再会、できずに #シロクマ文芸部
懐かしい顔ぶれが集まった。高校の同窓会だ。
連絡を取ったり、遊んだり、飲みに行ったりしていた人もいるけれど、卒業してから会っていない、つまり十年ぶりに会う人もいる。
「わーっ、久しぶり!」
「変わったな」
「全然変わってないね」
あちこちでそんな声が上がる。お決まり、といえばお決まりだが、同窓会ってそういうものだろう。
俺はキョロキョロと会場内を見回す。
会いたい人がいる。
それは初恋の——、なんて可愛らしいものじゃなくて、先生だ。
高校の先生なんて大半がうっとおしくて、この先二度と会わなくても気にならないだろう。
実際、すでに顔も名前も忘れた先生がほとんどだ。
だけど、俺は担任の先生には感謝している。
久しぶりに会って、感謝を伝えられたらいい。
「はいはーい、じゃあ、時間になったので。まだ来てないやつらも居るけど……」
幹事が話し始めると、みんなの注目が一気に集まる。
「……まあ、いいか。めんどくさい挨拶は抜きで。十年ぶりの再会にカンパーイ!」
「カンパーイ!!」
幹事が挨拶をしている間に先生を探そうと思ったのに。
その時間は一瞬のうちに終わってしまった。
「なあ、先生は?」
挨拶とも言えない挨拶を終えた幹事に尋ねる。
「え、あー、うん……、先生な、」
幹事の表情が曇る。
……なんだ?
え? 先生は、もしかして?
俺、知らなかったな。
年齢だったもんな、なんて歳でもなかったはずなのに。
病気か。事故か。……それとも、
手紙でも書いておけばよかったな。ありがとうの一言くらい、伝えればよかったな。
直接会って、なんて思ってないでとりあえずでも手紙出しておけばよかったな。
後悔がグンと押し寄せてくる。
「……呼ぶの、完全に忘れてたんだ。どうしよう?」
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・涙なんてかくしてしまって 8/29「流れ星」(エッセイ、のようなもの)
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2024.09.14 もげら
