「反省しているのに、また同じミスをする」を終わらせる振り返りの型
トレードが終わったあと、ちゃんと振り返りメモを書いている。なのに、数週間後にまた同じ失敗をしている——そんな経験はないでしょうか。
「振り返っていない」わけではありません。むしろ真面目な人ほど、その日のうちに長い反省文のようなメモを残しています。それでも同じ失敗が繰り返されるのは、振り返りの量が足りないからではなく、書いている中身がひとつに混ざっているからです。
■振り返りメモに書いていることの正体

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試しに、自分が最近書いた振り返りメモを読み返してみてください。おそらくこんな言葉が並んでいるはずです。
「やってしまった」「情けない」「もう少し我慢すればよかった」「次こそは気をつける」。
これらはすべて感情の記録です。悪いことではありません。感情を吐き出すこと自体には意味があります。ただ、問題は次にあります。
感情だけの記録を読み返しても、具体的に何をどう変えればいいのかが書かれていないため、次に似た場面が来たときに、また同じ感情的な判断をしてしまう。「気をつける」という決意は、次の瞬間の値動きの前ではほとんど役に立ちません。
■「事実」と「感情」を分けると何が変わるか
ここで提案したいのは、振り返りメモを書くときに、「事実」と「感情」を意識的に分けて書くというだけのシンプルな工夫です。
事実:価格がどう動いたか、自分がいつ・どこで・何をしたか。数字で表せること。
感情:そのときどう感じたか、何を考えていたか。数字にならないこと。
この2つを同じ文章の中に混ぜて書くと、後から読み返したときに自己弁護と反省が入り混じって、結局何が本当の原因だったのかが見えなくなります。「焦って早めに入ってしまった、でも仕方なかった」というように、事実の報告のはずが、いつの間にか感情の言い訳に変わっていることがよくあります。
分けて書くと、この混ざりが起きません。
■事実の記録:淡々と、数字と値動きだけ

・何の価格が、いつ、どの水準でどう動いたか
・自分がいつ、どの方向に、どういう理由でポジションを持ったか
・結果としてどうなったか(利益・損失の事実だけ)
たとえば「節目を割れる前にエントリーして、結果としてマイナスで決済した」という一文には、感情がひとつも入っていません。淡々とした記録ほど、後から読み返したときに冷静に分析できます。
■感情の記録:正直に、混ぜない
感情の欄は逆に、遠慮せずに正直に書いてかまいません。「怖かった」「早く利益を確定させたくて焦った」「負けを認めたくなくて損切りが遅れた」。こうした感情は、事実の欄に混ぜなければ、それ自体が貴重なデータになります。
同じ感情が何度も出てくるようなら、それがその人の「クセ」です。事実だけを追っていても見えてこない、感情のパターンが見えてくるのは、感情を隠さずに書いたときだけです。ただし、それは事実の記録とは別の場所に置いておく、というのがポイントです。
■今日からできる3つのこと

1. 振り返りメモを「①事実」「②感情」の2行に分ける
難しい仕組みは要りません。メモの冒頭に「①事実:」「②感情:」と書いて、それぞれ1〜2行で埋めるだけです。
事実は数字と値動きだけ、感情はそのときの気持ちだけを書く
書いている途中で言葉が混ざりそうになったら、「これは数字で言えることか、気持ちの話か」を自分に問いかけてください。
読み返すときは①だけを見る。②は書いたら閉じてよい
次の判断に活かすために読み返すのは、基本的に事実の記録だけで十分です。感情の記録は、書いた時点で一度役目を終えています。何度も読み返して落ち込む必要はありません。
■まとめ:振り返りは「量」より「分け方」
・振り返りメモの量を増やしても、感情と事実が混ざったままでは次に活かせない
・「事実」と「感情」を分けて書くだけで、読み返したときの使い方が変わる
・事実は淡々と、感情は正直に。混ぜないことが大事
・次の判断に使うのは、基本的に事実の記録のほう
反省すること自体は、もう十分にできています。足りなかったのは、反省の中身を仕分けることだけかもしれません。今日のトレードから、試しに2行に分けて書いてみてください。
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