速く走るための4つの指標を解説~LT・CV・VO₂max・ランニングエコノミーとは?
ランニングについて調べていると、「LTを高める]
、「CVペースで走る」、「VO₂maxを向上させる」、「ランニングエコノミーが良い」
といった言葉をよく見かけます。
私自身よくわかりませんでした。
なので、初心者ランナーさん向けにAIにまとめてもらいました!
まずは「こんな単語がある」を知ることが出来たら強いと思います。
それぞれ、こんな感じです↓
VO₂max:身体が酸素を取り込み、使える能力の上限
LT:長時間走り続けられる速さの境界線
CV:一定時間以上は維持できない、高めの持続可能速度
ランニングエコノミー:同じ速さを、どれだけ少ないエネルギーで走れるか
自動車に例えるなら、
VO₂maxは「エンジンの大きさ」
LTは「長時間維持できる出力」
CVは「高出力で走れる限界付近の速度」
ランニングエコノミーは「燃費の良さ」
どれか一つだけが高ければ速く走れるわけではありません。
大きなエンジンを持ち、その能力を高い割合で使い続けられ、少ないエネルギーで前へ進めるランナーが、長距離を速く走れるということです。
1.LTとは?
結論:LTは「速いペースを長く維持できる限界の目安」
LTは「Lactate Threshold」の略で、日本語では乳酸性作業閾値や乳酸閾値と呼ばれます。(Lactate :体内で糖質が代謝される過程で生成される「乳酸」およびその塩 Threshold:しきい値)
簡単にいうと、
「これ以上ペースを上げると、急激に苦しくなり、長時間維持できなくなる」
という境界付近の運動強度です。
LTより低い強度では、身体の中で生じた乳酸を利用したり処理したりしながら、比較的安定して走れます。
一方、強度が高くなると、乳酸の生成と処理のバランスが崩れ、血中乳酸濃度が大きく上昇していきます。
そのため、呼吸が急に苦しくなり、脚も重くなって、同じペースを維持しにくくなります。
ただし、「乳酸が疲労物質として溜まるから走れなくなる」という説明は正確ではありません。
乳酸そのものはエネルギー源としても利用されます。
LTは、乳酸だけでなく、さまざまな身体反応が変化する運動強度を把握するための目安として使われています。
LTには複数の意味がある
LTという言葉は、使う人や測定方法によって意味が異なることがあります。
主に使われるのが、LT1とLT2です。
LT1
運動強度を徐々に上げたとき、安静時に近かった血中乳酸濃度が、少しずつ上がり始める地点です。
楽なジョギングより少し高い強度
呼吸は比較的安定している
短い文章で会話できる
長時間続けやすい
有酸素性作業閾値、第一乳酸閾値などと呼ばれることもあります。
LT2
さらに強度を上げ、血中乳酸濃度が急激に上昇し始める地点です。
呼吸がかなり強くなる
会話は単語程度になる
集中しなければ維持できない
数十分程度は続けられるが、何時間も維持するのは難しい
一般的なランニングの会話で単に「LT」と言う場合は、こちらのLT2付近を指すことが多いです。
ただし、研究や指導者によって定義が異なるため、「そのLTが何を意味しているのか」を確認する必要があります。
LTが高いとはどういうこと?
LTが高いランナーは、VO₂maxに対して高い割合の強度を、長く維持できます。
例えば、VO₂maxが同程度のランナーが2人いたとしても、
Aさんは1km4分00秒でLTに達する
Bさんは1km3分40秒でLTに達する
のであれば、Bさんのほうが速いペースを安定して維持できる可能性があります。
長距離走では、最大能力そのものだけでなく、「最大能力の何%を長く使えるか」が重要です。
VO₂max、LT、ランニングエコノミーは、それぞれ影響し合いながら、LT時の走速度を決めています。長距離走のパフォーマンスを考えるうえで、LT付近の速度は重要な指標です。
LTトレーニングとは?
