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能力値2位が想定9番人気——キーンランドカップ、AIが見た全18頭【8/23

今年のキーンランドカップは、登録18頭のメンバーレベルが91.8。JRAのG3の中央値88.9を上回り、G1の92.9に近いところまで来ています。昨年が89.5、一昨年が86.5でしたから、例年よりはっきりメンバーレベルがそろった一戦です。

そのなかでAIの能力値が2位に置いているのは、想定9番人気・18.2倍のエイシンディードでした。逆に想定4番人気に支持されているルシードは、能力値では11位です。

以下、登録18頭を1頭ずつ数字で見ていきます。予想(印)ではなく、判断の材料です。


この記事の数値について

「能力値(中心値)」は、全馬の戦歴から推定した実力の中心値です。数字が素の能力がたかい。

日曜の朝に公開するマスター出馬表の「TS指数」のもととなる数字です。カードのTS指数は、この中心値から「推定の不確かさ」を差し引いた値なので、実績の少ない馬や長期休養明けほど大きく割り引かれます。同じ馬でも順位が入れ替わることがあります。素質を見るならこちらの中心値、当日どれだけ信頼できるかを見るならカードのTS指数です。

「メンバーレベル」は出走馬の上位5頭の平均で、過去のレースと同じ物差しで比べるための数字です。参考値は、2025年以降の中央値で未勝利78.9・1勝82.7・2勝84.5・3勝86.5・オープン87.8・G3 88.9・G2 89.2・G1 92.9。


コースの形——札幌芝1200mは前が残る

2024年1月以降の札幌芝1200m、58レース分の集計です。

前残り指数は+0.52で、JRA全体の+0.47より高い。つまり前で運べる馬に地の利があるコースです。展開の内訳は前傾ラップ(標準決着)が36%、標準が22%、前有利が14%、タフな消耗戦が12%。差し一辺倒の馬は展開待ちになります。

過去2年は2年続けて2番人気が勝っています(2024年サトノレーヴ、2025年パンジャタワー)。堅く収まりやすいレースではあります。


A評価——想定5番人気以内、または能力値5位以内

パンジャタワー(能力値95.5・18頭中1位/想定1番人気1.9倍)

昨年の勝ち馬が58kgで戻ってきました。能力値95.5は18頭で唯一の95台で、2位に3.3の差をつけています。前3走の相手レベルの平均90.7に対し今回のメンバーレベルが91.8なので、相手強化の幅が18頭でいちばん小さい1頭でもあります(相手関係-1.1)。

2月のサウジ135(G2)5着、3月の高松宮記念4着(0.4差)、6月の安田記念5着(0.1差)。G1・海外G2で崩れずに走り続けていて、1200mも1600mもこなしています。

気になるのは3点。58kgはメンバー2番目の重量、中10週の休み明け、そして前走が距離の違う1600m。加えて想定1.9倍という値付けは、この能力差でも妙味とは言いにくいところです。なお海外戦は能力値の学習に入らないため、サウジの1戦ぶんはこの95.5に反映されていません。

エイシンディード(能力値92.2・2位/想定9番人気18.2倍)

18頭で最もオッズに妙味がある1頭です。能力値は2位、想定人気は9番人気で、その差(乖離)は+7。

昨年11月のデイリー杯2歳S4着、3月のファルコンS2着(0.2差・8番人気)、5月の葵S6着(0.4差・2番人気)。3歳の重賞で、人気薄でも掲示板前後には来ています。能力値の上昇幅(トレンド)も+2.3で上位です。

3歳の55kgで、パンジャタワーとは3kgの差がつきます。父ファインニードルは札幌・函館の芝1000〜1400mで複勝率37.1%、勝率17.1%(n=35)。このコース帯の全体複勝率23.4%を大きく上回ります。

割引材料は、中12週の休み明けと、古馬の一線級とは初対戦であること。葵Sで2番人気に応えられなかった点も、そのまま書いておきます。

ロジケープ(能力値91.3・3位/想定2番人気6.3倍)

3連勝で3勝クラスまで駆け上がった3歳です。4月の福島・雪うさぎ賞、6月の東京の2勝クラス(芝1400)、7月の札幌・TVh賞と3連勝。前走は今回と同じ札幌芝1200mで、1番人気に応えています。能力値の上昇幅は+2.2で18頭中3番目。

ただし、前3走の相手レベルの平均は84.6。今回のメンバーレベル91.8とは7.2の開きがあり、相手が一気に強くなります。父ロジユニヴァースはこのコース帯のサンプルがn=1しかなく、血統面の判断材料もありません。

3戦とも後ろから差し切る形で勝っていますが、前残り指数+0.52のコースでその形が重賞でも通じるかどうか。

ナムラクララ(能力値90.1・4位/想定3番人気10.2倍)

洋芝1200mを2戦続けて好走中です。5月の京都・栗東S(ダート1400m)12着のあと芝に戻し、6月の函館・青函S2着(0.0差)、8月の札幌・UHB賞を1番人気で1着。8/9まで数字が更新されていて、能力値の鮮度はメンバーで最も新しい部類です。

父アドマイヤマーズはこのコース帯で複勝率34.4%、勝率21.9%(n=32)。ベースの23.4%を大きく上回ります。

課題は相手関係です。UHB賞はオープン特別で、レースレーティングは86.3。今回の91.8とは5.5の開きがあります。近2走はいずれも4角10番手からの競馬で、前有利の流れになると位置取りが問われます。

ウインカーネリアン(能力値89.8・5位/想定6番人気15.1倍)

9歳で59kg。メンバー最重量です。昨年9月のスプリンターズSを11番人気で勝ち、12月の香港スプリント11着、3月の高松宮記念3着(0.3差)。前3走の相手レベル89.9は18頭で2番目に高く、国内の1200m重賞では崩れていません。

ただし読み方に注意が必要です。能力値の上昇幅+3.1は18頭で最大ですが、これは高松宮記念3着の反映で、その後の実戦がありません。数字の最終更新は3/29のままで、以後の変化は入っていない。中20週の休み明けで、香港戦は学習対象外です。9歳・59kg・約5ヶ月ぶりという条件を、この数字と別に評価する必要があります。

エーティーマクフィ(能力値89.2・6位/想定5番人気13.9倍)

6月の函館スプリントS2着(0.2差)。今年の重賞でいちばん確かな結果を出している1頭です。2月のシルクロードS8着、3月の高松宮記念8着(0.9差)を挟んでいますが、前3走の相手レベル88.7は18頭で4番目に高く、相手なりには走れています。

7歳で、中10週の休み明け。父マクフィはこのコース帯でn=16のため判定不可です。上積みを見込みにくい年齢である点も含めて評価が要ります。

リラエンブレム(能力値87.0・9位/想定15番人気112.7倍)

乖離+6はエイシンディードに次いで2番目の大きさ。ただしこの馬は、数字の読み方がいちばん難しい1頭です。

昨年6月の日本ダービー10着(1.0差)、3月の阪神・大阪城S5着、6月の東京・ジューンS12着(0.9差)。ここまで芝1800〜2400mを使ってきた馬で、1200mは初挑戦です。能力値の中心値87.0は9位でメンバーの上位半分にいますが、上昇幅は**-2.0で18頭中いちばん悪い下降**。父キズナはこのコース帯で複勝率10.0%・勝率0.0%(n=30)と、判定可能な父のなかで最下位です。騎手も未定。

乖離+6という数字は「能力値の割に人気がない」ことを示しますが、距離替わりの不確実性がそのまま人気に出ている面があります。数字だけで拾える馬ではありません。


B評価——想定10番人気以内、または能力値10位以内

カルプスペルシュ(能力値88.8・7位/想定8番人気16.0倍)

父シュヴァルグランのこのコース帯の複勝率39.3%・勝率21.4%(n=28)は、判定可能な父のなかでメンバー最上位です。

2月のシルクロードS4着(0.1差・2番人気)、3月の愛知杯11着、6月の函館スプリントS5着(0.3差・2番人気)。重賞で人気を背負って大きくは崩れていませんが、勝ち切れていないのも事実です。愛知杯のように条件が変わると崩れる面があります。中10週。

ロードフォアエース(能力値88.5・8位/想定11番人気38.1倍)

能力値8位で想定11番人気、乖離+3。父ロードカナロアはこのコース帯で複勝率29.3%、勝率16.3%(n=123)。サンプル数が最も多く、そのうえでベースを上回っています

一方で近3走は4月の中山・春雷S12着、6月の青函S8着、8月のUHB賞5着(0.4差)と、馬券圏内がありません。前3走の相手レベル85.6は、今回のメンバーレベル91.8と6.2の開きがあります。540kg級の大型馬で、前走は16kg減と体重の増減が大きいタイプです。

ダノンマッキンリー(能力値85.8・10位/想定10番人気34.2倍)

前走のUHB賞は60kgを背負って4着(0.3差)。今回は57kgで、3kg軽くなります。5月の京王杯スプリングC15着、6月の函館スプリントS4着(0.3差)。

父モーリスはこのコース帯で複勝率19.7%と、ベースの23.4%を下回ります。3走とも勝ち切れておらず、後方から届かない形が続いている点も割り引きが必要です。

ルシード(能力値85.5・11位/想定4番人気13.3倍)

18頭で最も人気が先行している1頭です。想定4番人気に対して能力値は11位、乖離-7。

5月の京都・朱雀S(3勝クラス)を1番人気で圧勝したあと、6月の函館スプリントSは3番人気で12着(0.7差)、8月のUHB賞2着(0.1差)。重賞で一度大きく負けているうえ、その函館スプリントSでは今回と同じ相手に0.7差をつけられています。レーン騎手を確保している点は評価されているのでしょうが、重賞で足りるという裏付けは数字上まだ薄いというのがAIの立場です。父スクリーンヒーローはn=22で判定不可。

サウンドモリアーナ(能力値85.5・11位/想定7番人気15.5倍)

