[report]『唐ごのみ』(三井記念美術館)
※ タイトル画像:円山応挙《雪松図屏風》(右隻・部分)三井記念美術館 蔵
開催情報
『唐ごのみ ー国宝 雪松図と中国の書画』
場所:三井記念美術館(東京都中央区)
開催日:2024.11.23.sat-2025.1.19.sun
入館料:1200円(一般)
内容:年末恒例、国宝「雪松図屏風」+三井家で珍重された中国絵画や墨跡・古拓本を展示。「伝来」が作品の価値づけに果たした役割についても再考する。付属資料も展示し、収蔵に至るストーリーにも注目。
※ 展示室内は円山応挙《雪松図屏風》のみ撮影可
※ 東京国立博物館・台東区立書道博物館にて開催される展覧会「拓本のたのしみ」と連携展示
◆ 東京国立博物館・東洋館8室「拓本のたのしみー明清文人の世界ー」2025.1.2.thu-3.16.sun
◆ 台東区立書道博物館「拓本のたのしみ」2025.1.4.sat-3.16.sun
主な登場人物
安国Ān Guó(1481–1534)中国
明時代の書画収蔵家。10種もの石鼓の旧拓本を入手し、自ら十鼓斎と称した。華夏のライバル。華夏Hua Xia(?)中国
明時代の書画収蔵家。安国のライバル。項元汴 Xiàng Yuán biàn(1525-1590)中国
明時代の書画収蔵家。李宗瀚Li Zonghan(1770-1832)中国
清時代の書画収蔵家。松平不昧(1751-1818)
出雲国松江藩10代藩主。大名茶人。三井高堅(1867-1945)
新町三井家9代。三井銀行の取締役社長等、関連会社の重役を歴任する傍ら、古書画、とりわけ宋拓や唐拓といった古拓本の収集に力を注いだ。島徳蔵(1875-1938)
大阪の相場師。
単語
【聴氷閣本】三井高堅の拓本コレクション
【唐の四大家】欧陽詢・虞世南・褚遂良・顔真卿
【雲州名物】松平不昧の旧蔵品
章構成覚書
展示室1 拓本コレクターとその蒐集品
三井高堅の拓本コレクション「聴氷閣本」
旧蔵者・高堅がてにする以前の来歴に注目
展示室2 拓本の名品
石鼓文 中権本(宋拓)
展示室3 唐物の茶道具
展示室4 北三井家旧蔵の書画
円山応挙《雪松図屏風》
宗〜元時代の中国絵画
江戸時代の京の町人の美意識
展示室5・6 墨跡と書
鎌倉時代 禅僧・栄西が中国へ渡り、禅宗とともに喫茶の習慣を日本に持ち帰る
→茶の湯で「墨跡(禅僧による書)」が珍重された
・見て楽しむ
・尊崇の対象
展示室7 名物絵画の世界
雲州名物(松平不昧の旧蔵品)
箱、領収証、手紙等とともに
柳営御物(=徳川幕府の所蔵品)
箱・付属資料とともに
その他の中国絵画
感想
三井記念美術館は初めて訪れた。
「東京駅周辺美術館共通券」が無ければ行かなかったかもしれない。
他にも行きたい美術展が終了間近なのに…と、いう気持ちもあるが、"いつもの自分が選ばない行った事のないところ"を見てみたいとも思う。
書や拓本に興味はあるのだが、知識はない。
展示室内は《雪松図屏風》以外撮影不可なので、ふんわりとした感想の記録。
…一年後読み返して「いや〜この頃はこんなだったんだね。」と進歩が感じられると良いのだが…
今回の展示は、毎年恒例《雪松図屏風》に合わせて、トーハクと書道博物館の拓本展との連動企画。
三井家にも新町三井家9代・三井高堅(言いにくい)が集めた拓本コレクションがあるのだ。(今、知った)
書の良さは分からず。でも「この線は美しいなあ」とか、「これは白いシャツを第一ボタンまでキッチリ留めて背筋ピーンとしてるみたいだな」とか、「こっちは太極拳やってるみたいな、ゆったりとした感じだな」とか、なんとなーく呼吸や動作が薄ら感じられるような気がしなくもない…ような…
そんな、私のような素人も楽しめるように、今回の展示は作品と共に、蒐集のエピソード、作品が入っている箱や題箋などが展示され、収蔵ストーリーも紹介されている。
作品ひとつひとつに収蔵ストーリーなどを紹介したキャプションがあり、冒頭には思わず吹き出してしまうような親しみやすい一行コメントがついている。
これを読んでいくだけでも楽しい。
拓本コレクションの旧蔵者、中国コレクターの収蔵ストーリーが熱い!
20年かけてコツコツ集めて遂に完成させたり、これでもかと蔵書印のように印を押してみたり、田畑売っちゃったり…ストーリーを知ることで親しみを感じる。また、そうして集めた拓本そのものが今、目の前にあるのだと思うと感慨深い。
書画の展示品は(伝)とついた作品が多く、「中国の〇〇さんが描いた」と言いつつ、実は日本人が中国の作品を模写、もしくはイメージして描いたらしい作品が多い。
蒐集した人が、本物と信じていたのか、ファンタジーと割り切っていたのかは分からない。
書で一番好きなのは 4-17《三行書》(伝)陳献章。
キャプションの一行コメントは「山よ質問に質問で返さないでくれ」。
「山よ、お前は〇〇なのかい?」と聞いたら「お前はどう思う?」と返された、みたいな詩。キャプションには、漢詩とその訳も紹介されている。
これ、やまびこなのかな?ちょっと脱力してしまうような、のんびりしたような、悠久も感じる雰囲気があって、書も好きだな〜としばし眺めていた。
できれば、中国語ネイティブに、この詩を朗読して欲しい。
後でネットで原文探そうと思ったら、この詩もこの書もあんまり有名じゃないみたいで見つからない。ちゃんとノートにメモしてくれば良かった!反省。
撮影可は国宝・円山応挙《雪松図屏風》のみ。
紙の白地を塗り残して雪にした応挙の代表作。
美しく撮った画像が世に幾らでもありますが、せっかくなので写真貼ってみる。
アップで観ても楽しいけれど、斜めから観るのも好き。


…感想の歯切れが悪いのは、圧倒的に知識が足りないからなんだろうなあ…
