【女大学宝箱】(23)牙婆(すあひ女)

商する女を「販婦」といふは、わが朝にいへる「ひさぎ女」なり。「牙婆」といへるは、「すあひ女」成べし。
「すあひ」とて、呉ふく物、または、小間物の品々をもちて、旅屋、又は、問屋へ付たる人のもとへゆきて商する也。
※ 「販婦」の「販婦」という漢字は一般的には「はんぷ」と読むと思うのですが、ここでは「とんふ」と読みが振られています。「とんふ」という言葉を探してみましたが見つけられませんでした。
※ 「牙婆」は、きばば、がば、とも読むようです。その他、とりもちばば、くちいればば、なかがいばば、すあいばば、といった振り仮名も見られます。
※ 「成べし」は、なるべし。
※ 「すあひ」について、昭和初期の『日本性的風俗辭典』では「私娼の一種」と記しています。
参考:『日本性的風俗辭典』(国立国会図書館デジタルコレクション)

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『女大学宝箱』
女は男に近づきても心やすくうりかふこともなし。又は、色あるかたにひかるゝもあるなれば、むかしよりかゝるわざもあり。されども、これらもこゝろは遊女にていやし。
すべて女は男に心をくことぞ道なるべし。男を相手にする商なれば、いとゞむくつけきものなり。
※ 「心をくことぞ道なるべし」は、昭和初期の『日本性的風俗辭典』では「心をくそなるべし」と翻刻されています。
※ 「むくつけき」は、おそろしい、気味が悪いという意。参考:『大日本国語辞典 第5巻 修訂(むくつけし)』(国立国会図書館デジタルコレクション)

ごふくものうる

※ 「てい」は、体。様子のこと。
〔参考〕すあひ

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『職人尽歌合 [2]』

出典:国立国会図書館デジタルコレクション
『和漢三才図会 上之巻』
※ 参考:『大日本国語辞典 巻4(ひさぎめ)(ひさいめ)』『いろは辞典 : 漢英対照(すあひ)(六婆)』『掌中早字引集 : 布令日誌必用(牙婆)』『雅俗節用集(牙婆)』『新撰異訓熟字類編(牙婆)』『翻訳作文用字群玉(牙婆)』『日本性的風俗辭典(すあひ)』『日本性的風俗辞典(すあひ)』『大日本実業学会商科第2期講義 日本商業歴史』(国立国会図書館デジタルコレクション)
筆者注 ● は解読できなかった文字を意味しています。新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖
