ペンライトよ、準備はいいか
この瞬間が1番わくわくする。
待ちに待ったツアー。
やってもやっても終わりのない雑務も、
むずかしい上司との仕事も、
この日があるからがんばれた。
ネタバレも踏まないように気をつけた。
ペンライトの乾電池もしっかり入れ替えた。
ツアーTシャツもなんとか着こなせたはず。
準備は万全。あとは待つだけ。
このわくわくはなんて表現できるかな。
胸が熱くなるかな、鼓動が速くなるかな。
果物とかアイスがいっぱいのったフレンチトーストを食べる前みたいな。
いや、それも大好きだけどそんな比じゃないか。
言葉では言い表わせないのかもしれない。
それでもいいや。
とうとう、この瞬間がやってきた。
会場はすでにペンライトの海。
一面に光る色とりどりのペンライト。
同じタイミングでリズムを刻む。
赤、青、緑、、、
どの色もぴかぴかときれいに発色して、
私の推しはこの人なのだと発信している。
そんな私も紫のペンライトで応戦している。
色んな色が混ざっているのに、
むしろきれいにみえるのが不思議なくらい。
年齢も住んでいるところも肩書も、
何も知らない、知ることもない、
そんな見ず知らずの人たちと、
みんな一緒にペンライトを振る。
ふだんはなんの接点もない人たちが、
みんな一緒に同じ方向に意識を向ける。
この一体感がたまらなく好きだ。
きっとみんなおんなじ気持ちだ。
今日という日を楽しみにしていたのだ。
心地よいリズムを刻みながら、
幕があがるのを待っている。
Overtureが流れはじめた。
会場は一層の熱をもつ。
ペンライトを振る腕にも一層力が入る。
もうすぐだ、もうすぐなのだ。
メンカラのレーザー照明が
準備はいいか!と言わんばかりに
会場全体を駆けめぐる。
いよいよだ。
どこからか、煙があがった。
いよいよなのだ。
その瞬間、会場に響きわたる歓声。
大好きな人たちがすぐ目の前に。
幕はあがった。
お楽しみはこれからだ。