LTトレーニングは、LT2付近の強度で一定時間走る練習です。
代表的な方法には、
20分前後のテンポ走
2kmから3kmの反復走
5分から10分程度のクルーズインターバル
長めの坂を一定強度で走る練習
などがあります。
感覚としては、「きついけれど、追い込みすぎなければ一定時間維持できる」程度です。
全力走ではありません。
最大心拍に対する目安は、88~90%
私の最大心拍=220 - 年齢(28才) = 192
だから、LT走は168~172で行えばOK
毎回タイムを出し切るのではなく、最後までフォームとペースを保てる強度で行うことが大切です。
LTトレーニングで期待できること
速いペースを維持しやすくなる
乳酸の生成と利用のバランスが改善する
マラソンや長距離レースの巡航速度が上がる
苦しい強度でもフォームを保ちやすくなる
ペース感覚を身につけられる
2.CVとは?
結論:CVは「速さと持久力を同時に鍛えやすい、やや速めの強度」
CVは「Critical Velocity」の略で、日本語では臨界速度と呼ばれます。
簡単にいうと、
「身体の状態を完全には安定させられる範囲と、時間とともに疲労が増え続ける範囲の境界付近の速度」
です。
CVを超える速度で走ると、酸素摂取量や疲労に関係する身体反応が徐々に増え、最終的にはその速度を維持できなくなります。
研究上のクリティカルスピードまたはクリティカルベロシティは、ランニングにおける最大代謝定常状態を表す指標の一つとされています。CVより上で使える能力には限りがあり、それを使い切ると同じ速度を維持できなくなります。
CVペースはどのくらい?
ここが少しややこしい部分です。
学術的なCVと、ランニング指導で使われる「CVトレーニング」のペースは、必ずしも完全に同じ意味ではありません。
コーチングの現場では、CVペースを、
LTペースより少し速い
5kmレースペースより少し遅い
30分から40分前後のレースで維持できる速さ
きついが、短い休憩を挟めば何本か繰り返せる強度
最大心拍に対する目安は、90~95%
私の最大心拍=220 - 年齢(28才) = 192
だから、CV走は172~182で行えばOK
しかし、本来のCVは複数の全力走データなどから計算するものであり、「必ず30分走れるペース」という単純な定義ではありません。
測定方法や計算モデルについても、現在まで完全に統一された方法があるわけではありません。
そのため、トレーニングメニューで「CV」と書かれていたら、
「研究上のクリティカルベロシティなのか」
「コーチが定めたCVトレーニングペースなのか」
を確認したほうがよいと思います。
CVトレーニングの例
コーチングで使われるCVトレーニングでは、比較的短い反復走を行います。
例えば、
1,000mを4〜6本
3分から5分の疾走を4〜6本
800mを6〜8本
疾走の間に短いジョギングを入れる
といった方法があります。
1本ごとに全力で追い込むのではなく、最後まで同じ程度のペースでそろえることが重要です。
LTトレーニングより速い一方、典型的なVO₂maxインターバルよりは抑えた強度で行われることが多いです。
CVトレーニングで期待できること
LTより速い動きに慣れられる
有酸素能力とスピード持久力を同時に刺激できる
速筋線維も動員しながら、有酸素的な適応を狙える
5kmや10kmに近い速度域を無理なく練習できる
高強度練習としては疲労を抑えやすい
LTとCVの違い
大まかに表すと、
LT:やや遅いが、長く維持する
CV:LTより速く、短く分割して走る
VO₂maxインターバル:さらに強く、酸素摂取能力の上限付近を刺激する
という違いがあります。
ただし、これらの境界は明確に分断されているわけではありません。
LT走でもVO₂maxやランニングエコノミーに影響することがあります。
CVトレーニングでも、LTやVO₂maxの両方に刺激が入ります。
身体は、「今日はLTだけを鍛えた」「今日はVO₂maxだけを鍛えた」というように、能力を完全に分けて適応するわけではないからです。
よくある勘違い
「CVは全員が同じ計算式で決められる」
CVは、本来は複数距離または複数時間の全力走から求める指標です。
5kmのタイムだけから簡単に推定することもできますが、あくまで目安です。
「CVトレーニングは、毎回限界まで追い込む」
CVトレーニングの利点の一つは、速い動きを行いながら、疲労を過度に増やさないことです。
最後の1本だけ極端に遅くなる場合は、設定が速すぎる可能性があります。
3.VO₂maxとは?
