72. 浮気清浄機
妻の様子がおかしい。笑顔が消え口数も極端に減った。かと思えば時折何か言いたそうな時も。私はドキドキしている、悪いことをしているからだ。
不倫中のA子は面倒事を求める女じゃない。妻の、女の勘ってやつか。なら証拠は掴まれていないってこと、しばらく何知らぬ顔してよう。
息の詰まる生活が続いた。妻は今まで倹約家だったのがこのところ家の中に見たことのないモノが増えてきた。
ある日また見慣れぬモノ発見、形は空気清浄機のよう。ロゴの部分に『uwaki』とある。戦慄が走った。コレから出る空気を吸ったら浮気をキレイに白状させられる?!いつからか後ろに立っていた妻がスイッチを入れる。私は息を止めた。「どうしたのあなた?」その迫力に思わず息を吸ってしまった。
恐る恐る妻の顔を見ると出会った頃のような笑顔で抱きついてきた。「...いいのか?」「あなたは何も間違ったことなんてしてないわ」どうやら浮気するのは正常なことになったようだ。
