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東京都最西端、奥多摩町にあるゲストハウスで過ごした半年間

まず、きよかわゲストハウスのオーナー、カズヤさんをはじめ、奥多摩という町で出会うことができた皆さま、今まで本当にありがとうございました。奥多摩は寒くなってきたと聞きますが、元気に過ごしてますでしょうか。

楽しいことばかりではなく、大変なことも多々ありましたが、結果的にこの経験をして良かったと思えます。改めて私の決断は間違ってなかったと。

なかなかに濃ゆい半年間を過ごすことが出来たのは皆さまのおかげです。

現在は約500km離れた場所で生活を送っていますが、当時の心境や、思い出、離れてみて感じたことなどを記録として残しておこうと思います。

また、今後ゲストハウスで働いてみたいかもと思っている方や、仕事・働き方に悩んでいる方などに参考になれば幸いです。


きよかわゲストハウスで住み込みスタッフになった経緯

2025年4月初めから10月初めの約半年間、きよかわゲストハウス(以下:キヨカワ)でフリーアコモデーション(フリアコ)をしていました。

客室の清掃などの仕事を手伝う代わりに、宿泊費や水道光熱費などが無料になる、ゲストハウスによくある仕組みのようです。

キヨカワは奥多摩駅から歩いてすぐの古民家ゲストハウス。周りは美しい山々と川。そして可愛い看板猫が2匹います(ここ重要)。


たま
まる

ゲストハウスに泊まったことはないし、ホテルとどう違うか分からないけれど、キヨカワの募集条件は私にとって好都合。

当時は在宅でライターのアルバイトをしていましたが、「仕事も職場の人も自分には合ってないかも」とメンタルが最悪な状況でした(職場の人たちはとても優しくて本当に感謝してます)。

何よりアラサー独身フリーター女が実家にずっといて何が起こるかというと、一緒に暮らす祖母から毎日のように嫌味を言われるわけです。「仕事はどうするんだ」「早く結婚しろ」「どうしてお前はこうなんだ」とか。それでかなり病んでいました(笑)。両親は何も言ってこなかったけれど、色々思うことはあるでしょう。

祖母への嫌悪感、両親への罪悪感ですぐにでも実家を離れたかったけれど、部屋を借りる金も余裕もない(完全に自分が悪い)。その時の私にとってキヨカワは駆け込み寺(笑)。そして猫と暮らしたいという長年の夢も叶うかもしれない。

給与が出ないことに対して「大丈夫なの?」と心配されましたが、すがる思いでの応募でした。

「どうしてここのスタッフに?」と聞かれることも多かったですが、「大嫌いな祖母から逃げられる場所を探していて」とは言えず、「ゲストハウスに興味があって〜」「猫と暮らしてみたくて〜」とか言ってたような気がします(嘘ではない)。

正直なところ、はじめはとてもネガティブな動機からでした。

月収10万以下でも生きることはできる

フリアコだと給与が発生しないので、「どうやって生活するの?」という疑問もあるかも知れませんが、私は貯金がないので他で仕事はしていました。

私の場合、しばらくはリモートで平日週3日はライターのアルバイト、週末はキヨカワという感じで両立。ライターの方は途中で辞めましたが、そのあとは奥多摩駅近くのパスタ屋さん、奥多摩駅から2駅離れた場所にあるホテルで皿洗いのアルバイトを掛け持ち。

私はタイミングよく仕事を見つけられましたが、田舎で仕事を見つける難しさはあるかも知れません。求人サイトでうまいこと見つけられませんでした。

パスタ屋さんに関しては、他のスタッフが先に見つけて働いていて私も紹介してもらったという流れです。そこで働いている中で「夜も働ける場所を探している」と社員さんに言ったら別の仕事も紹介してくれました。ここの職場の方達も本当に優しかったな……。とにかくやりたいことは言ってみるもんですね。

週3日のアルバイトだと収入もたかが知れていて、だいたい8〜9万程度。税金とか諸々支払うとあまり手元には残らないのですが、それでも月1で旅行したり、遊んだりしていました。遊ばなければそれなりに貯金できたはず……(笑)。

家賃、光熱費、食費が一切かからない分、低収入でも“我慢しすぎない”生活ができていたので非常にありがたい環境でした。

今の仕事が嫌で辞めたいと思っている人には、「一旦辞めてゲストハウスでフリアコして何とか生き延びるという手もあるよ」ということをお伝えしたいです(笑)。

はじめてのゲストハウス

奥多摩には何回か遊びに来たことがあったのですが、ゲストハウスがあるなんで知りませんでしたし、そもそも「ゲストハウスとはなんぞや」というところからのスタートでした。

きよかわはゲストハウス界隈の中でも「交流型」に属されるようで。とにかくゲストさんとスタッフの距離が近いことにびっくり。初めましてなのに、すでに友達のような。最初はその距離感にとても戸惑いました。

「ゲストハウス経験がゼロでスタッフをしてみた」と話すと驚くゲストさんもいましたが、今になってみればそれが逆に良かったかもしれません。ゲストさんには「ゲストハウスとは」みたいな部分や、全国のおすすめゲストハウス、これまでの旅のあれこれを教えていただきました。

