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【語源】日本釈名 (19) 人品(懐・涎・疣・隂・鬘・右・左・息など)

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本釈名 3巻 [2]

フトコロ

「ふみところ」也。文を入る所也。

カハネ

「かたちほね」也。「たち」を略す。「ほ」と「は」と通ず。「からだ」と云は、「から」は「空殻クウコク」也。物のをとりたるあとを「から」と云。貝のから、くりのから、など云類也。「だ」は「かたち」也。

ナミダ

「なきみづ」也。「つ」と「た」と通ず。「き」を略せり。

「あ」は「あつき」也。「せ」は「し」と通ず。「シル」也。身のあつき時いづる汁也。

「いづ」也。「身よりいづる」也。「つ」と「ち」と通ず。上略也なり。又「みづ」也。「身より出る水」也。是亦上略也。

前に同じ。又「ち」は「うち」也。「血」は皮の内にあり。上略也。

「よだれ」は、夜ねいりていづるもの也。「たれ」は「垂る」也。おつるを云。「夜たる」也。

「つばき」也。「つ」は「いづ」也。上略也。「乳」「血」「津液」いづれも人の身より出るもの也。「つばき」とは「つをはく」也。

イボ

「い」は「出」也。「ほ」は「ほくろ」也。「いでたるほくろ」也。又「いぼ」は「いを」也。魚の目に似たり。

ホト

「ほと」ゝとは、男子の陰莖インキヤウ、女子の陰戸インコを通じて云。「ほ」は「火」也。陽気の ● 生ずる處なり。「と」は「戸」也。前竅ゼンケウを云。

※ 「前竅ゼンケウ」の「竅」という漢字は、人の体にある穴の意。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本釈名 3巻 [2]

小腹ホガミ

ホトカミ」と云意なり。

カヅラ

髪連カミツラ」なり。人の切たる髪をワガかみにつらねつゞくる也。「みつら」とも云。「みつら」は「髪」の「か」を略す。「かみつらなる」也。今、俗に「かもじ」と云もの也。

禿カブロ

「かぶろ」は「かぶる」也。髪をきりまはしてかうふる也。

シリ

「しり」は「したもり」也。中を略せり。下にありて、糞のもる所也。

コゝロバセ

「心のハシ」也。「し」と「せ」と通ず。古人曰、「意者、心之所 ヲコル也」。是、心のはじめてをこるはし也。

※ 参考:『用字便覧(意 ココロバセ)』(国立国会図書館デジタルコレクション)

「にぎ」也。「に」と「み」と通ず。右手はよく物をにぎる也。「る」を略す。又「みぎり」とも云。「にぎり」也。

「ひ」は「ひぢ」也。「たり」は「おこたり」也。左はちからよはくして、ひちおこたる也。

左右

「まて」と訓ず。『萬葉』に如此かけり。左右の手を「まて」と云。全手也。二ながら全き意。

※ 「『萬葉』に如此かけり」は、次の歌を指しています。
 能野川 石迹柏等 時齒成 吾者通 万世左右(よしぬがは いはがしはと ときはなす われはかよはむ よろづよまでに)
※ 参考:『万葉集略解 第2篇』(国立国会図書館デジタルコレクション)

イサラヒ

「いざらひ」は「いさり」也。「いざる所」也。「らひ」のかへし「り」也。

ムネ

「むね」は「むらがる骨」也。骨のむらがりてしげき所也。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本釈名 3巻 [2]

ツメ

「つかむ」也。物をつかむ所也。「か」を略す。「む」と「め」と通ず。

御髪ミクシ

「み」はとうとぶことば。「くし」は「うつくし」也。人の髪は、カシラのかざりにてうつくし。

ハダカ

「はた」は「肌」也。「か」は「赤」也。衣をきざるは、はだえあかし。

※ 「はだえ」は、はだえはだえ

ウデ

「打手」也。「物をうつ手」也。

ウミ

瘡の内のくさるを「うむ」と云により、其シルを「うみ」と云。コノミジユクするを「うむ」と云を、借もちひていへり。

「したがふ」也。やはらかにて、したがふ也。一説「ひたる」なり。常に口中の津にひたる也。「ひ」と「し」と通ず。「る」を略せり。

ヒチ

「のびちゞむ」なり。又、ひくにちから有なり。前説よし。

キズ

「きるかさ」也。「る」と「か」を略す。「さ」と「す」と通ず。「きりたるあとのかさ」也。

クビス

「く」は「ユク」也。上を略す。「ユクヒキずる」也。道をゆく時は、必くびすを引て、地にてするもの也。又「きびす」とも云。「く」と「き」と通ず。

イノチ

「いきの内」なり。「いきてある内」なり。「き」と「う」と略せり。

ヨハイ

「世のあいだ」也。「あ」と「は」と通ず。

※ 参考:『古事類苑 第38冊(年齢)』(国立国会図書館デジタルコレクション)

ツブシ

「足のほね」也。「粒節ツブブシ」也。『順和名』曰、「つぶぶし」。

※ 「順和名」は、平安時代中期に源順によって編纂された『和名類聚抄』のことと思われます。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本釈名 3巻 [2]

ワキ

「わけ」也。「わき」は両にわかてり。

ヒゞ

寒にやぶられて、手足の皮いたむを云。「ひゞ」とは「ひえひいらぐ」なり。「ひいらぐ」は「いたむ」也。

アカゞリ

「あかぎれ」也。寒にあたりて、手足のはだえやぶれ、あかくしてきれたるごとくなる也。「き」と「かり」と通ず。

イキ

イキ」也。いきたる人は息あり。死していきなし。息は人の元気なり。一キフを一ソクとす。呼は出るいき、吸は入いき也。病の人は一日一夜に一万三千五百ソクあり。一説「いき」は「いづる気」也。中略也。此説もよし。



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