武豊騎手。ただし能力値は11位タイで、前3走の相手レベル84.2は18頭で下から3番目です。メンバーレベル91.8との差は-7.6。

3月の中山・船橋S(3勝クラス)1着、4月の福島・モルガナイトS1着、7月の北九州記念6着(0.6差・重馬場)。オープン特別までは勝てています。逃げ・先行が持ち味で、前残り指数+0.52のコースは合うため、ハナか2番手を取れれば粘り込みの目はあります。父ミッキーアイルはこのコース帯で複勝率28.7%(n=80)とベースを上回ります。


C評価——それ以外

ジョーメッドヴィン(能力値85.1・13位/想定16番人気124.6倍)

洋芝1200mを3戦続けて使っています。6月の函館スプリントS8着、6月の青函S6着(0.2差)、8月のUHB賞8着(0.5差)。掲示板には届かないものの大きくは負けていません。乖離+3。父ドレフォンは複勝率25.0%(n=64)でベース並み。騎手は未定です。

ティニア(能力値83.9・14位/想定17番人気137.5倍)

6月の青函S5着は0.1差でした。1月の中山・カーバンクルS13着、5月の京都・鞍馬S7着。近走に勝ち星がなく、G3の相手では地力が足りていないというのが数字の見立てです。父Frankelはこのコース帯でn=6のため判定不可。中8週。

レッドアヴァンティ(能力値83.0・15位/想定14番人気112.0倍)

福島のオープン特別が主戦場です。2月の小倉・北九州短距離S4着、4月の福島・モルガナイトS2着(0.1差・11番人気)、7月の安達太良S5着。前3走の相手レベル81.6は18頭で下から2番目で、メンバーレベルとの差は-10.2。安達太良Sで1番人気に応えられなかった点も含め、洋芝の重賞は格が上がります。騎手は未定。

ゾンニッヒ(能力値82.6・16位/想定12番人気66.8倍)

8歳。想定12番人気でも、能力値16位に対してはまだ人気が先行している側です(乖離-4)。3月の中山・東風S5着、4月のダービー卿CT7着、7月の福島・安達太良S4着(0.4差)。1600mから1200mに寄せてきました。今年の重賞で掲示板がありません。前走は9頭立てで、18頭のG3とはペースが違います。

イツモニコニコ(能力値80.8・17位/想定13番人気75.8倍)

夏の短距離重賞を使い続けている牝馬です。5月の京都・鞍馬S13着、7月の北九州記念4着(0.4差・12番人気)、8月のCBC賞10着(0.7差)。好走したのはハンデ53kgのときで、今回は別定55kgになります。能力値17位で、数字の裏付けは乏しいところです。父ビッグアーサーは複勝率31.5%ながら勝率5.4%(n=92)。

マイネルジェロディ(能力値77.4・18位/想定18番人気600.5倍)

8歳。能力値18位、前3走の相手レベル80.7、相手関係-11.1と、数字はすべてメンバー最下位です。今年は掲示板が一度もありません。想定600.5倍という値付けを、数字もそのまま裏づけています。騎手は未定。


人気を疑う視点——能力値と想定人気のズレ

想定人気と能力値順位の差を「乖離」として並べたものです。プラスが大きいほど、能力値の割に人気がない。

能力値の割に人気がない側

  • エイシンディード 能力値2位なのに想定9番人気(18.2倍)——乖離+7

  • リラエンブレム 能力値9位なのに想定15番人気(112.7倍)——乖離+6。ただし1200m初挑戦

  • ロードフォアエース 能力値8位なのに想定11番人気(38.1倍)——乖離+3

  • ジョーメッドヴィン 能力値13位なのに想定16番人気——乖離+3

  • ティニア 能力値14位なのに想定17番人気——乖離+3

能力値の割に人気がある側

  • ルシード 想定4番人気(13.3倍)なのに能力値11位——乖離-7

  • サウンドモリアーナ 想定7番人気(15.5倍)なのに能力値11位——乖離-4

  • ゾンニッヒ 想定12番人気なのに能力値16位——乖離-4

  • イツモニコニコ 想定13番人気なのに能力値17位——乖離-4


読むときの注意

まだ特別登録の段階です。 登録18頭に対してフルゲートは16頭なので、2頭が除外されます。枠順も確定前です

想定オッズはnetkeibaの予想オッズ(8/17 18:15時点)で、当日までに動きます。

海外戦は能力値の学習に入りません。パンジャタワー(サウジ)とウインカーネリアン(香港)は、その分だけ数字が実力を映しきれていない可能性があります。またウインカーネリアンの数字は3/29時点のもので、以後の変化は反映されていません。

父×コースの成績は、n<25を判定不可としています。

今年は例年より骨っぽいメンバーがそろったぶん、能力値の上位が素直に来る形も十分あると思っています。そのうえで妙味を探すなら、能力値2位で想定9番人気のエイシンディードをどう扱うかが分かれ目になりそうです。

日曜の朝には、全レース分のマスター出馬表を無料で公開します。当日のTS指数・オッズ・調教評価はそちらでご確認ください。


馬券の購入は必ずご自身の判断でお願いします。的中や利益を保証するものではありません。20歳未満の方は馬券を購入できません。

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