美しい夕焼け
こんなにも美しい夕焼けが
あっただろうか?
そう思うのは
たいてい記憶の中にある夕焼けで
今、そこに広がる夕焼けより
美しく感じてしまう
ところがそれは
思い出す度に
記憶のパレットで
美しく色を重ねているからで
実は
今、そこに広がる夕焼けも
記憶の中の夕焼けと同じくらいに
美しい
人は今あるものの価値に
気付きにくくできていて
たいていの場合は捉われながら
生きている
過去の呪縛について
縛っているのは実は自分なのだと気付き
今に集中することができたら
心は解放され
あるがままを感じることが
できるのかもしれない
過去に捉われるもの
それは美しい「夕焼け」に限らず
物事だったり人だったりする
今そこにないものに
苦しむ必要があるだろうか?
ヘイノ・カスキ作「夜の海辺にて」作品34の1
舘野泉1997