結論:VO₂maxは「有酸素運動で使える酸素量の最大値」
VO₂maxは「最大酸素摂取量」のことです。
運動中に身体が、
肺から酸素を取り込む
血液によって酸素を運ぶ
筋肉で酸素を利用する
という一連の働きを、最大でどこまで行えるかを表します。
一般的には、「体重1kg当たり、1分間に何mLの酸素を利用できるか」を示す、
mL/kg/分
という単位が使われます。
例えばVO₂maxが57の場合、
「最大運動時に、体重1kg当たり1分間で約57mLの酸素を利用できる」という意味です。
VO₂maxが高いと、なぜ有利なのか?
長距離走では、筋肉が酸素を使ってエネルギーを作り続けます。
VO₂maxが高ければ、有酸素運動に使えるエネルギー供給能力の上限も高くなります。
そのため、一般的には持久系競技で有利になります。
VO₂maxは持久系パフォーマンスの上限を決める重要な要素ですが、VO₂maxだけでレースの結果が決まるわけではありません。
例えば、同じVO₂maxが60のランナーでも、
その能力の何%を維持できるか
同じ速度でどれだけ酸素を使うか
筋肉が長時間の衝撃に耐えられるか
補給や暑さに対応できるか
レース中に適切な判断ができるか
によって、実際のレースタイムは変わります。
VO₂maxは「速さ」そのものではない
VO₂maxは、1kmを何分で走れるかを直接示す数字ではありません。
同じVO₂maxでも、ランニングエコノミーが良い人は速く走れます。
反対にVO₂maxが高くても、走るときに多くの酸素やエネルギーを使う人は、能力を速度へうまく変換できない場合があります。
つまり、
「VO₂maxが高い=必ずレースで速い」
とは限りません。
VO₂maxトレーニングとは?
VO₂maxを刺激する練習には、最大酸素摂取量に近い状態へ到達するインターバルトレーニングがあります。
例えば、
3分から5分の疾走を複数回行う
800mから1,200m程度の反復走
2分から4分程度の坂道インターバル
3kmから5kmレースに近い強度の反復走
などです。
最大心拍に対する目安は、92~97%
私の最大心拍=220 - 年齢(28才) = 192
だから、VO2max走は176~186で行えばOK
休憩を入れながら、1本だけではなく、一定量の高強度運動を積み重ねます。
VO₂maxトレーニングで期待できること
心臓が一度に送り出す血液量の向上
筋肉へ酸素を運ぶ能力の向上
筋肉が酸素を利用する能力の向上
高い心拍数や強い呼吸への適応
3kmから10km程度のスピード向上
登りで高い出力を維持する能力の向上
スマートウォッチのVO₂maxは正確なのか?
GarminやApple Watchなどに表示されるVO₂maxは、多くの場合、心拍数と走速度などから推定された値です。
研究施設で呼気ガスを測定した値とは異なります。
そのため、表示された数字を絶対的な能力として見るより、
同じ端末
同じような環境
同じ測定条件
での変化を見るために使うほうが適しています。
暑さ、疲労、睡眠不足、坂道、心拍計の誤差などによって、推定値が変化することもあります。
よくある勘違い
「VO₂maxを上げれば、マラソンも必ず速くなる」
VO₂maxは重要ですが、マラソンではLT、ランニングエコノミー、筋持久力、エネルギー補給、疲労耐性も大きく関係します。
「毎回、心拍数を最大まで上げる必要がある」
VO₂maxトレーニングの目的は、単に最大心拍数を見ることではありません。
高い酸素摂取量の状態で一定時間運動することが目的です。
最初から全力で走ってすぐに失速するよりも、複数本を安定して行うほうが、目的に合う場合があります。
4.ランニングエコノミーとは?
