56. サンプル便座
うちの会社はトイレをつくっている。シェアNo.1に飽き足らない社長は、街でのティッシュ配りをやめ便座配りを始めた。費用が馬鹿にならない分社長の凄みを感じた。
社長が思いつめた策は空振りに終わろうとしていた。そりゃそうだ、便座を持って駅前をうろつく人間と目を合わせる者はそうそういない。15分おきに社長から様子を窺う電話がかかってくる。...帰れねーじゃねぇか。
「何やってんの?おもしろ〜ww」JK、普段仕事中は相手にしないがこの時ばかりはこんなにありがたいことはなかった。「これあげるよ、絶対流行るから」貰えるもんはもらっといてやるかみたいな感じで行ってしまった。
社長にこっぴどく叱られた翌日、また駅前に向かって歩いていると何だか見慣れた光景が広がっている。90S、ジベタリアンの復活だ。昨日のあの娘はJKインフルエンサーだったのだ。座り心地抜群の便座を思い思いにデコった子らが我が社の話題を温めてくれるだろう。
