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33. 集塵トイレ

 囚人たちは房に入れられる前にまず看守に「トイレ行っとくか?」と促される。そんなやさしさいらねえよと吐き捨てながらも彼らはトイレに向かってしまう、看守の優しさの中に微かに高圧的なものを感じるからか。
 ふぅ〜、とトイレに座り頭を抱える。しばらくすると懺悔に導く牧師のような声が聞こえてくる、気がしてくる。俺はもうすでに気が狂ってしまったのだろうか?いや、でも確かに聞こえるのだ。そのやさしさそのもののような降りてきた生温かい空気を吸い込むと、つらつらと吐き出された懺悔の塊が今度は天井の換気扇に昇ってゆく。
 ぼんやり気づくと、囚人たちは便意も気持ちもふゎわ〜っと軽くなっている自分を発見する、個室の中で。まったく不思議なトイレだ。
 ここではこのようにクリーンになってかその逆か新しい生活がスタートする。でも事実、ここを出た者たちの再犯率は他所と比べて圧倒的に低いというレポートまであるのだ、あくまで政府によるレポートだが。

#毎週ショートショートnote #集塵トイレ

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