結論:ランニングエコノミーは「走るときの燃費」
ランニングエコノミーとは、一定の速さで走るために、どれくらいの酸素やエネルギーを必要とするかを表す指標です。
同じ1km4分00秒で走る2人がいたとします。
Aさんは少ない酸素消費量で走れる
Bさんは多くの酸素消費量を必要とする
この場合、Aさんのほうがランニングエコノミーが良いと考えられます。
同じスピードでも身体への負担が小さいため、そのペースを長く維持しやすくなります。
エンジンが同じでも、燃費が違えば速さは変わる
VO₂maxが同じランナー同士でも、ランニングエコノミーが違えば、実際に出せる速度は変わります。
例えば、2人ともVO₂maxが60だったとしても、
少ない酸素で1km4分00秒を走れる人
多くの酸素を使わないと1km4分00秒で走れない人
では、前者のほうが余裕を持って走れます。
VO₂maxがエンジンの大きさなら、ランニングエコノミーは燃費です。
エンジンが少し小さくても、燃費が非常に良ければ、レースでは大きなエンジンを持つ選手に勝てる可能性があります。
ランニングエコノミーは、VO₂maxやLTとともに長距離走の速度を左右する重要な要素です。
ランニングエコノミーを決めるもの
ランニングエコノミーには、さまざまな要素が影響します。
ランニングフォーム
接地時間
脚や腱のばね
筋力
神経と筋肉の連携
身体の上下動や左右動
シューズの重量や反発性
路面
坂の傾斜
疲労
気温
ランニング経験
ただし、「上下動が少ないほど必ず良い」「接地時間が短いほど必ず良い」という単純なものではありません。
体格や骨格、走速度によって、効率的なフォームは異なります。
一つのフォームを全員が真似すれば、必ずランニングエコノミーが改善するわけではありません。
ランニングエコノミーを高める方法
1.継続して走る
初心者の場合、定期的に走ること自体で動作に慣れ、無駄な力が減っていきます。
2.短い流しを取り入れる
速いけれど力まない走りを繰り返すことで、身体を滑らかに動かす感覚を身につけます。
3.筋力トレーニングを行う
スクワット、デッドリフト、カーフレイズなどで、地面へ力を伝える能力を高めます。
4.プライオメトリクスを行う
ジャンプやホッピングなどで、筋肉と腱のばねを利用する能力を高めます。
5.坂道を走る
坂道では、平地とは異なる角度で地面へ力を加える必要があり、筋力や動作の改善につながります。
6.さまざまな速度で走る
ゆっくり走るだけでなく、流し、テンポ走、インターバルなどを取り入れることで、複数の速度域で効率よく動く能力を養えます。
全部まんべんなく鍛えましょう!
結論としては、一つだけを鍛えると良い!とかはないです。
初心者の場合、最初から専門的な練習を細かく分けすぎる必要はありません。
まずは、
楽なジョギングを継続する
少しずつ走行時間を延ばす
ときどき短い流しを入れる
無理のない範囲でテンポ走を行う
筋力トレーニングを続ける
十分に休養する
ことが土台になります。
土台ができてから、目的に応じてLT、CV、VO₂maxなどの練習を組み合わせていきます。
LT、CV、VO₂max、ランニングエコノミーを知る目的は、数字に振り回されることではなくて、「今行っている練習は、何のために行っているのか」、「自分には、どの能力が不足しているのか」
を考えるためのヒントとして使うことが大切なのだと思います。
「千里の道も一歩から」、ですね ^ ^
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