31. 濃い古墳
「なんで俺たちがあいつのために...」また今日も仲間が一人くたばった。権力者たちが死後なお権力を見せびらかすために、できるだけ大きな墓を作らせブームが続いていた。
「こんなこと終わらせなきゃいけない」民衆たちは決起を誓った。だが機が熟すまでは従順なフリをしていよう。彼らはそれまでと同じように時の権力者の墓を作り続けた。
そして遂に完成、という時に彼らは蜂起した。そう、レジスタンスだ。そんなこと思ってもなかった時の王は「お前ら墓った、図ったな。古墳、ぎゃふんと言わせてやる」と言うが早いかあっけなく許しを乞うてきた。
民衆たちは古墳に最後のピースを嵌め込み、この墓を自分たちのために、これまで亡くなった者たち、そして今生きている者たちのための墓とすることとした。この、中の密度の濃い古墳は、それが故数多ある古墳の中でも後世最も有名なものとなった。夕暮れ時になると、それは自由へと旅立つ舟のように浮かび上がって見える。
