景も硬くならず、ふんわりと心地よくボけてくれます。EOS Rに付けても軽くてコンパクトなので、狭いあじさい苑の通路で「もう少し寄れるかな?」と前後に細かく身体を動かしてピントを微調整する際にも、全く苦になりませんでした。

まとめ:不自由さを楽しんだ先に見えるもの
「16mm 1本だけで撮る」という制約をあえて自分に課してみたことで、最初は画角の広さに翻弄されました。ですが、「一歩踏み込んで接近する」というシンプルなルールを決めて被写体と向き合うことで、いつもとは一味違うアジサイの表情に出会えた気がします。
RF16mm F2.8 STMは、ただ「広い景色を広く撮る」ためだけのレンズではなく、自分から被写体との距離をグッと縮めることで、ダイナミックな世界を見せてくれる「最高の近接スナップレンズ」だと改めて感じました。

もし皆さんの防湿庫にも、あまり出番のない広角レンズが眠っていたら、ぜひ「これ1本だけ」縛りでアジサイの季節に出かけてみてください。いつもと違う距離感でファインダーを覗くと、きっと新しい発見があって楽しいですよ!

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