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加藤訓子プロデュース MUSIC DAY IN KANAGAWAメタ・クセナキス

加藤訓子(演奏・監修)
中所宜夫(能舞)
中村恩恵(ダンス)
IX Percussion α(打楽器)
悪原至・青栁はる夏・齋藤綾乃・篠崎陽子・敦賀朝香・戸崎可梨 富田真以子・濱仲陽香・古屋千尋・細野幸一・三神絵里子・横内 奏
(※出演者のお名前に誤りがありましたので、修正しました)

ヤニス・クセナキス Iannis Xenakis (1922-2001)
◯ルボン Rebonds a, b. (1987-89)
中所宜夫(能舞) + 加藤訓子(パーカッション)

◯プレイアデス Pléïades (1978-79)
IX Percussion α
I. Mélanges - mixtures(総合)
II. Métaux - metals - sixxens(金属)
III. Claviers - keyboards(鍵盤)
IV. Peaux - skins(太鼓)

◯プサッファ Psappha (1975)
中村恩恵(ダンス) + 加藤訓子(パーカッション)

《ロビー・パフォーマンス》
◯オコ Okho(1989)
齋藤綾乃・濱仲陽香・細野幸一

加藤氏プロデュースによるクセナキス・プログラム。加藤氏ソロと能舞・ダンスとの協働二作品の間に、加藤氏の監修、若手奏者の演奏による「プレアデス」を挟む。開演前の「オコ」のロビー・パフォーマンスは、指示通りに手のみを用いた、肌理細かい演奏だった。

ルボン…中所宜夫氏の能舞とのコラボレーション。舞台中央に真四角に照明が当てられ、そこが舞の舞台となる。加藤氏は上手側で演奏する。
主としてボンゴなど膜鳴楽器が用いられる。加藤氏の腕の動きが実に美しいので、最初は舞と両方を視界に捉えるのに苦労した。
クセナキスの綴る音は常に強力なエネルギーによってぐいぐいと推進される。本作においても、複雑で刻々と移り変わるリズムとともに大量の音が勢いよく流れ出てくる。けれども、その背後には、常に音響構造を静かに見通す作家の眼差しがある。
能舞は動きが抑制的で、開始直後は音の奔流とは別世界であるかのように思われた。しかし、能舞が、音楽の内側のそうした静的な部分に寄り添っているのだと捉えると、すんなりと受け入れられるようになった。

プレイアデス…曲順は作曲者自身が示した2パターン以外に数種類がおこなわれているとのこと。今回はオリジナルの曲順で演奏された。作品はそれぞれに特徴的な4曲から成る。1、2曲目ではこの作品のために作曲者自身が開発した鍵盤打楽器"sixxen"が用いられる。微分音程による19の金属製鍵盤(アルミニウムか、ブロンズ、もしくは鋼鉄製)を持ち、金属製のハンマーで演奏する。特異な響きが耳に残る。
最後の"Peaux“は別個のテンポとリズムが重なり合う部分と、複数の奏者が同じタイミングで奏する部分が交互にあらわれ、スリリングな展開をみせる。
全パートを自身で演奏・録音、曲を知悉している加藤氏の監修のもと(1曲目は加藤氏が指揮)、若手奏者たちは、一つひとつの音を深く納得しながら演奏しているように感じた。気迫のこもった演奏に拍手。

プサッファ…タイトルは古代ギリシャの詩人サッフォーの名前の古形で、その詩作品のリズム構成が曲のリズム構造に利用されているという。楽器の選択は奏者に委ねられており、今回は「ルボン」と同じく主に膜鳴楽器が使用された。厳しい音楽だけれど、「ルボン」よりも思索的と感じられる。例えば、たっぷり間合いをとりながら繰り返される、大太鼓の強烈な打撃が印象的なのだけれど、一回一回の減衰していく音の中で聴き手はさまざまな想いを巡らすことができる。
こちらは中村恩恵氏によるダンスとのコラボレーションで、能舞と同じく、舞台中央の真四角に照明が当てられた部分がダンサーの舞台である。加藤氏はその奥に陣取る。
能舞とは対照的に、ダンサーの身体の動きは非常に雄弁である。細かい音の一つひとつに寄り添い、機敏に動いていく。身体表現の原理が大きく異なると感じられて興味深かった。

音楽と身体表現のコラボレーションは、個人的にどう接すればいいのかよくわからず、これまで敬遠気味なところがあった。今回、舞踏の性質によって音楽との関わりが異なることを体感でき、俄かに関心が湧いた。これからは臆さず触れられるような気がする。
中所氏、中村氏の、無駄のない凛とした所作が美しかった。

ライヒ作品に続いて、加藤氏のパワフルな実践、そして、加藤氏が蓄積してこられた知見を次の世代に渡していく、有意義な取り組みに立ち会うことができた。今後の活動も追いかけたい。

Artistic Direction 加藤訓子
Stage Manager 鈴木英夫
Lighting Design 岩品武顕
Fiming 西沢拓朗
Production Management Office of Kuniko Kato,LLC.

[主催]特定非営利活動法人芸術文化ワークス
[共催]神奈川県立音楽堂(公益財団法人神奈川芸術文化財団)
[協力]アダムス·パール楽器製造株式会社·ヤマハミュージックジャパン·ボーズ合同会社株式会社ファーム·株式会社リンジャパン
めぐろパーシモンホール·くにたち市民芸術小ホール·神奈川県立相模湖交流センターかながわアートホール·ウィステリアホール(豊橋)
[後 援]ギリシャ大使館·CIX(Centre Iannis Xenakis)·Meta Xenakis Consortium
(2024年9月21日 神奈川県立音楽堂)

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