リピーターさんも非常に多く、スタッフ以上に“キヨカワ事情”に詳しくて助けられた部分も多かったです。

自分の知らなかった世界、価値観を知ることができるゲストハウス。そして色んな出会いが生まれる場所。スタッフをしていると何もこちらから行動せずともたくさんの人と出会える。その点がスタッフ側のメリットで面白いところだなと感じました。

色んな生き方があることを知ると、今悩んでいることなんて実は何ともなかった、と思えたりするかも。

奥多摩にゲストハウスを作ったすごい人

築110年以上の古民家をリノベーションしてゲストハウスを作ったオーナーのカズヤさんはマジですごい人だと思います。

カズヤさんとの面談での第一印象は「ちょっと怖そう」だったのですが(笑)、実際には気さくで面白く、ゲストさんの話を聞き出すことも上手。あと、まかないで作ってくれる料理がとにかく美味い。カズヤさんのせいで太ったと言っても過言ではないです(笑)。

ゲストハウスが初めてで少し緊張気味だったお客さんも「また来たい」と帰っていく姿を何度も目にしました。

「今日はカズヤさんいますか?」とやってくるゲストさんも多く、たくさんの人から愛されていて羨ましく思ったり。

何度も来たくなる空間を作ることは簡単なことではないはず。だからこそカズヤさんがやってきたことはすごいと思いますし、尊敬しています。

ま、連絡は早く返してほしいとかはありますけどね!(笑)

いつかは自分も人が集まる場所づくりをしたいとぼんやりと思っていましたが、カズヤさんから色々と勝手に学ばせていただきました。

奥多摩に住む人、来る人

奥多摩という場所での生活も非常に新鮮でなかなかに面白い体験ができたと思っています。

キヨカワから歩いてすぐいける川

一応東京都だけど、都心に比べるとまじで何もない。あるのは山と川と……。スーパーもコンビニもなくて、野菜を買うなら八百屋、肉を買うなら肉屋。あと小さな商店。不便なはずだけど何故か居心地がいい。そんな不思議な場所でした。

奥多摩で生活をする人たちも、奥多摩にやってくる人たちも、当たり前だけど色んな人がいて。いる理由も来る理由も様々。だから何もなくても飽きなないし、実家にいたときよりも刺激的でした。

「キヨカワで働いているスタッフだから」というのもあるかもしれませんが、皆さんが親切にしてくれてとても嬉しかったです。

たわいもない世間話をしたり、困ってることがあったら助けてくれたり、美味しいご飯を分けてくれたり。この何気ない優しさがあの時の私には必要だったし、救われた部分も多かったです。

改めて楽しい思い出を一緒に作ってくれて本当にありがとうございました。

個性豊かなスタッフ達との共同生活

キヨカワのスタッフになる条件の1つは「最低3ヵ月以上働けること」。住み込みバイトの経験はあれど、相部屋で生活の大半を共有するのも初めて。上手くやっていけるのか、ここが一番心配でした。

けれど、キヨカワにやってくるってことは何か似ている部分があって、打ち解けるまでに時間はかからなかったと私は思っています。

私も当初は3ヵ月で出ていくつもりでしたが、スタッフ達との生活があまりにも楽しすぎて。気づいたら半年も居座ることになった、という次第です。

とにかくたくさん話したし、一緒にご飯を食べて、楽しいこともいっぱいして、大変なことも乗り越えて。

これまでも社会人サークルやイベントに参加したりなど、それなりにアクティブに色々やってみたりしていたけれど、「大人になってからの友達作り」に非常に苦労していました。どこか疑っていたり、壁を作ったり作られたりで、心から信用できる人にもう出会えないのかな、なんて思うこともしばしば。

だけど、友達という枠を超えてこんなにも大切な存在ができるとは思いもしませんでした。特に、相部屋で3ヵ月一緒に過ごしたマルちゃんの存在が私にとってはデカすぎて。ここでは書ききれないくらいの想いがあるのですが、本当に心の支えになってくれました。

私はたまたま幸運で、良い人たちと巡り会えたと思っています。だからこそこれからもこのご縁は大切にしていきたいです。

「共同生活、無理」って思う人もいるかもしれませんが、楽しいこともきっとあるだろうし、一回くらい経験してみるのはありかも?

またいつかどこかで

ふとした時に、「あの時に戻りたいな」と思う瞬間もあるくらい、きよかわゲストハウスで過ごした日々はかけがえのない思い出です。あの時、勇気を出して良かった。

あと、これは余談ですが、心から「また会いたい」と思う素敵な人達が何人かいたのですが、そういう人ほど2回目はなかったんですよね。

だから簡単に「また会えるからいいや」とか思わない方がいいですね。次は何としても勇気を出して連絡先を聞いておこうと思います()

寂しいけれど、私はこれからも多分ふらふらと旅を続けるし、どんな場所に行っても頑張ります。

ここからは本音というか

ここまで楽しいことばかりを書いてきましたが、実際は大変なこともたくさんありました。決してキヨカワの裏事情の暴露とか、批判的な内容、というわけではないことは先に言っておきます。

半年、ゲストハウスでのスタッフを経験して、またやりたいかと聞かれたらしばらくはやりたくないが本音です。

今まで良いこと書いておすすめしといて矛盾してないか?と言われたらそれまでですが、これはキヨカワが悪いわけではなく、私自身の問題です。

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