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育児日記 | 優先席で席をゆずられたこと、ありますか?

ママが妊娠していた、あるいは小さい子連れで電車やバスを利用した際に、席をゆずられたこと、ありますか?

僕の経験上、何回かある。でも、多くはない。

体感で言えば、何もアピールしないと「だいたい譲られない」が正直なところ。
皆さんはどう?
譲られたことがあるとしたら、どれくらいの頻度で? 10回乗って1回? それとも、そもそも一度もない?


電車で見かけた光景

先日、電車に乗った時のこと。

優先席の前に、マタニティマークをつけた妊婦さんが立っていた。
お腹はそこそこ大きかったし、マタニティマークもはっきり見える位置にあった。

優先席に座っている人たちは・・・全員、スマホを見ていた。

誰も、顔を上げない。
誰も、気づかない。(気づかないフリをしている?)

その妊婦さんは何も言わず、つり革をつかんで静かに立っていた。電車が揺れるたびに、空いている方の手でお腹を軽くおさえていた。僕が降りるまでの数駅、その光景は変わらなかった。

僕は子連れだったので席を譲れる状態ではなかったけど、見ていてなんとも言えない気持ちになった。

別に、座っていた人たちが悪い人だとは思わない。たぶん、本当に気づいていなかっただけだと思う。(思いたい。)
でも・・・「気づかない」って、残念なことだなと思った。


数字で見ると、やっぱり・・・

気になって調べてみたら、あるアンケートでは「マタニティマークをつけていても席を譲ってもらったことがない」と答えた妊婦さんが、約45%いたらしい。ほぼ半数だ。

一方で、別の調査では「妊婦さんが立っていたら席を譲りますか?」という問いに、94%の人が「譲る」と回答している。

……94%?

つまり、「譲りたい」と思っている人はほとんどなのに、実際には半数近くの妊婦さんが「譲ってもらえていない」。この意識と行動のギャップは何なんだろうか?

なぜ、譲りたい気持ちがあるのに、譲れないのか。


気づかない、わからない、言えない

まず、さっき見た光景がまさにそうなんだけど、やっぱりスマホ。

最近、電車やバスで座っている人は、ほとんどがスマホをいじっているか、イヤホンをしている。寝ている人も結構いる。そして、乗ってきた人の顔なんて見ない。優先席であっても、目の前に誰が立っているか気づかない。悪意じゃなくて、構造的に「見えなくなっている」のだと思う。

次に、「この人は本当に席が必要な人なのか」問題。

優先席に座っている人の中には、見た目ではわからない障害や持病を抱えている人もいる。内部障害、精神疾患、術後の回復中・・・外からはまったくわからない。だから「なんで譲らないんだ!」と心の中でイライラしてしまうのも、それはそれでどうなのかなと思ってしまう。座っている人にも事情があるかもしれない。その判断は、外からは本当に難しい。

そして、「声をかける勇気がない」。これも大きいんじゃないかと思う。席を譲ろうとしたら断られた、という経験を持つ人もいると聞く。「年寄り扱いするな」とか「大丈夫です」と言われて、恥ずかしい思いをしたと。そうなると、次に声をかけるのは怖くなる。

譲りたい気持ちはある。でも気づかない。わからない。言えない。

この3つの壁が、「94%の意識」と「45%の現実」のギャップを生んでいるんだと思う。


妻が妊娠していた時、僕がやっていたこと

妻がお腹の大きかった時期、電車やバスに乗る時は優先席に近いドアから乗るようにしていた。席が埋まっていたら、僕から「妊婦がいるので席を譲ってください」と声をかけていた。

正直、毎回ちょっと勇気がいることだった。
勇気というか、気合?

声をかける瞬間、周りの視線も感じる。「なに偉そうに言ってるんだ」と思われるかもしれない、とか考える。でも、声をかけると、だいたい譲ってくれた。「あ、すみません、気づかなくて」「どうぞどうぞ」と言って立ってくれる人がほとんどだった。嫌な顔をされたことは、記憶にある限り一度もない。

そう、気づけば譲ってくれるのだ。やっぱり問題は「気づくかどうか」「気づいてあげられるかどうか」なんだと思う。

お腹が目立つ時期は、優先席じゃなくても比較的譲ってもらえることが多かった。見た目でわかるから、気づいてくれる人がいた。

問題は、まだお腹が小さかった時期だ。

マタニティマークをつけていても、気づいてもらえない。妊娠初期こそつわりがひどくて座りたい時期なのに、外見では妊婦とわからない。マークの存在自体を知らない人もいるのかもしれない。
妊婦さんはこれくらいの時期が、一番つらいだろうなと思う。


優先席に座るなら、顔を上げてほしい

僕は、優先席に座ること自体が悪いとは思っていない。空いていれば座っていいし、疲れていれば座っていいと思う。見えない事情を抱えている人もいると思う。

ただ、もし自分が健常者で、優先席に座っているなら。

ドアが開いたら、スマホから顔を上げてほしい。

駅に着いて、ドアが開いて、誰かが乗ってきた時。ちらっと見るだけでいい。マタニティマークがないか。杖をついていないか。小さい子どもを抱えていないか。

それだけで、救われる人がいる。

「譲りたい」と思っている人が94%もいるなら、足りないのは気持ちはもちろんだけど、「気づく仕組み」も必要なんだと思う。
スマホから顔を上げる。それが、一番シンプルな仕組みだ。


僕だって偉そうなことを言える立場じゃない。結婚して子どもを授かる前、自分がどれだけ周りを見ていたかと聞かれたら、正直あやしい。
自分では普段、優先席には座らないようにしているし、普通の席に座っていても気を遣っている方だと思っているけど、座ってスマホをいじっていることもある。

でも、今は妊婦さんがどれだけしんどいか知っているし、小さい子どもを連れて移動することが、どれだけ大変かも分かっている。
知ってしまったから、もう知らないふりはしない。

だから僕は"譲る側"の人でありたいと思う。


後日談。

この原稿を書いて、まだアップする前の日。
長男と満員電車に乗った。

たまたま優先席付近に乗り込んだのだけど、座っていた男性が息子に座らないかと声をかけてくれた。

長男はもう小学3年生。席を譲ってもらうほどの歳ではないと思っているので遠慮したが、やはりこういう心優しい人もいるのだなと思い、こちらもなんだか嬉しい気持ちになった。

こういう優しさの循環みたいなものが、今の世の中には必要なんだろうと思う。

モダン・パパ

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